断腸亭料理日記2018
引き続き、八百善レシピ、鯵ぬたと
なすしぎ焼。
鯵は塩をして、なすは味噌の用意と、半分に切って
油通しし、両面焼いたところまで。
鯵は、なすを焼いている途中で、タイマーが鳴ったので、
一度洗って、ざるにあげ、ペーパータオルで水分を取っておく。
鯵や鯖など青魚を塩をして〆る、というのは難しい。
今回のぬたのレシピでは塩をして10分。
このあと、酢に漬けるのだが、
10分は、かなり浅い。
ただ、微妙なのである。
同じ塩をするにしても、量の問題もある。
塩をした後、酢に漬けるまでもある。
今回は、少し多めに塩をしたので、水洗いをし、
水分をよくふき取る、ということをしている。
メカニズムとすれば、塩をして水分が出た分、
酢が入る。
これは分かっているが、どのくらい酢を入れればよいのか、
このあたりの微妙な塩梅がわからないのである。
鯵の状態にもよる。
かなり鮮度がよい場合、あるいは、今日のように
既に刺身として切られたものでも違ってこよう。
刺身に切れられたものは、明らかに鮮度は落ちている。
それで今回はちょと多めの塩でもんで、
そのままでは塩辛いと思い、水洗いをして、
よく水分を取っておく、ということをしてみたのである。
水分が多いと、酢が薄まると考えたから。
酢をかけて、しばらく置く。
この置く時間も問題である。
強く〆る場合は、たっぷりの塩で3時間、4時間、あるいは
一昼夜などともいうが、置いて、さらに塩抜きをして、
酢に漬ける。
強く長く塩をした場合水分は抜けるのだが、入る酢の量は
抜けた分だけ。
これだけ抜いても20〜30分酢に漬ければ入る。
これ以上漬けておいても意味はない。
今回は5分。
様子を見て、もう少し。
この間に、辛子酢味噌を作っておく。
レシピ(旧のもの)では、西京味噌に砂糖、酢、溶き辛子。
甘い西京味噌にさらに砂糖を入れる。
なすの味噌もそうであったが、かなり甘い。
やはり江戸の高級料理やのレシピは濃く、甘いのである。
日本橋[弁松]のおかずもかなり濃いが、同じこと
なのかもしれぬ。
それで、砂糖はやめて西京味噌に酢と和辛子。
和辛子はチューブのもの。
鯵は、多少白っぽくなってきた。
よいかな。
ざるにあげて、酢を切る。
もう一度ペーパータオルで水気を取っておく。
ねぎ。
ペーパータオルにくるんでおいたが、もう一度
紙を換えて水分をよくふき、ぬめりも取る。
ボールにねぎ、鯵、辛子酢味噌を入れよく合わせる。
なす。
仕上げである。
味噌を塗っておいたものをもう一度軽く
味噌を塗った面だけ焼く。
OK。
盛り付け。
なすのしぎ焼。
ぬた。
工程は多いが、1時間ほどで出来上がった。
ビールを開けて、食べる。
まず、なすのしぎ焼。
気持ち、焼きすぎたか。
皮がパリパリになってしまった。
実のところ、プロの作ったものを食べたことがないので
正解はわからないのだが、さすがにパリパリは焼きすぎであった
かもしれぬ。
そんなことなので、なすはかなり柔らかい。
だがまあ、これはこれで、うまい。
好物とまではいかぬが、かなり好きな料理である。
ぬた。
鯵は、ちょうどよい加減。
書いたように、塩梅がむずかしいのだが、
生ぐささもなく、塩も強すぎず、うまくできた。
ねぎ。先に正体をなくしたくらい、と、書いたが
そんな感じにしてある。
いつもは火の入り方は最低限にし、
ねぎの辛みを残す方向。
だが、これはこれであり、で、ある。
結局、中途半端に火を入れてしまうと、
水分が出てベチョチョになってしまう。
ぬたの場合、これが最悪であろう。
正体をなくすくらいにクタクタにすると、水も出ないが
辛みも少ない。だが、こういうものとして、うまい。
ここまでやればこちらの方が、簡単かもしれぬ。
さて、八百善レシピ。
今回二品作ってみた。
砂糖を減らすなどアレンジをしてしまったので
まったく同じものではないが。
やはり、どうしても現代のものというよりも、
昔の料理という印象は強かろう。
なんだか、古典の江戸落語と似ているような気がしてきた。
現代風にアレンジしてしまったら、既に江戸料理とは
いえない。“江戸”が東京から滅んでいる以上、どちらも
同じことなのである。
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