断腸亭料理日記2017

ソース焼きそば

10月8日(日)夕

連休中日。

今日は浅草方面に自転車で出る。

主として隅田公園。
隅田公園というのは、吾妻橋から桜橋までの土手道。
台東区側と墨田区の向島側と両方。
どちらもそれぞれの区営の公園である。

台東区側では隅田川に触れるイベントと、
北側にある区の体育館とグランドで運動会、マラソン大会などが
行なわれていた。

墨田区側の隅田公園は、土手と旧水戸藩邸の日本庭園のある
公園、その北の牛島神社から続いて、釣り堀、三囲稲荷、
桜餅の長命寺など、桜橋まで続いている。

こちらは隅田川堤でいわゆる墨堤(ぼくてい)いわれるところ。
その昔は田園風景に高級料亭も点在する風雅なところで、
春の花見を筆頭に、舟遊びなどなど江戸人の行楽の場であった。

今は、上に高速が走り眺めも今一つ。
吾妻橋東詰のご存知のアサヒビール本社と墨田区役所があって、
その北側、源森川、枕橋の北が、先に書いた旧水戸藩邸の隅田公園。
このあたりは以前は小梅と呼ばれており、ここの水戸藩邸は
小梅の水戸様などと呼ばれ、人情噺「文七元結」などにも出てくる。
文七が集金をした紙入れを忘れてくるのがここである。
本当は池もあるきれいな日本庭園がある公園のはずなのだが、
ちょっと荒れ気味なのが残念。
台東区側の隅田公園は整備も行き届いているのと対照的。
両区の予算の違いなのかもしれぬ。

日本橋の上の高速も同様だが、ここの高速も取り払って
地下にでもしてもらえないであろうか。
今さら、江戸の情趣をそのまま復活させるのは難しかろうが、
最大の重荷である。

さて。

観音様の裏を抜けて、帰り道。

境内はいつもの通り内外の観光客で大にぎわい。

腹も減った。

観音様、浅草寺の境内は土日にはいつも屋台店が
出ている。

焼きそば、、、、。

うまそうなにおい。

やっぱり屋台では焼きそばは定番である。

そう、ソース焼きそばというのは、この草が発祥の地
いわれている。

私も一度書いている。

時は戦前、昭和初期。

お好み焼きやもんじゃ焼きの原形であるどんど焼きが生まれ、
流行ったたのもこの頃だと思われるが、当時、ソース=ハイカラな洋食
という位置付けで、中華麺をソースで炒めたものが
「浅草焼きそば」と呼ばれていたという。

当時の浅草は、明治大正から引き続いて、東京の軽演劇、喜劇などなどの
一大エンターテイメント街で、庶民が愉しむ日本一の盛り場といっても
過言ではなかった。(松竹歌劇団、SKDの国際劇場ができたのもこの頃。
昭和12年である。)
浅草聖天町で生まれ、永住町で育たれた池波先生が
少年期をすごしたのもこの頃である。

前にも書いたが、浅草には二軒、ソース焼きそばだけを出す店が今もある。
一軒は銀座線田原町駅を出たところで、もう一軒はやはり銀座線の
浅草駅からつながっている地下街。

帰り道、浅草通りの100円ローソンで、焼きそばの3食パックに
キャベツ、肉は豚挽肉を購入。

バラ肉が定番だが、挽肉も屋台っぽくて捨てがたい。

帰宅し、作る。

冷蔵庫に先日の[みやこし]の天かすがあったので、
これも入れてみる。

青のりも忘れずに。

キャベツではなく、もやし、というのも屋台や、浅草界隈では
定番であるが、やっぱり私はキャベツを入れたくなる。

焼きそばといえば、マルちゃんの3食だが、
今日は100円ローソンのプライベートブランド。
ソースがちょっと薄く感じられたので、ブルドックソースの
中濃を足した。

屋台などの焼きそばのソースというのは、ちょっと独特なものが
あるように思う。むろん、ソースというのは地方によっても
大きな違いがある、のであろうが東京だと、甘すぎない。
このあたりがポイントであろうか。

東京でソースといえば、ブルドック。
西側の西武沿線で育ったからか、子供の頃から、
これ以外は私は知らなかった。

ソースというのも、B級グルメなどとワンセットで
地方毎にご当地ブランドというのが数多くあって、
味も随分と違うというのはよく知られていることである。
例えば、広島のお好み焼きには甘くてわりにさらっとしている、
オタフクソースだし、それぞれ、ある。

ブルドック以外ではほとんど知られていないが、
東京にはユニオンソースというのがある。

今のユニオンソースの本社は日光のようだが、オリジンは
東京のソースメーカーが名前の通り合同してできた会社。
(今は広島のオタフク傘下のよう。台東区に本社のあった
メーカーもオリジンの一社らしい。)

屋台の焼きそばや、浅草焼きそばでのシェアがどんなもの
なのかわからぬが、ユニオンはなんとなく
よく見るような気もする。(先の田原町の焼きそばやでは
ユニオンソースという情報もあるよう。)

スーパーなどではほとんど見かけないが、
今度探して焼きそば用に試してみようか。

 

 

 




 


    

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