断腸亭料理日記2020
7月23日(木)第一食
さて[吉野家]、で、ある。
基本、この日記ではチェーンは書かないことにしている。
だが、例外もある。
まあ、基準は私が伝えたいものがある、と考えた時。
[吉野家]はファンといってよい。
月一回以上は行っているであろう。
理由はシンプル、うまいから。
他の牛丼チェーンもあるが、やはり[吉野家]がいい。
近所では[すき家]の方が近いが、
やはり[吉野家]まで行く。
放っておくと、もっと行ってしまうので、
セーブしているくらい。
書いてもいる。
だが、今日書くのはNHKの「ニッポン知らなかった選手権
実況中!」という番組を視たから。
これは二回、放送されているが、BSと深夜なので
視た方は少ないだろう。
なにかというと吉野家の社内で行われている、
「牛丼肉盛り実技グランドチャンピオン大会」
を実況したもの。
(この7/30までは見逃し配信中のよう。)
NHKで民間企業のかなりディープな内容を企業ルポを含めて
番組にするのはかなり珍しいことであろう。また、民放では
逆に正味1時間、この内容で放送できなかろう。
また[吉野家]もよく公開したものである。
ともあれ、かなりおもしろかった。
特に私が[吉野家]ファンであるから、ということも
あるとは思う。
まあ結果[吉野家]ファン向けの番組であった
かもしれぬが。
再現の時に書いたが、
玉ねぎを煮すぎてしまう問題、があった。
カレーでも作られた方はお分かりであろうが、
玉ねぎというのは、時間が経てば、味が染みて、
翌日にでもなれば、いとも簡単に溶けてしまう。
これはまあ[吉野家]に限らず、牛丼チェーンは皆、
そこそこ玉ねぎの色が残っている状態で、提供される。
おそらく、半日つゆに浸っている、ということはない
はずである。
再現をした写真は、実は半日以上経っていたもの。
それで玉ねぎに色が付いてしまったのであった。
作ったのは夜中で、最初はご飯なし、頭だけで
食べていた。
ともあれ、[吉野家]ではどうしているのだろう?、
という疑問があったのである。
この番組を視て、簡単に理由がわかった。
私は、冷凍を温めているのであろう、と思って
いたのである。[吉野家]は冷凍も売っている。
だが、違っていたのである。
皆さん、ご存知であったろうか。
あれ、生の牛バラ肉と玉ねぎを店で煮ていたのである。
「牛丼肉盛り実技グランドチャンピオン大会」なるもの。
“肉盛り”といっているが、なにかというと、ご飯に
肉を盛る作業が主ではあるが、店長さんだったり
店員さんが、煮て牛丼を出す作業の前後すべてを
審査するものなのである。
それで、ちゃんと生から店で煮ていたのもわかった
わけである。
と、いうことは、玉ねぎがちょうどよい煮え具合の
時間はそう長くはないので、まさにそれを見ながら
調整している、ということなのである。
それだけではない。
へー、こんなことまでしていたのだ、
こんな技まであるのか、という場面の連続であった。
注文が入り、ご飯を盛って(大会では盛るのは別の人が
やっていたが)具とつゆを穴の開いたお玉ですくって載せる。
これが数秒である。
小盛、並から大盛、特盛、つゆだく、ねぎだく、などなど
たくさんあり、もちろん量も決まっているのだが、
秤(はかり)などで量ってはいない。
最小の誤差ですべての盛り方を一つのお玉で、
一瞬で盛り付け分けをしているのである。
もちろん、この大会で出ている方達は全国各地区から
選ばれた最上位の手練れで、その手際であったわけだが。
大会名が“肉盛り”といっているのは、まさに
この盛り付け技部分が吉野家社員の作業の肝だからと
いうこと。
出ている方は皆、もの凄かった。
技を細かく説明したいが、文章で説明し尽くせそうに
ないのでやめる。だが、つゆだくの盛り付け技など、
目から鱗というのか、仰天の技であった。
速さ、正確さ、盛り付けた後の見た目、などなど、
採点ポイントが作業全体に細かく決まっている。
やはり、盛り付けた時に、ご飯が見えるのは、
減点らしい。
また、この大会、実際の有楽町の店舗で営業をしながら
行っている。それで店のリアルの客に声を掛けたり、
なん番に出すなど、指示もする。
客はどんどん入り、まさに手際の速さ正確さが実地で
はっきりするということであろうし、臨場感が違う。
結果は、新宿南口店長の方がグランプリであった。
この番組、私などもここに書いているので、
[吉野家]とすれば、それなりの宣伝効果があった
ということであろう。
と、いうわけで、昼、拙亭最寄りの[吉野家]浅草通り
稲荷町店である。
いつもの通り、並と玉子。
1時台で客は少なく、技ということもなかったので
あろう。
実は、紅しょうがをのせた部分はちょっとご飯が見えていた。
まあ、たいした問題ではないが。
むろん、いつも通り、うまい。
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