断腸亭料理日記2017

上野・カレー・デリー

7月13日(金)夜

やっと、金曜日。

なかなか消耗の一週間であった。

その上のこの暑さ。

毎度お馴染み、栃木から帰ってきた。
今日は、JR。

上野駅。

道々なにを食べようか、考えてきた。

久しぶりに[デリー]でカシミールカレーを
食べようか。

ここへくるのは久しぶりだが、
北千住の駅に入っていたのだが、
それも少し前になくなってしまった。

上野[デリー]のカシミールカレーは
そうとうに辛いが、うまい。

上野駅から歩くとそこそこあるので
御徒町まで一駅乗る。

春日通りを真っすぐ湯島方向へ。

広小路の交差点も越えて、右側。

カウンターと小さなテーブル二つだけの
小さな店。

私は行ったことはないが、今[デリー]は
銀座、ミッドタウンにもあるが、ここが
発祥の店。

開店は昭和31年。
今年で61年にもなる。

ガラスのドアを開けて入ろうとすると、
入れ替わりのため、ちょっと外で待たされた。

掛けた席はカウンターの一番奥。

いくつかビールのついてセットがある。
いくつかある内のタンドリーチキンなしで、
サラダ、スープ付きのものを選ぶ。

カレーはなんでも選べるが、むろんカシミール。

ビールがきて、サラダ。

インド料理店の生野菜のドレッシングというのは
いわゆるサウザンアイランドというのが多いような
気がするが、これはオリジナルなのかスパイシーな
もので、うまい。

スープもきた。

ラッサム。

酸味のあるインドのスープ。
そこそこ辛い。

もう既に、このあたりで汗が出てきている。

スープを飲み終わるのを見計らっていたようで、
きた。

これがカシミール。

ここは薬味として、キュウリのピクルスと、
玉ねぎの唐辛子和えが置かれている。

インドの漬物は広く、アチャールというのか。

ここの玉ねぎのものは好きで、
自作もする。
意外に簡単。

切った玉ねぎにパウダーの赤唐辛子と
レモン汁を和えて馴染ませれば出来上がり。

キュウリは甘味の少ない酢漬け。

どちらも皿に取って、食べ始める。

一匙ずつ、ご飯をスプーンに取り、
ここにカシミールをかけて、口に入れる。

これこれ、この味。

ガツンとくる辛さ。

そして、なにかのスパイスが立っているのかといえば
おそらくそうではなかろう。
酸味もあるが、バランスは取れているといって
よいのではなかろうか。

そして、この濃い色。
焦がした玉ねぎなのであろうか。

それで苦味、も感じられるように思われる。

辛い、うまい。

汗が流れる。

しかし、スプーンは止まらない。

ここのこのカシミールカレーを食べ始めたのは
いつ頃のことであろうか。
15年前くらいであろうか。

最初は、あまりにも辛すぎて
食べ切ることも辛かったが、
今は、食べ終わりが見えてくるのが、
惜しいくらい。

たが、食べ終わりは必ず訪れる。

噴き出す汗で、最初のビールはすっかり
抜けてしまったように感じられる。

暑い、暑い、東京の夏には、この辛さが
必要である。

身体と頭に喝を入れる。
上野[デリー]のカシミール、
名作であろう。





デリー


文京区湯島3-42-2
03-3831-7311


 
  

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