断腸亭料理日記2020
6月2日(火)第二食
さて、柱わさび、で、ある。
先日、小柱が吉池に見当たらず、あきらめていたが、
あった。
たまたま切れていただけだったのかもしれぬ。
北海道産のものではなく、三重産。
だが、一枚680円。
安くない。
吉池には、もっと安い千葉産があった。
半分くらいではなかったか。
仕方ない。
二枚。
なにか野菜と思い、地下へ降りて、佃煮に目がとまった。
あれ?。
ここは、以前から、浅草[鮒金]のものを置いていた。
それが変わっている。
パッケージはほぼ同じなのだが、シールの名前が違う。
そうである[鮒金]は少し前に店を閉めていた。
かわりに[湯蓋]としてある。
これユブタと読むが、見たことがある。
元浅草の拙亭から左衛門橋通りを北上、浅草通りも越えて
合羽橋本通りの交差点の角に新しくできていた。
かわったのか。
やき蛤という串のもの。
それから、いつも買うきゃらぶき。
帰宅。
小柱。
佃煮。
昨日、レバニラにしたニラがまだ一把残ってたので
これをゆでて、おひたしに。
柱わさび用に生わさびをおろす。
柱わさびには、もみ海苔を細く切ってのせる。
佃煮は出すだけ。
柱わさびのアップ。
柱わさびというのは、まあ、これだけ。
小柱をわさびじょうゆで食べるというもの。
そもそもは、今はなき、池之端[藪蕎麦]
のメニューであった。他では見たことがない。
私は、やたらと気に入って、よくつまんでいた。
まあ、大きなもので今日のような内地の小粒のもの
ではない。
だが、とにもかくにも、味もさることながら、
乙というのか、粋なものであると。
料理というほどのことはなく、そのまま。
これが、池波先生が書いていたような“江戸好み”の
ように感じられた、のである。
ビールを開けて食べる。
柱わさびは、やはり大粒のものにはかなわないが、
やはり、うまいし、乙である。
そもそも、これを食べようと思ったのは、
本わさびがあったから。
柱わさび、本わさびだから、よい、というものでもある。
佃煮。
やき蛤というが、まあ、それほど濃い味ではないが、
見た通り佃煮。
これもなかなか、乙、で、ある。
きゃらぶき。
これも佃煮では定番である。
野菜の佃煮では、葉唐辛子とこれが、私は好物。
冷蔵庫にはかなりの確率で置いてある。
うまいものである。
この佃煮の[湯葢]、[鮒金]で働いていた方が
閉店に伴って、新規開業されたよう。
ご近所でもあり、今度のぞいてみよう。
さて、ビールを呑み終わり、こんなのも考えた。
小柱の手巻き。
ご飯は酢飯ではなく、急に思いついたので、冷凍飯を
レンジで温めたもの。
やはり酢飯の方がよりうまかったかもしれぬが、
これでも十分。
鮨にする場合、小柱は軍艦にする。
軍艦なので、そう古くからあるものではなさそうである。
だが、海苔に合う。
そして、やっぱり本わさび。
これは欠くことができなだろう。
さて、小柱、まだある。
やっぱり残りはかき揚げにしなくては。
果たして、うまくできるのか。
乞うご期待!。
佃煮処湯蓋
台東区北上野2-1-1
TEL:03-6231-6550
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