断腸亭料理日記2020

赤酢の酢飯で新いかと鱸昆布〆のにぎり

7月27日(月)第二食

さて、月曜日。
魚を見に吉池へ。

また、にぎり鮨でもよいかと、考えてきた。

すると、新いか。

あー、もう出てしまったかぁ。

新いかというのは、東京でいうすみいか、コウイカの子供。

書いている通り、すみいかというのは、一年で
産卵し、代替わりする。
子供が生まれるのが初夏。
食べられる大きさになるのが、夏から秋。

江戸前の鮨や天ぷらは昔からこのすみいかを
使ってきた。
今も東京湾には、流通はしていないと思うが、
すみいかは住んでいるよう。

この子供のすみいかを、特に新いかと呼んで
東京の江戸前を標榜する鮨やでは、珍重してきた。

すみいかというのは、身が柔らかくあまいのが特徴だが、
子供なので、特に柔らかい。

夏食べるべき、江戸前にぎりの鮨である。

産地は熊本。有明海か天草か。
一山、700円ほど。買はずばなるまい。

もう一種。
にぎりであれば、なんであろうか。

ん!。
鱸(すずき)。薄いサクである。
そうだ。昆布〆にしよう。

愛知産、480円。

帰宅。

先に鱸を仕込もう。

昆布〆用の昆布というのは、売っているのも
見かけるが、どういう昆布がよいのであろうか。
今日は、函館の真昆布を出してみた。

昆布〆の場合、昆布は洗ってはいけないと、袋には書いてある。

のせて、適切な大きさに切ってはさむ。
ラップをして冷蔵庫へ入れておく。

夕方まで、3時間ほどか。
これでどんなものか。

5時頃から作り始める。
米を洗ってカタメモードでスイッチオン。

新いかにかかる。

7杯いた。10cm程度。

今日は、さばくのも動画で撮ってみた。

普通、いかは両面皮をむくが、すみいかは内側は
むいていない。プロもむいていないのではなかろうか。
むけない、のである。
外側はえんぺらをきっかけに簡単にむける。

下足ははらわたから切り離し、茹でておく。

鱸。

3時間程度であるが、かなり水分は抜けている。
身が薄かったからであろうか。
よさそう。

切る。

これ、意外と難しい。
水分が抜けて、摩擦が少ないので、包丁が動かしずらい
のである。

新いかは、身のまわりだけきれいに切って、そのまま
にぎればよいだろう。

飯が炊けたら、赤酢の酢飯にしてにぎる。
酢飯にするのは、なん度も書いているので、もうよいだろう。

にぎる。

前回から小さくにぎるようにしているのだが、
今日は、新いかで小さいし、鱸のサクも細いので
さらに小さくなった。
まだ、今の東京の鮨やの標準よりも大きいかもしれぬが
段々近付いてきた。
馴れの問題であろうが、小さい方が握りずらく感じる。

まあ、それなりの進歩はあろう。

新いかは一枚をそのままにぎったが、半分に切っても
よかったかも知れない。にぎり全体を覆うようになって
しまった。プロであれば、そうしたか。

そうそう。
生わさびが、まだあったのである。
きれいに洗ってラップをして野菜室に入れておいた
だけであるが、もつものである。
だが、これで完全に最後。使い切った。

赤酢の酢飯で新いかと鱸昆布〆のにぎり。

アップ。

新いかというのは、いかのなかで最もうまい
ものではなかろうか。
口に入れて、歯が当たるか当たらぬうちに、噛み切れる。
そして、あまみが広がる。

鱸の昆布〆もよい。白身はこれからすべて昆布〆に
しようかしら。特に赤酢の酢飯には必須かもしれぬ。
水分が抜けるとともに、昆布のうまみが加わる。
これを熟れるということかもしれぬ。

今日は充実のにぎりになった。

 

 

 

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