断腸亭料理日記2018

新橋駅前ビル・うなぎ・かねてつ

6月8日(金)昼

AMばたばたとし、昼イチ、京橋。

昼飯も食べられず、オフィスを出る。

五反田から京橋は、いろいろな行き方があるが
浅草線で新橋まで行って、銀座線に乗り換えて
京橋。

昼飯は新橋駅地下で立ち喰いそばでも食べよう。

新橋駅の東口というのは、東京では珍しく
戦後、駅前ビルとともにできた地下街が
残っている。

大阪の梅田の駅前南側周辺に発達しているビルと
巨大地下街には及ばないが、いわゆる昭和の香りを
残している。

新橋は反対側の烏森の方のニュー新橋ビルも
同様に昭和の香り満載で、なかなか味がある。

ただ、個人的には新橋は職場などの最寄であったことがなく
実際にはあまり詳しくはない。

ニュー新橋ビルだと閉店してしまったようだが
神保町から分かれた鮨や[鶴八]くらい。

東口の駅前ビルは一号館二階の池波レシピ
[ビーフン東]くらい。

昨年、久しぶりに[ビーフン東]へ行ったときに
このあたりのことちょっと書いている。

ニュー新橋ビルは建て替えて
30階のビルに替る予定があるそうである。

さて。

都営浅草線の改札から出て、駅前ビルの地下に入る。

浅草線からが最も近いのだが、どこがどう繋がっているのか
ちょっとわかりにくい。
やはり昭和の地下街特有の魔窟感である。

多少は土地勘があるので、するっと、
駅前ビル一号館の地下に入る。

このビルは三角形なので、地下は北に向かって
くの字に左に折れる。
折れて出ると、銀座線方面になる。

この途中。

右側にあった。立ち喰いそば。
入ったことはない店。

小さい店だが、かなりにぎわっている。

[おくとね]というよう。
(ここもあとで調べると、大きな舞茸天で
有名なようである。)

ん!?。

その手前の隣。

カウンターだけのうなぎや。

そばよりはお客は少ないが、ちょっと
おもしろそうである。

うな丼、1300円、大鰻丼1700円、
ダブルで2300円。

ここ数年、うなぎはもう高値が安定してしまっているが
さすがに相場よりも安い。

入ってみるか。

先客は二人。

カウンターの奥に掛ける。

年配の小父さんと小母さん二人でやられている。

「うな丼!」と頼む。

ん!?。

目の前壁の貼り紙。

数量限定、まかない丼、1000円。

蒲焼、玉子焼きに、肝を煮たのが入っている。

こちらの方がおもしろそうではないか。

まかない丼の方に替えてもらう。

ややあって、きた。


丼とお新香、吸い物。

なぜか蒲焼は串のまま。串のまま食べるということか。

肝がちょいと少ない。

蒲焼は串をはずして食べる。

玉子焼きの緑色のものは
青海苔のよう。

ご飯も硬めにうまく炊かれて、たれがたっぷり。

ガツガツと掻っ込む。

うまかった。

ご馳走様でした。

勘定をして、出る。

こういう店、コストパフォーマンスがよいから
ということだけではなく、なにか魅力的である。

やはり昭和の香りというのか、
味がある。
やられている方の顔が見える。

ただ、おそらくいずれこのような味のある店は
なくなっていく。
そして、今の時代、あるいはこれからはもう
生まれてこないのではなかろうか。

東京オリンピックに向けて新しいビルが
たくさんできている。これからももっと増えていく
のであろう。戦後二度目の東京大変革の時代。そしてそれらのビルに入る
飲食店はどこも同じような顔。

昭和の香り、でなくとももちろんよい。
どこも同じのチェーンの顔ではなく、
やられている人々の顔の見える、味のある
新しい時代の飲食店が増えてくれると
うれしいのだが。






港区新橋2-20-15 新橋駅前ビル1号館 B1F
03-3572-5256




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