断腸亭料理日記2017
10月22日(日)
どうも、風邪を引いてしまった。
昨夜あたりから、7度程度の微熱。
私の場合、あまり熱が上がらない方なので、
このくらいでも、そこそこだるい。
日曜日、朝飯。
冷蔵庫に冷や飯もある。
簡単に汁飯にしよう。
木曜日にやった鶏と大根の鍋の汁を
飯にぶっかけて食べよう。
下煮をした大きな鍋はそのまま冷蔵庫に
突っ込んでいた。
鍋をしたときに、残った大根と手羽は
しょうゆで甘辛く煮ようと、考えていた。
で、そのつゆ。
大根が入っているので、なにかのだしにするよりも、
そのままつゆとして飲むか、飯にかけて食うのが
よいだろうと、考えていた。
それで日曜日、朝。
微熱もあるので、つゆを飯にぶっかけて
サラサラっと食べよう。
鍋からつゆを分け塩を入れ、温める。
結局、つゆは飯にぶっかける分ですべてであった。
飯はレンジ加熱。
小ぶりの丼に飯を盛り、つゆをぶっかける。
ねぎくらいは薬味に入れよう。
小口切りにしたもの。
これこれは、うまい。
鶏のだしもさることながら、
大根の味も溶け出しており、格別。
さらさら、さらさら。
考えた以上であった。
鍋の副産物であるが、こういうものが
うまいもの、なのである。
さて、残った大根と鶏手羽の水煮。
ここに酒、しょうゆ、砂糖、つゆは全部
ぶっかけに使ってしまったので、水も足して
ひたひたよりも少し低い水位。
煮立ててアルミホイルで落としぶたをし、
弱火で煮込む。
大根に色がつけばOK。
ぶり大根の例を引くまでもなく、
柔らかに火が通り、甘辛が染みた
大根は、うまい。
そして、鶏手羽もとろけるほどに
柔らかくなり、うまい。
鶏手羽と大根、十二分に味わい尽くした、
と、いえるだろう。
さてさて、これはどういうことであろうか。
いや、あたり前のこと、であろう。
先日のフレンチの[アピシウス]のことを
考えてしまう。
味も、サービスも、格別であったが、
その値段もかなりのものであった。
そして、今回の鶏と大根の鍋とつゆのぶっかけ飯、
甘辛の煮込み。
冷蔵庫に余っていた大根と、どこにでもある、
鶏手羽。むろん、安いものである。
しかし、これはこれでどれも、十二分にうまかった。
少し前に、まずいものはほとんどない、
というようなことを書いたが、これはこういうこと、
なのである。
つまりうまいもの(うまく作ったもの)と、
例えば[アピシウス]のようにべら棒にうまいもの
がある。
あたり前だが[アピシウス]のようにべら棒に
うまいものばかり食べているわけにはいかない。
(もちろん、お金が続かない。)
そうすると、変わったものではなく、
そこにいつもあるものを、吟味して選び
吟味して調理し、うまく食う。
こういうこと、なのである。
まあ、あたり前のことである。
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