断腸亭料理日記2020

あん肝

9月27日(日)第二食

日曜日。

浅草。
人が以前ほどではないが、だいぶ戻ってきている。

が、外国人がいないので、ピークのまだ半分以下かもしれぬ。

商売をされている方は依然厳しい状況なのであろう。

ちょっと複雑だが、私などにはこのくらいがちょうどよい
ようにも思うのである。
前に書いたが、あの並木の[藪蕎麦]などは、
とても以前のような、歌舞伎「直侍(なおざむらい)」に
出てくるようなストイックでクラシックなそばやでは
なくなっていた。
これは勝手な私の思いだが、やはり悲しかった。

外国人が戻ってくると、また、あの状態になるのか。
これなんとかならぬものか。
店がにぎわうのはむろんよいこと。
お客によって、接客を変えてはどうだろうか。
藪蕎麦のことをよく知っているお客と、野暮な外国人観光客と。
見てもわからないか!?。いや、よく見ればわかると思う。
そのくらいの気は使えないものだろうか。

閑話休題。

やっぱり、西友に寄る。

魚、で、ある。

売り場にくると、今日は?。
おお!。

あん肝。

中国産で、276円。
格安。

このくらいなら、だめでもあきらめが付く。

迷わず購入。

これ。

家庭で作る料理では、基本まだないのであろう。

従って、いろいろあるレシピはプロのもの。

まず、水洗い。
肝を覆っている皮が破れていることもあるので、
そっと手で持って、優しく。

この後、筋を取る、というものあるが、
私は、そこまではしない。
特段、問題を感じたことはない。

次に、下処理、日本酒に浸す。

30分。
これはくさみ取り、という。

塩、あるいは、両方の例もある。

毎度のことなのだが、国産ではまずないが、
中国産は、苦み、えぐ味が出ることがある。

鮮度、獲れてからの管理などが原因であろうか。
えぐ味の本性はよくわからぬが、これを下処理で
取れればよいのである。
ただ、酒でも塩でも取れない。

なにか手がなかろうかと思っている。

ここから動画。

30分酒に漬けたら、酒を切って、しょうゆをまぶす。
しょうゆはまぶすだけ。
漬けない。
簡単な下味レベルである。

これを円柱に成形する。
巻き簾の上に、アルミホイルを敷いて、巻く。

詳しくは、動画を見ていただきたい。
文字では伝えにくい。

今日はうまくいったが、きれいな円柱にするのは、
そこそこ難しい。
これもまあ、プロの仕事であろう。
ソーセージのように円柱に成形し、輪切りにして
食べているのだが、あん肝の本質とすれば、
見栄えだけで、そのままでもなんら問題はない
と思われる。
面倒ならば、そのままアルミホイルで包めばよい。

蒸し器を用意。

湯気を出し、投入。

蒸し時間は30分。

基本、蒸し物は、中火以上強火であろう。
水が干上がるのを注意しなくてはいけない。

蒸しあがり、ホイルを開ける。

蒸すこと自体は、時間さえかければ、問題ない。

切って、ポン酢しょうゆ。
もみじおろしはないので、七味。

ビールを開けて、つまんでみる。

さあ、問題は、味。

どうか?。

う〜〜〜〜ん。
微妙。

食べられる、のではあるが、やっぱり
微かにえぐ味。

自分で食べるにはまだよいのであるが、
店などで出されるものではないかもしれぬ。

やはり国産は高い。三倍以上であろう。
下処理、あるいは味付けか、、なにか考えよう。

 

 

 

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