断腸亭料理日記2021

浅草・弁天山美家古寿司 その1

3840号

4月11日(日)第二食

さて、久しぶりの鮨。
もちろん、外で。

やっぱり浅草弁天山[美家古寿司]。
最近はもう、ここ一本。

見返すと、ちょうど去年の三月

一度目の緊急事態宣言の直前であった。

先週、内儀(かみ)さんが行きたいというので
TELをすると、当日では、やはりだめ。

今週。
やっぱり、当日だがテーブル席で予約ができた。
17時から。
テーブルでもよい。
いや、こんな時期なのでむしろ、よりよいかもしれぬ。

タクシーで馬道、伝法院通りの交差点で降りる。

店に入り、名乗り、親方と若親方にご挨拶。
奥のテーブルへ。

カウンターに二組。
どちらも比較的年嵩の夫婦。

テーブルは三つ。
我々以外は、比較的若めの男性一人ずつ。

掛けて、まずはビール。

貝のひものぽん酢しょうゆ。
とり貝か。

コースではなく、おまかせ。
コースはいつも同じものが出てきてしまう。

ちょっと、つまみをもらおう。

たこがないということで、煮いか。
それから、季節の鰹。

やりいかでする店もあると思うが、ここの煮いかは、
するめいか。

甘いたれかけ。
小さいが、子持ち。
これもやっぱり、旬といってよいだろう。

わたしもするが、火を通した煮いか。
実際は煮てはおらず、ボイル。

今は鮨やでは生しかないところがほとんど
だと思うが、生で食べるようになったのは、
明治になってからというのを聞いたことがある。
古い江戸前を標榜するところでは、
煮いかはけっこうある。

鰹もきた。

しょうゆには、辛子。

目には青葉 山不如帰 初鰹。

たたき、で、ある。
鰹はにぎりよりも、こうして刺身がよい
ように思う。

池波先生は脂の多い秋の戻り鰹は
辛子しょうゆで、と、書かれていた。

今日のものは、なるほど脂がのっている。

しょうがは生ぐささを消すため。
鮮度がよく、扱いがよければ、ちょいと辛子が
ちょうどよい。

ここからにぎり。

しょうががきた。

ここのしょうがは、甘くない。
もちろん自家製。
これが江戸前であろう。
甘いのはいけない。

にぎりは、いか、平目昆布〆、きす。
さっぱりしたところから。

ここには煮いかもあるが、生のいかもある。
これは、すみいか。
江戸前の生のいかといえば、すみいかに決まっているが
大きく堅くなるこの時期は、使わないところもあるが
ここは、使う。
厚いが、やはり多少堅め。

しかし、久しぶりのプロのにぎり鮨。
先日の、天ぷら[みやこし]

でも思ったが、あまりに自分で料理ばかりしているので
正解がわからなくなる。

あー、こんな感じだった。
写真は真俯瞰に近いのでちょっとわかりずらいが、
ここのにぎりは、酢飯がかなり薄く握っている。
高さがない。
酢飯を少なくにぎりたいのだが、これでもよいのか。

真ん中が平目昆布〆。
水分が抜けて、加えられたうまみ。

そして、きす。
〆たきす。これも、江戸前の種。
しかし、これは〆具合はあまりきつくはない。
これ、一匹をにぎっているのであろうか。
この形も美しいとは思われまいか。
開いた真ん中を中心に置いてにぎっている。

二人でビール二本を呑み終わり、お茶へ。

すると、頼んではいないが、お椀がきた。

味噌汁。
海老(さいまき海老)で出汁を取って、
試みに作ってみた。とのこと。
なるほど、すごい、海老のうまみ。
ベースは、通常の鰹であろうか、その出汁もあり、
そこに海老の出汁がのっている感じ。


週をまたぐが、つづく


弁天山美家古寿司

台東区浅草2-1-16
03-3844-0034

 

 

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