断腸亭料理日記2017
7月17日(月)海の日 昼
いうまいと思えど今日の暑さかな
お暑うございます。
暑い、暑い。
と、続くのだが、こう暑いと、またまた、辛いもの。
いろいろなTVで取り上げられて、なんだか有名らしい。
麻婆豆腐の店[陳家私菜]。
赤坂が発祥らしいのだが、新宿、有楽町、五反田、渋谷、
秋葉原にもある。
麻婆とくれば、これは是非、行ってみねばなるまい。
秋葉原でも神田和泉町で昭和通りを渡った東側。
拙亭からも近い。
昼、内儀(かみ)さんとともに自転車で出かけてみることにする。
本当は、昨日行ってみたかったのだが、日曜休み。
祝日はやっているというのがおもしろい。
なん軒もあるようだが、チェーンというよりも
FCではなく直営?、いや、そういう表現も違っていそう。
どちらかといえば、スマートではない素朴な、
中国人オーナーのガバナンスが効いた、というのか、
最近、街々にある中国人経営の中華料理店で支店が増えました、
という感じであろうか。
最初に赤坂に店を開いたのが1995年なので創業20年ほどである。
短パンにストローハットをかぶっで出かける。
昭和通りの東側なのだが、凸版印刷の通りではなく、
その南の和泉公園の通りである。
やはり、秋葉原の昭和通り東側も段々に今風の
盛り場の雰囲気になりつつあるようである。
ビルの地下。
12時半頃到着。
随分にぎわっているが、席数はかなり多いようで
まだまだ空席もある。
小さな子供の家族連れ、若い男性二人組、制服姿の女子高生二人組。
ヨドバシカメラ?制服姿の女性三人組み、、。
ちょっとよくわからない客層。
まあ、人気店の客層と、界隈に働く人のランチ、か。
話題の麻婆豆腐は「頂天石焼麻婆豆腐」という。
石焼。
そう、韓国料理の石焼ビビンバのあの石の器、あれに入れて
出てくるのである。
祝日だが、ランチのセットがあるよう。
その「石焼麻婆」のセットと、次に人気があると
店のメニューに書いてある「よだれ鶏」のセット。
石焼麻婆はノーマルの上に、二段階辛さがさらにある。
辛さは、とりあえず、ノーマル。
二人でこの二品。
それから、ビール中瓶を一本。
どちらも800円台とかなり良心的。
ご飯は、残さなければ、お替り自由。
スープもお替り自由。
それに水餃子(二個)、サラダ、杏仁豆腐もバッフェ形式で
置かれている。
よだれ鶏からきた。
よだれ鶏も四川の料理。
ラー油で真っ赤。
だが、かなり複雑な味、で、ある。
たれは真っ赤だが、甘味もある。
もちろん、中国の山椒、花椒(ほわしゃお)の
麻(マー)も強く感じる。
鶏にはさらにいろいろなものがまぶしてある。
見た目では、ねぎ、それからピーナッツかなにか
ナッツのようなもの。
さらに実物は確認できないのだが、間違いなく、
香菜(チャンツァイ・パクチー)の香りもする。
なるほど。
なかなか、只者ではない。
このタレ、というのかラー油は飯にかけて食べても
うまそうであるが、肝心の麻婆がきてからである、、が、
なかなかこない。
石焼麻婆は、どうも製造ロットがあるようで、
よだれ鶏からは、時間があいた。
(石焼の丼を加熱するのに時間がかかるのであろう。)
きた、きた、これ。
油が跳ねるので、落ち着くまで皆、紙ナプキンを
かけている。
真似してやってみて、落ち着いてから、
食べ始める。
見た目の特徴は豆腐は丸ごと一丁。
切れ目は入っているのだが、切り離してはいない。
崩して食べるのだが、意図はなんであろうか。
味。
まず、マー(麻)ラー(辣)はかなり強い。
この上の二段階はいったいどんな辛さなのか。
恐ろしい。
マーラーも強いのだが、かなり塩気が強い。
ちょっと食べたことのない、麻婆の味である。
これに対して、甘味は少なめか。
塩味は、豆鼓?。
いや、豆鼓も入っているが、その塩味、ではない。
文字通り塩、かもしれぬ。
ただ、マーラーや塩味に隠れて気が付きにくいが、
うま味部分もちゃんとあるのも、忘れてはいけない。
そして、挽肉。
こちらは、甜麺醤であろうか、麻婆としては
ノーマルな味(甘味)がついているようである。
最後になるが石焼の効果。
これは、辛さに影響していそうである。
熱いほうが、辛さは強烈に感じるのではなかろうか。
つまり、冷めにくく、ずっと辛い。
〆て、今まで食べたことのない麻婆で、噂通り、うまい。
それも、本場、四川などというのではなく、今の東京人の
口に合った新しい麻婆豆腐、ではなかろうか。
そして、むろんのこと、ご飯に合うことこの上ない。
若者であればいくらでも飯が食えるであろう。
これはめっけもの。ちょっとクセになりそうである。
ご馳走様でした。
千代田区神田和泉町1-1-12ミツバビルB1
03-5821-2889
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