断腸亭料理日記2019
[焼きあご塩らー麺 たかはし]上野店。
開店は16年11月とのこと。
2年以上も経っていた。
上野のラーメンランキングを見ていたら、上位にあったのである。
上野に限らないが、東京のラーメン店の数の多さ。
新しい店が開店し、店の見かけで興味を惹かれると
入ることもあるのだが、御徒町の狭い路地、もはや地元とはいえ、
把握することは不可能である。
最近話題で、高級などともいわれているのは知っているが、焼きあご
というのは、飛び魚の煮干し?九州など西日本で伝統的に使われている
という程度の知識で、出汁としてもほぼ馴染みがない。
もう一つ、ここは「燕三条系」。
そもそも「燕三条系」すら知らなかった。
新潟ラーメンというのはある程度情報としては知っているが
実際に食べたことがあるのは秋葉原・佐久間町の[青島食堂]くらい。
これもまあ、ほぼ未知といってよい。
さて、場所であるが、ちょうど昨日書いた[とん八亭]のそば。
中央通りとアメ横の通りの間の南北に走る通り。
この間に、細い路地を含め通りが3本ある。
[とん八亭]は一番中央通りに近い、たぬき小路。
真ん中は上中(うえちゅん)通り。
そしてこの店は、アメ横から一本目にある。
この通りには名前はない、のか。
鮨やが二軒、向かい合ってある、例の通り。
店は和系でお洒落なたたずまい。
これが“あご”なのか、大きめの煮干し、という印象のものが
紐で結ばれぶら下がっている。
券売機は珍しく、外にある。
開店間もない11時台であったが、
既に満席。1、2人待ち。
迷わず、焼きあご塩の、ノーマルなものを買って外の列につき待つ。
まあ、このくらいの人数であれば、すぐ。
入ると、コの字形のカウンター、13席のよう。
食券を置く。
意外に「燕三条系」という“背脂”を頼んでいる人もある。
これ。
これが焼きあご塩らー麺。
チャーシューは赤味の強いものと火が通ったものと二種類。
白髪ねぎ、メンマ、小さめに切った水菜。ここも水菜!。
ねぎは入っているので、彩りということになるか。
食べてみる。
麺は太めの平打ち、気持ち縮れ。
肝心のスープは、透明に近い。
魚介系がドーンとくるが、厚みがあり、動物系、とんこつ(拳骨)も
使っているという。
煮干しどっさり、という系統があるが、苦みが強くなる。
[青葉]まではよいのだが入谷の[晴]までいくと、
私はもう一つ。
そこまでではなく、上品といってよいのではなかろうか。
焼きあご出汁が、いわゆるいわしの煮干しとどう違うのか、
よくわからないのだが。
バランスが取れた味で、かなりうまいのではなかろうか。
これはこれは、めっけもの。
そして。
未知の「燕三条系」なる“背脂”も食べてみなければ。
これから、ここにはなん度か通っている。
二回目。
これが“背脂醤油らー麺”。
名前の通り、背脂たっぷり。
目を引くのが、海苔。これは岩海苔であろうか。
塩と同様、チャーシューは半生のものと煮豚と二種類。
玉ねぎみじん切り、メンマ、水菜はなし。
見た通り、背脂がガツンとくるが、食べ進むうちに
後味というのか、全体とすると、ほどがよい。
スープは魚介系も感じられる。
一般に「燕三条系」というのは、背脂+魚介ということのよう。
海苔はここだけなのか「燕三条系」の特徴なのか不明。
こういう設計なのであろうが、海苔はスープに溶けだしてくる。
これがちょっともったりとした印象になる。
ここが代表的なものかはわからぬが、
「燕三条系」、なるほど。
ここのもう一品も食べてみなくてはいけない。
別日、塩つけめん。
火の通ったチャーシュー、海苔、チャーシューの上に干桜海老で
あろうか、それから玉ねぎ、水菜。
麺は中盛。
塩といっているが、濃厚。
魚介ととんこつ?。
焼きあご塩のらー麺、のスープに近いのであろうが、
つけめんのつけ汁として、十分に主張している。
つけめんのつゆというと、元祖つけめんの池袋[大勝軒]から
酸味系があるが、ここのものは、酸味はほぼないだろう。
海苔はつけめんの場合、麺につゆがからみやすくなるので
よさそう。
焼きあご塩らー麺同様、上品でバランスが取れている。
むろん、スープ割もしてくれる。
さて。
焼きあご塩らー麺は、3月からさらに二回、食べている。
最初はやはり、魚介系が気になったが、日によって違う
ということはなかろう。やはりこれは馴れてくるのであろう。
二回目以降はよい印象が高まってきた。
この店、2年も知らなかったのは、迂闊といえよう。
本店は新宿歌舞伎町で二軒、銀座、渋谷、さらに中国・厦門(アモイ)にも
店を出しているよう。
この界隈では、定番になりそうである。
台東区上野4-1-5 上野中島ビル1F
03-6803-2790
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