断腸亭料理日記2017
1月21日(日)
さて、いわし、で、ある。
一匹刺身にしただけなので、まだまだ手付かず
といってよいほどある。
いろいろ考えたのだが、フライにしようと考えた。
いわしの食べ方として、私は1、2を争うものと思っている。
うまいもんである。
そして、もう一つ。
穴子。
このところ、やりいかをよく食べているので
かの甘いたれがだいぶ減ってきてしまっている。
なんだか本末転倒のような感じもするが、
煮汁をつくるために、穴子を煮ておきたい。
午後、穴子の買い出しに出る。
必ずあるかといえば、そうでもないのだが、
御徒町の吉池には、このところはほぼ、置いている。
穴子など必ず置いている魚やというのは
都内でもかなりレアであろう。
私は他には知らない。
一般の家庭で穴子の料理をするところは
ほぼなかろう。
吉池には、意外にプロも買いにくるのである。
私の知っている天ぷらやのご主人を見かけたこともある。
きてみると、やはりあった。
細いのが一本300円ちょい。
そして、これとは別に、太い立派なものが
一本1500円ほど。
穴子というのは、天ぷらには細めのものが
よいのだが、煮穴子にする場合は、太いものの方が
うまい。
ただ、にぎり鮨にする場合は、太すぎるのも
にぎりずらく、食べずらいので、適当な太さが
よろしかろう。
ともあれ、せっかくなので、太いもの一本と
細いのを二本購入。
それから、いわしフライ用にキャベツ。
報道されているが、旧臘(きゅうろう)から葉物野菜が高い。
特にキャベツは深刻である。
一玉400円、500円近いのも見かけている。
だが、いわしフライにはキャベツは欠かせない。
もっとも、一玉買っても余らせてしまうので
カットしたものがよい。
そこで、100円ローソン。
100円ローソンには種類は少ないが生鮮も置いている。
そしてキャベツはほぼ必ず、ある。
こういう時には、100円縛りの業態は重宝である。
きてみるとやはりあった。
1/4カット(玉自体が小さいもので半額)を二つ購入。
帰宅。
穴子。
開けると、こんな感じ。
このところの煮穴子の反省なのだが、どうも生ぐさい。
薄味に煮るようになって顕在化した、ということも
ありそうである。
原因について思いついたのが、ぬめり取りが足らない
のでは、ということ。
いつも煮る前に塩で揉んで洗っているのだが
これが、正直にいえばテキトウでやめていた。
ぬめりが完全にとれるまでやってみよう。
なん度も塩揉みをしては洗い、洗っては
塩揉みを繰り返し、完全を目指す。
すると、とれるものではないとあきらめて
テキトウにしていたものが、やはり繰り返しの
塩揉み+水洗いで完全にとれた。
なるほど。やればできるもの、か。
煮るのは、圧力鍋。
ひょっよすると、生ぐささの原因はこれか
とも思ったのだが、一先ず今回はよく洗ったことで
圧力鍋はそのまま続行することにしよう。
切って鍋へ。
砂糖と酒、ほんの少し、しょうゆ。
一度煮立てて、ふたをして、加圧。
圧が上がったら、弱火で3分。
後は放置。
さて、いわしフライ用のキャベツ。
玉が小さいので効率よく細く切れないが、
なんとか切った。
千切りにし、水に漬けておく。
さて、ここからいわし、である。
やはりあと9匹あった。
開く。
これ、出際よくやるのは、そう簡単ではない。
よく、干物やさんなどでおばさんが開いている映像を
見るが、おそろしく早い。
鯵でもなんでも、ものの数秒で一匹を開く。
いわしフライの場合は、頭を落とし、中骨は
全部取る。
使う包丁は小さな出刃。
まずは、頭を落とす。
次に、腹を開いて、はらわたを出す。
次に頭側の切り口の中骨際に出刃の刃を入れて
中骨に刃を当てながら尻尾側に刃を引いて
ハラス部分の骨を切る。
(言葉で書いておわかりになろうか。)
この部分、刃と骨の間にどのくらいの
隙間があるのかわからないため、
特に骨に身を多く残した大名おろしに
なりがちなのである。
腹部分が切れたらそのまま中骨に沿って
尻尾まで刃を引いて開く。
次に今度は中骨を取るのだが、
中骨の下に刃を入れて、同じ要領で
ハラスの骨を切り、尻尾まで引く。
一枚できた。
つづく
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