断腸亭料理日記2016
7月15日(金)夜
金曜日。
やっと一週間が終わった。
暑さのためか、既に夏バテぎみ。
今日はなにを食べよう
なぜだかわからぬが、考えると、洋食が頭に浮かんでくる。
暑いので、フライもの、ということなのか。
洋食といえば、銀座、日本橋、地元上野・浅草。
これらは帰り道であるが、少し開拓をしてみようか。
五反田にオフィスが移って、駅前に名物の古い洋食の店がある
というのをチェックしてあった。
[グリルエフ]という。
ここは戦後すぐの昭和25年創業という。
場所は東口の駅前なのだがちょっとわかりずらいとの
前情報。
確かに、東口の駅前付近もよく歩いているが、
いまだ見つけてはいない。
7時前、オフィスを出て、東口へ。
例によってスマホの地図を見ながら歩く。
皆さんもそうであろうが、初めて行くところは
こうしている。
東口駅前はバスの乗り場がいくつかあって、
その正面は山手線の駅前にしては雑然としている。
左端は大きなカラオケやビッグエコーのビル。
細い路地があって「五反田バル」という二間ほどの細い店。
その隣は同じく小さくて古そうな中華料理や。
さらに隣が間口は4間ほどと少し大きいが
やはり古くからありそうな薬局。
ちょっと昭和の匂いを残している。
なるほど。
[グリルエフ]というのはこのビッグエコーの脇の細い路地を
入ったところである。
駅前からはわからないが、この路地に入れば
看板が出ているので見すごすことはない。
建物がまたびっくり。
石造りのように見えるが、洋館風で
蔦が絡まっており、なかなかの雰囲気がある。
青い屋根があって、入り口。
硝子のドアを開けて入る。
中も外観同様に年季が入っている。
テーブルいくつかと、カウンター。
半分ほどが埋まっている。
若いお嬢さんに一人といって、空いていたカウンターに
掛ける。
カウンターの向こうは、透明な板があってすぐに調理場。
こちらもさほど広くない。
お嬢さんは二人で、メニューを持ってきてくれる。
ビールはサッポロ系のよう。
サッポロラガーを頼む。
ここの名物は、ハヤシライスとのこと。
が、しかし、なぜかメニューに見当たらない。
ポークカツレツ、、、か。
お嬢さんを呼んで聞いてみる。
ハヤシライスって?。
あ、あります。
メニューにはないんですけど。
なんだ、そうですか。
じゃ、それと、ポークカツレツ。
ご飯もの洋食と一品料理のダブルオーダー。
食いすぎであることは間違いないが、
連休前であるし(意味がよくわからぬが)、
これは池波先生の洋食やでのお得意の頼み方、
たまにはよいであろう。
ビールがハヤシライスの薬味とともにきた。
薬味、という言い方もクラシックでよいではないか。
呑みながらご主人の手さばきを見学。
ん?!。
これは、私のポークカツレツのよう。
洋食やというのは、フライものもフライパンで揚げる。
つまり、油の量が少なめなのである。
特にこのご主人は一品調理毎に油をあけている。
できた。
かかっているのは、ソースではなく、
デミグラスソース。
まさに揚げたて。
火傷をしそうに熱い。
ビールがうまい。
次はハヤシた。
玉ねぎ、肉を炒め、ここにスープ(ブイオン?)。
デミグラスソース。
なるほど、デミグラスソースを伸ばしているのか。
できた。
ご飯と別盛。
かけて、食べる。
やはり、味はそんな感じ。
ハヤシライスというと、ハッシュドビーフ?、
正式にそういうメニューがあるのかないのか、
よくわからぬが、濃いドロッとしたソースを
ご飯にかけているものだと思うが、ここのものは
そうではない。
先に作り方を見ていた通りであろう。
ソースを伸ばして、炒めた肉と玉ねぎを
和えたもの。
これ、もしかすると、まかない、だったのでは
なかろうか。
あるいは、裏メニュー。
それで、今でもメニューに載せていない?。
そうかもしれぬ。
ちょっとB級なのか。
ともあれ。
ポークカツレツも十二分にうまかった。
店の雰囲気もなかなか。
お嬢さんもよい。
ビックリするほどではないが、
正しい東京の洋食や、で、あろう。
またこなければ。
品川区東五反田1-13-9
TEL03-3441-2902
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