断腸亭料理日記2020
8月1日(土)第一食
さて。
つけ麺が食いたくなった。
やはり、夏のものである。
つけ麺といえば、どこであろうか。
つけ麺専門店、あるいはつけ麺を看板にしているところか。
上野、浅草、、自転車で行ける範囲で考えた場合、
落ち着いたところは天神下[大喜]であった。
この店、以前はともかく今は、そう話題になることもない
とは思うが、私の[大喜]の評価はずっと高いままである。
つけ麺で選ぶのではなく、ラーメンのうまいところ
というのが私の結論である。
料理人の方の能力ということを考えてみよう。
料理人の能力には、技術、職人技というものもあるが、
創造性というのか、新しい味を生み出す才能というのか、
そういうものを持っている、ある意味天才と思われる方が
数少ないがいる。
もちろん、プロとしての基本の技はできた上での話である。
鮨やなどは、完全に職人技の業態であろう。
決まったものを、正しく、あるいはほんの少し進化させながら
最良の状態で提供するということが主であろう。
あまりアイデアにぎりなど作られても、引いてしまう。
そういう意味では、和食、割烹なども、
まずは基本をちゃんと、うまく、美しく出してもらうのが
よいかもしれぬ。
ただ、その先に、その料理人のオリジナリティー、
創造性が発揮できる。
そういう料理人は、和食でもやはりそう多くはなかろうが、
いるのであろう。
洋食やはどうであろうか。
これも和食に近かろう。
カツレツ、オムライス、毎日同じものをハイクオリティで
作り続けることが大切であろう。
フレンチはどうか。
こちらは、180度違うかもしれぬ。
もちろん、基本はあろう。
だが、星付きのような一流レベルであれば、
オリジナリティー、他の人が作らない
スペシャリテといわれる看板料理がなければ
お話にならない。それが評価ポイント。
職人技の上に、味のクリエイティビティーが
要求される。
ラーメンやはどうであろうか。
普通、ラーメンやは、有名店、行列店であっても
味、メニューは変わらないところが
ほとんどであろう。
逆に変えてしまっては、いけなかろう。
お客は同じ味を求めて食べにくる。
いつ来ても、同じうまいラーメンが食える、
というのは、基本であろう。
これでいい。
これ以上でも、以下でもないのかもしれぬ。
だが、ラーメンやでもこれにあてはまらない人がいる。
基本メニューはありながら、月替わりなどで、
限定メニューを出しているところが多くはないが
ある。
新しいものを作りたいという料理人としての
欲求なのか。
問題は、この限定メニューの完成度、なのである。
半端なところ、凸凹あるところもある。
だが、[大喜]はこれがおそろしく完成度高い。
半端なものはない。え?と思ったことは、私にはない。
(毎度書いているが、もう一軒、市谷[庄の]
もこの例だと思う。)
[大喜]は限定と謳っていないメニューもどんどん変わる。
数か月に一度行く程度ではほぼ変化が覚えられない。
これが毎回、愉しいのである。
[大喜]であれば、つけ麺だって、いつも違う。
そして、あ〜、、、、?、と、後悔することは
ない、と思って決めたのである。
11時台。
自転車で到着。
先客は早い時刻なので一人。
自販機で、メニューを見る。
つけ麺はしょうゆと塩の二種。
塩のつけ麺というのは、また、攻めている。
あまり聞いたことがなかろう。
無難な、しょうゆの特製、1100円というのにしよう。
ややあって、きた。
つけ麺はどこも麺が大盛。
麺のアップ。
ひもかわのような平打ちの縮れ。細いものと選べたが、太い方。
ここの麺は基本自家製であったか。
メニューそれぞれでいつも違っている。
このあたりも凄いところであろう。
上には海苔。
つゆ。
特製なので、平皿で、具沢山。
煮玉子、わんたん、なると。
中に沈んでいるが、メンマとチャーシュー。
麺を取ってつゆへ。
海苔の香りがよい。
酸味や脂、魚介その他、なにかが突出しているのではなく、
かなりバランスが取れて、うまい。
他のものでもそうだが、ここのつゆは、いわば
センスのよい大人の味、ではなかろうか。
わんたんもぷりぷりで上質。
やはり、きてよかった。
おいしかった。
ご馳走様です。
台東区台東2-4-4
TEL 03-3834-0348
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