断腸亭料理日記2018

助六寿し その3

引き続き、助六寿し。

かんぴょう巻きとお稲荷さん。

前回は、おまけ、の、新たけのこを茹で始めたところまで。

再び、かんぴょう。

大方煮えている。

味はもちろん甘辛濃いめ。

前にも書いたが、煮えていない、味が染みていないところは
かんぴょうの厚みが厚いところ。

今日買ったかんぴょうは販売者は栃木だが産地は
中国のよう。まあ、手作業で加工しているのであろうから
こういうところもあるのであろう。
(しかし、かんぴょうなど日本人以外には食べないのでは
なかろうか。日本への輸出用だけに作っているのか。)

飯は電気炊飯器で既に炊き始めている。
炊きあがり以前に準備はすべて終えておかねば。

次は油揚げの味付け。

酒、しょうゆ、砂糖で、これも濃いめ。
煮詰めるように、煮る。

よくプロが煮汁が少なくなってくると、
鍋を振っていたりするが、あれを真似てみたり。

よい感じか。

これで準備は完了。

飯はもう少し。

すし酢は、ご飯一合分で40ccを用意。
ほんの少しの塩としょうゆ2〜3滴、みりんも
2〜3滴。

切れて、10分弱蒸らし。
よい酢飯には、きっちり蒸らすことが肝要。

飯台は一度水を張って、湿らせておく。

一合分炊飯器から取って、飯台へ。
ここにすし酢をまわし掛ける。

手早く、全体に混ぜ込む。

まだ寒く、飯の量も少ないのですぐに冷めてしまう。
手早く、手早く。
むろん、団扇などで扇がない。

よいかな。

飯台に飯を広げて、置く。
できるだけ空気に触れさせるため、で、ある。

この置く時間も大切。

ここも10分弱。

まだ温かみは残っている。
表面の水分が飛び、ベタベタ感がなくなっていれば

OK。

多少、炊きあがりから水分が多めであったので
心配をしたが、ベストとはいわないが、そこそこよさそう。

しかし、毎度思うが、飯を炊くということも然り。
そして、これを酢飯にするということ。
この二つの作業というのは、かなり微妙なことをしている
と思うのである。私自身、ある程度食べて許容できるものが
できるまで、かなり試行錯誤をしている。

まあ、飯を炊くのは今は炊飯器であるが、実際に鍋や釜で
炊いたことのある方はおわかりであろうが、うまく炊くのは
火加減、水加減、時間などなどかなり微妙なバランスの上に
やっと出来上がっている。少しでもこのバランスが崩れると
うまい飯は炊きあがらない。

酢飯も、炊き立ての飯の熱で酢の水分を飛ばし、絶妙な
食感の酢飯に仕上げる。
テキトウでは絶対にうまい酢飯はできない。
先人の積み重ねの上に出来上がっているわけだが、
これをプロでなくともそこそこ皆がしているのは、
ある意味驚異的なことなのではなかろうか。

さて、次。

海苔。

値段は忘れてしまったが、海苔だけはよいものをと
吉池で最もよい(高い)ものを買っている。
保管はジッパー付きの袋で冷蔵庫。

海苔というのは、値段でここまで味が違うのか、
というのが、よいものを使うとよくわかる。

海苔巻きは、ほぼ海苔の味で決まってしまうといってよい。

皆さんもご経験があろうが、まずいものは、
まったくまずい。
よくスーパーで「すしはね」などといいって、
売られているものを買っても、いかにもまずいものもある。

海苔というのは、色その他基準はあるのだろうが、
素人では見ただけではよしあしはまったくわからない。
値段の違い程度しか判断基準がないのである。

伝統食品はこういうものが多いような気がする。
海苔以外ではお茶。(一緒に売っているところがあるが。)
豆腐などもそうか。
これらも値段以外には判断基準がなく、食べてみなければ
わからない。その値段も、本当にピンからキリまでかなりの
違いがある。5〜6倍から10倍以上違うものも。
今の世の中、消費者としては、違いがわかるような
数値基準を設けてほしいように思うのだが、どんなものか。
(JAS、日本農林規格などが管轄していてもよいかと
思ったが、JASに海苔の規格はない。単なる乾物で
加工度が低いということなのであろうか。)

同じような伝統もので日本酒などは、精米度合いなど
はっきり表示していたり、辛口、甘口、淡麗、芳醇など
味の軸なども示される。
海苔業界、お茶業界、豆腐業界の皆さま、
ご検討いただけなかろうか。
豆腐はそうでもないが、海苔とお茶は高額なものもある。
だまされた感を消費者に抱かせないよう、
規格、基準の明確化は必要ではなかろうか。
これ自体が販売促進にもつながると思うのだが。




つづく








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