断腸亭料理日記2017

江戸甘で麻婆豆腐

10月15日(日)夜

今日は朝から雨でやっぱり寒い一日。

私は朝から、家で仕事の資料作り。
3時頃、なんとか終わる。

小降りにはなっているが雨は降っている。
コートを着てキャップをかぶって自転車で出る。
遠くへは行かずに、界隈を一回り。

なにを食べようか。

麻婆豆腐にしようか。
少し前に内儀(かみ)さんが食べたいといっていた。

この前いった秋葉原にある石焼麻婆の店[陳家私菜]
も考えたが、雨だしまた出るのも面倒になった。

しかし、韓国料理の石焼ビビンバの石の器で
麻婆を出す、というのはアイデアである。

熱く熱した器だと冷めにくく、
より辛さが際立つ。

自分であの石の器を買って、やってみても
おもしろいかもしれぬ。

よし、出たついでに、合羽橋の道具街を見てみようか。

しかし、合羽橋まできて、ちょっと考えが変わった。

まあ、あの石の器の本来の目的である、
石焼ビビンバというものは、別段きらいでもないが、
ことさら好物でもない。

熱くなる器ならば、同じことになるではないか。
なにかで、代用ができないか、、、。

!。

そうだ。

土鍋でよいではないか。

石の器ほどは熱することはできないかもしれぬが、
普通の皿で出すよりは、効果は出るだろう。

豚挽き肉、豆腐も家にあるので、そのまま帰宅。

作る。

さて。

味噌。

四川の麻婆は、豆鼓(トウチ)を使う。

豆鼓というのは、日本のものでいえば、
八丁味噌の豆粒の形が残ったもの、とでも
いえばよいのか。
(まったく同じようなものは、浜松の名物、
浜納豆というものだが。)

あれはつぶが硬く、扱いにくい。
それで、私は以前から八丁味噌を使ってきた。

昨日の今日だが、ひょっとして、これ、
江戸甘を使ってみたらどうであろうかと、
思い付いたのである。

麻婆というのは、私は入れないが、
砂糖を入れるレシピもある。
多少ベースが甘くても、よいのではなかろうか。

よし、いってみよう。

にんにく、生姜をみじん切り。
仕上げ用の長ねぎもみじん切りで用意。

豆腐は賽の目に切る。
土鍋は豆腐を温めるのにも使おう。
水を張って軽く沸騰させ、豆腐を入れる。
このまま少し加熱し、火を止め置いておく。

中華鍋を熱し、豆板醤、にんにく、生姜を炒め、
ここに挽き肉。
よく炒めて油を出す。

ここに水。
江戸甘、沙茶醤(サーチャージャン)、紹興酒、
スープのベース味覇、赤唐辛子(粉)、ラー油。

味をみて、なかなかよいが、しょうゆ。

江戸甘、予想通り、よいかもしれぬ。

土鍋の豆腐は湯を切る。

ここに中華鍋から土鍋に移し、再度点火。

香り付けの胡麻油、ねぎ。

水溶き片栗粉でとろみをつけ
あたり鉢で花椒(ほわしゃお)をつぶして、
散らす。

出来上がり。

ちょっと豆腐と餡のバランスが、、。

まあよい。

ビールを抜いて、食べる。

ふむふむ。

やっぱり、江戸甘はよかったかもしれぬ。

赤唐辛子とラー油は多めで、かなりの辛さを狙った。
これだけ辛くすると、江戸甘の甘味はほぼ隠し味程度にしか
感じない。
これがむしろ、うまみとして感じられる、かもしれぬ。

大体において、八丁味噌は豆味噌で、
米麹を使っていない。
このため、うまみが少ないのである。

他の味噌以上に米麹を使っている江戸甘を
使うと、味に厚みができるとでもいえばよろしかろうか。

なかなかうまい麻婆になったではないか。
むろん、四川のものやら[陳家私菜]とも違うが
日本人の舌には合った味、かもしれない。

大成功!。

あ、土鍋の効果?、、たいしたことはないか。



 


    

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