断腸亭料理日記2019
12月9日(月)第二食
浅草六区の西友で、鰺と鰯を買った。
久しぶりに、例の赤酢でにぎりの鮨にしようと
考えた。
最近、鰺も鰯も安いのではなかろうか。
毎度書いているが、西友の魚はスーパーとしてはユニーク
であろう。
以前には中国産だが生の鮟鱇の肝が安く置いていたり。
また、鰺や鰯など、その時によく獲れているものが安い。
正しい品揃えに近いのではなかろうか。
大方のスーパーは、品揃えはいつも同じ。
切り身ばかりで、一本ものなど置いていない。
まあ、さばける人も少ないのか。
だが、やはりこれは本来の日本人の姿ではなかろう。
山国の方々もあろうが、四方を海に囲まれた私たちの多くは、
長年、前の海で獲れる魚を食べてきた。
鯛や平目はともかくとして、安い鰺や鰯、鯖くらいは
おろせてしかるべきであろう。
さて。西友の鰺と鰯。
鰺は一匹。
鰯は頭と腹を取ったもの三匹。
先に、米を洗って10分ほど置き、電気炊飯器のカタメモードで
スイッチオン。(通常の炊飯器は早炊きモード以外は浸水時間も
入っているので、別に浸水する必要はない。)
鰺を三枚におろす。
鰯は一匹だけ。
やはり三枚。
西友は、生食、あるいは刺身用という表示をしていない。
頭を落として腹を出してある、というのは、若干時間が
たっているということが推測されるのだが、おろしてみれば
十分刺身でいけるだろう。
まあ、自己責任。これでよいと思う。
洗って、一先ず、冷蔵庫に入れておく。
鮨酢を用意。
今までの透明な酢の場合は、ご飯一合分で、25cc。
書いている通り、赤酢を使う場合、粘度が高いので、
混ざりにくい。そこで、透明な酢と半割。50%。
それでさらに気持ち多め。
赤酢は酸味が少ないように感じるのである。
それで全体で30〜40cc程度。
ご飯の炊きあがりを待つ。
飯台も用意。
切れた。さらにタイマー8分セット。むろん蒸らし。8分。
タイマーが鳴ったら一合を飯台に取って、用意した鮨酢をかけ回す。
手早く混ぜる。
寒くなってきたので、すぐに冷める。
大急ぎ。
また、ムラになってくる。白く残った部分に数滴赤酢をたらし
広げる、、小細工、、ではあるが。
まあ、こんなものでいいか。
また、8分。
この間に、鰺と鰯の皮を引いて、にぎり用の大きさに切る。
しょうがもおろしておく。
赤酢の酢飯の出来上がり。ムラは完全にはなくなっていないが。
手を濡らし、一つ分の酢飯を取る。
左手の上で形を作り、種をのせ、にぎる。
ひっくり返し、もう一度にぎる。
さすがに、段々きれいになってきたか。
二個ずつ。しょうがも上にのせる。
いかがであろうか。
形は、まあ、まあか。
ビールを抜いて、食べる。
味は?。
光物で、〆たものではないものを自分でにぎったのは
初めてかもしれぬ。
ん!。
鰺も鰯も、そこそこ脂があり、うまい。
だが、ほんのちょいと、生ぐさい。
ものとしてはわるくなかったはず。
冷蔵庫から出して切ってそのままにぎったのが
いけなかったか。
とりあえず、四つ食べてしまい、もう一回戦。
今度は軽く水洗いし、ペーパータオルでよく水気を取り、
握ってみた。
ほう。
これだけのことで、まるで違う。
刺身で食べるよりも、生の光物というのは、
にぎった場合、より微妙なところに気が付くのかもしれぬ。
おろした時に一度洗ったのだが、冷蔵庫に入れている間に、
皮を付けておいたせいで、血が残っていたものが出てきていた
ようである。
生の光物、鰺、鰯と赤酢の酢飯との相性はどうか。
〆たものとの比較である。〆鯖を最初ににぎっていた。
これはもしかすると、赤酢の酢飯は〆たものの方がよい
かもしれぬ。
赤酢というのは味が濃い、と書いたが、味が複雑なのである。
ちょっと妙な言い方だが、加工度が高いというのか。
加工度が高いものには加工度が高い、仕事をしたものの方が
合う。今までのものでは、〆鯖、稲荷ずし、煮穴子。
鯛の時にも昆布〆にでもした方がよい、と感じた。
それである。
酢飯だけ取り出すと、赤酢と透明な米酢などと比べると、
明らかに赤酢が濃厚でうまい。
だが、生の魚をにぎる場合は、透明な酢の方が合わせやすい。
それで、時代とともに生の魚をにぎれるようになり、
赤酢が酢飯にあまり使われなくなった。そういう
側面もあるのかもしれぬ。
結局、どちらがうまいのか、は、ものによる、
仕事のしかたにもよる。仕事と赤酢の合わせ技がうまく
噛みあうと、最もうまいにぎりずしになる。
こういうことになるのかもしれぬ。
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