断腸亭料理日記2020

秋刀魚塩焼きと戻り鰹刺身

10月26日(月)第二食

今日は、浅草。

よい天気。
暑くもなく、寒くもなく、よい季節である。

この土日は、浅草も結構な人出であったが、
ウイークデーはちょうどよい感じ。
伝法院通りも人はいるが自転車で走れる。

いつも通り、ロックスの西友に寄る。

やっぱり、魚売り場。
今日は、特にあてがあるわけではない。

安いものを見る。
西友はほぼどれも安いが、超特価、となっているもの。

鰹。
宮城産のサク、大きなものではないが、370円。

今は戻り鰹であろう。

私は、基本、生の鰹はスーパーでも、吉池でも
買わないことにしている。
今のものも、初夏のものも。

買って自分で切ったものは、かなり生ぐさいし
血の味。

もちろん、鰹の刺身はきらいではない。
鮨やであれば、必ずもらう。
プロの出すものは、あたりまえだが血生ぐさかったりは
絶対しない。みずみずしい。
これほど違う魚も珍しかろう。

そもそもの鮮度の違いもあろうし、さばいてから
時間が経っている、ということもあろう。

脂が多い戻り鰹であれば、多少はよいか。
安いし買ってみよう。

それから、秋刀魚があった。
一本、127円。
今年にしては、かなり安くなっている。

山ほど報道されているが、今年もかなりの不漁。
脂ののりも寂しいのであろうし、無理をして
食べる必要もないだろう、というのが、持論である。
鮨やなどでも、出すところは多いのであろう。
希少だから、高い金を出して食べる、なんというのは、
まったくナンセンスである。
どうかしている。
これは、金ならあるぞ、感だけではないか。
希少→高価・・・→うまい?、、、はずがないであろう。

小肌の子供、新子なども同様である。メダカサイズの
ものを夏前に出す鮨やがある。あれなど、酢の味しかしない。
希少で高価だが、ありがたかって食べる神経がわからない。
昔からのことだが、初物をむやみに喜ぶ、よろしくない
思考であろう。

まあ、基本はこう考えているので、300円、400円の
秋刀魚であれば、絶対に買わない。

だが、127円、であれば、多少話が違ってくる。
少し考えて、今日は買ってみようと決めた。
もちろん、今年初めて。

127円であれば、逆に買うべきではなかろうか。
買わなければ、漁師の皆さん、卸、その他流通関係者、
この安くなった秋刀魚に関わったすべての方々に
申し訳がない、気がしてきたのである。

この価格で売れる理由の本当のところははわからぬが、
ある程度の量が獲れているのであろう。

帰宅。

こんなもの。

問題は、鰹。
今日、考えたのは、血合いを全部取ろうということ。
生ぐささの原因の一つは、鮮度もあろうが、
血合いも大きかろう。

鮨やなどでは、ちゃんとしたところであれば、
血合いはすべて取ってある。

家で刺身に切る場合は、血合いは残していた。
鰹のサクから、血合いを全部取ると、残りは
半分に減ってしまう。
かなりもったいないが、やってみよう。

パックではよくわからぬが、半分ということはないが、
1/3以上は血合いである。
小さくなるが、切ってみた。

秋刀魚。
大根は天ぷらに使ったものがまだある。

大根をおろす。
秋刀魚には、たっぷり。

半分に切って塩をし、ガスレンジで焼く。
これも新グリルで、自動で焼ける。

皿にのせて出来上がり。

鰹刺しは、脂のある戻り鰹なので、しょうがではなく
和辛子。

ビールを開けて、食べる。

少し残っているが、ほぼ血合いは取った。

やはり、かなりよい。
いやな血なまぐさは、ほぼない。
みずみずしい。

脂もそこそこ。

もったいないが、血合いを取った威力は
十分である。

うまい戻り鰹の刺身である。

和辛子で食べるのは、私は池波先生のエッセイから
だったと思うが、森下の[山利喜]でも見かけた。
東京下町では一般的か。
よく合う。

秋刀魚塩焼き。

脂は焼いていると下にそこそこ落ちていたが
焼き上がると、あまり感じられない。
その上、やっぱり細いのは、寂しい。

もはや、秋刀魚はこんな魚と思った方がよいのでは
なかろうか。

 

 

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