断腸亭料理日記2020
5月26日(火)第二食
さて、こんなもので恐縮である。
簡単で、皆さんも作られたことは多いと思う。
だが、うまい。
夏が近くなると食べたくなる。
タイ料理である。
だが、パクチーではなく、バジルを入れる。
これでパクチーぎらいな私も食べられる。
いや、むしろ、好物である。
挽肉をにんにく、オイスターソースとナンプラーで
炒めて、飯と食べる。
食べた経験としては、東京のタイ料理店のもの。
ガパオライスというのは、どうも日本のタイ料理店で
付けられた名前らしい。(ウィキ)
タイでは食べたことがないので、本場では
どんな位置付けのどんな料理なのか。
日本で付けられた名前の料理ということは、
ひょっとすると、タイではそれほど一般的なもの
ではないのかもしれぬ。
あっても簡単なものなので、高価ではなかろう。
カジュアルな屋台料理といったものかもしれぬ。
だが、タイ料理というのは、ちょっとおもしろい。
まあ、あまり詳しくはないが、前記のウィキによれば、
どうもいくつかの系統があるようである。
確かに、トムヤンクンのような辛いスープ、
あるいはグリーンカレー、そしてカオマンガイ、
今日のガパオライス、、、比べてみると、なんとなく毛色が
違うではないか。
タイは王国なので、宮廷料理というような格の高いものも
あって、固有の歴史と伝統があり、確立された料理世界を
持っているものもあろう。
トムヤンクンやグリーンカレーはタイ固有の料理で
よいようである。
これに対して、カオマンガイ、ガパオライスなどは
タイ固有ではないようなのである。
なにかというと、中国系。
日本ではあまり知られていないと思うし、
私も少し前まで漠然としか知らなかった。タイには中国系、
華僑の末裔という人々が一定の割合いるという。
歴史的には、華僑、華人の流入はかなり古く、アユタヤ王朝
以前というから、10世紀、11世紀以前からか。
そして、近代、さらに現代までずっと続いており、混血も進み、
むしろ区別すら難しいともいう。
実際のところ、タイに限らず、マレーシア、シンガポール、
インドネシアなどは中国系の人々が多く、経済を握っているのは
彼らである、というのは、私も知っていたことではある。
タイも同様であった。(ベトナムがそうでないのはおもしろい。
やはり、彼ら伝統的に中国ぎらいなのである。)
タイの首相になって失脚、今は亡命生活をしている
タクシン元首相はやはり華人系。
タイの国政が安定しないのは、裕福な華人系と
豊かでないネイティブなタイ人との根深い対立があるよう。
閑話休題。
中華系タイ料理で、日本で命名されたガパオライス。
まあ、オイスターソースが入るのは中華系であろう。
材料の挽肉は、やはり豚か。
バジルは欠かせない。ガパオはバジルのことともいうらしい。
バジルというと私などはイタリアのイメージなのだが
タイ料理でもパクチー同様よく使わているのはトウシロウには
意外である。それから、彩りにパプリカ。
豚挽きとバジル、パプリカを買ってくる。
玉ねぎ、にんにくはみじん切り器でみじん切り。
フライパンで炒める。
挽肉を入れ、よく炒める。
これも油が出るまでよく火を通す必要があろう。
小さく切ったパプリカ。
ここで、オイスターソースとナンプラー。
そして、少しのレッドパッパー。
パプリカに火を通し、味見。
ちょっと塩気が足らない。ナンプラーを足す。
OK。塩気はナンプラーのみ。胡椒も入れない。
バジルを投入。
軽く混ぜて完了。
それから、目玉焼き。これも欠かせない。
私としては、さほど好物でもなく、あってもなくても
よいのだが、オリジナルに敬意を表してのせよう。
東南アジアの料理には、なぜか目玉焼きがのる料理が
多いようである。インドネシアのナシゴレンや
ミーゴレンも、のせる。
日本でも以前は、ハンバーグにのせたり、いろいろ
であったが、そんなことなのかもしれぬ。
別の小さなフライパンで焼く。
やはりナンプラーで味付けをしておく。
冷凍飯を温めて、盛り付け。
出来上がり。
カンタ〜ン、で、ある。
挽肉は、豚でなくともよい、にんにくと、ナンプラー、
オイスターソース、バジルが入れば、ほぼ失敗なく
ガパオライスが出来てしまう。
アップ
オイスターソースとナンプラー。
双方ともに、香りとともに、ふんだんにうまみが入っている。
これがまずいわけがない。
バジルの香りとちょっとした辛味。
これもこの季節にはよい。
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