断腸亭料理日記2018

浅草・中華料理・ぼたん

先週は長々、書いてしまった。

書き始めた当初は、本当に結論はまったく見えていなかった。
鴻上先生の論を一つ一つ吟味しているうちに
日本人はそもそも、そういう気質を持っていたというのは
あまりに拙速で、考えずらい。意外に、近い時代に
そうなってきたのではと考えるようになっていったのである。
ある意味、消去法である。

それで、江戸か明治。
となると、江戸なのでは、と考えて、五人組と朱子学
というものを挙げてみたのである。
他にはないのか、あるのかもしれぬ。
前後の時代はどうだったのか。
明治は少し触れたが、戦国期、あるいは鎌倉室町期は
どうなのか、など吟味をしなければいけない。
そんな課題を持ちつつの仮説と考えいただければ
と思う。

と、いうことで、通常バージョン。

11月5日(月)夜

月曜日。

栃木から、いつものようにスペーシアで
浅草まで戻ってきた。

今日はどうしても、中華[ぼたん]の
オムライスが食べたかった。

理由は、わからない。
ただ無性に食べたかった、のである。

[ぼたん]は東武浅草駅北側のガード脇の
今は三代目(と四代目?)とのことで、
創業は戦前であろうか。

中華であるが、初代の頃から「オムライス」は
あったらしい。中華というより食堂的存在で
あったとのこと。

さて。

今日は、店の前にここの住所について、ちょいと
書いてみたい。

ここは花川戸1-8-1。

まず現代の地図。

続いて、明治。

東武線浅草駅開業前である。

で、なにかというと、花川戸という町名のことである。
なんであろうか、花川戸とは。

歌舞伎「助六縁江戸桜(すけろくゆかりのえどざくら)」。
通称“助六”。市川團十郎家の歌舞伎十八番。
主人公助六の苗字。彼は花川戸助六という。

花川戸自体は江戸初期から既にあるようで、地名の方が先。

花川戸の町名由来は台東区によれば、

「町名の由は、はっきりしない。地名説の一つとして、
川や海に臨む地に「戸」を付けることが多いという。
花川の「戸」も隅田川に臨んでいたことにちなんだのだろう。
「花川」のほうは、並木の桜、あるいは対岸の墨堤に咲く桜
などの花と隅田川を結びつけて、この名が付された
と考えられる。」

はっきりしないと言いつつ、断言しているが、
ちょいとこの説、胡散臭いのではなかろうか。

花は文字通り、フラワーの花でよいのであろうか。
川はこの場所なので、隅田川=大川でよいのだろうが
隅田川の別名に「花川」というようのものが
あったのであれば、その花川のそば、という
意味合いであれば、うなづけると思うのだが。
そんな史料でもあるのか。あまり聞いたことはない。
墨堤の桜は江戸に入ってから、吉宗の時代からのはずである。

ここは奥州街道沿いで、江戸初期には既に集落が
あったことは間違いないようで、浅草寺そばでもあり
浅草寺の歴史から考えると、もっと古くから
あったとも考えられる。地名の文字は置き換わることは
通常よくあること。花(ハナ)はフラワーではない可能性を
考えてもよいかもしれぬ。ハナは突端という意味の、端
だとどうか。川の端、、、戸と重なるか、、、、。
まあ、由来不詳でよいか。

江戸の地図。

そんなわけで、江戸からずっと花川戸。
そして、こんなところまで、浅草寺の領地であった。

おっと。余談がすぎた。
町中華[ぼたん]。

カウンターに座って、ビール。

瓶ビールはもちろん、浅草らしくスーパードライ。
お通しは、いつももやしのナムルのようなもの。

カウンターの向こうでオムライスができていくのを
眺める。
右側のご主人の受け持ち。
中華なので、中華鍋。
ご飯を炒め、ケチャップを入れ、炒め終わる。
溶き玉子を中華鍋に。広げて焼く。
焼けたら、中華鍋をひっくり返す。
手元は見えないのだが、皿のチキンライスの上へ
のせているよう。

完成。。

半熟ではなく、しっかり焼いた玉子。
私は、半熟もよいが、しっかり焼いた玉子の方が
好み。

アップ。

ラードで炒めたしっかり味のチキンライスが
下町の味。

バカウマ。

ボリュームもある。

腹一杯。

ご馳走様でした。


03-3841-5040
台東区花川戸1-8-1

 

 

 

断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5
|
2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月 |

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月 |

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 | 2009 12月 |

2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 | 2010 7月 |

2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2011 12月 | 2011 1月 | 2011 2月 |

2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月 | 2011 9月 |

2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 | 2012 3月 | 2012 4月 |

2012 5月 | 2012 6月 | 2012 7月 | 2012 8月 | 2012 9月 | 2012 10月 | 2012 11月 |

2012 12月 | 2013 1月 | 2013 2月 | 2013 3月 | 2013 4月 | 2013 5月 | 2013 6月 |

2013 7月 | 2013 8月 | 2013 9月 | 2013 10月 | 2013 11月 | 2013 12月 | 2014 1月

2014 2月 | 2014 3月| 2014 4月| 2014 5月| 2014 6月| 2014 7月 | 2014 8月 | 2014 9月 |

2014 10月 | 2014 11月 | 2014 12月 | 2015 1月 |2015 2月 | 2015 3月 | 2015 4月 |

2015 5月 | 2015 6月 | 2015 7月 | 2015 8月 | 2015 9月 | 2015 10月 | 2015 11月 |

2015 12月 | 2016 1月 | 2016 2月 | 2016 3月 | 2016 4月 | 2016 5月 | 2016 6月 |

2016 7月 | 2016 8月 | 2016 9月 | 2016 10月 | 2016 11月 | 2016 12月 | 2017 1月 |

2017 2月 | 2017 3月 | 2017 4月 | 2017 5月 | 2017 6月 | 2017 7月 | 2017 8月 | 2017 9月 |

2017 10月 | 2017 11月 | 2017 12月 |2018 1月|2018 2月|2018 3月|2018 4月|

2018 5月 | 2018 6月| 2018 7月| 2018 8月| 2018 9月| 2018 11月|

BACK | NEXT

(C)DANCHOUTEI 2018