断腸亭料理日記2016
1月24日(日)夜
相変わらず、寒い日が続いている。
この週末は、西日本が特に大雪のよう。
先週の月曜には早朝の雪が思いがけなく積り、東京なども
電車に大きな混乱があった。
寒い寒いと、鍋ばかり食べているが、
いささか飽きてきた。
なにか新機軸はないか、と考えて、
思い付いたのが、表題の「ポムドテール・ブーランジェール」。
もともとは雑誌に載っていたフレンチシェフのまかないレシピ。
じゃがいも、玉ねぎ、鶏の骨付きもも肉の白ワイン煮込み。
これが簡単でうまい。
段取りとしては、玉ねぎ、じゃがいものスライスを炒める。
鶏のもも肉もフライパンで焼いておく。
この二つを鍋に入れて、白ワインで煮込むだけ。
フランス語で書くと「Pommes de terre boulangere」となる。
boulangereはパンや、ベーカリー。
「パンやのじゃがいも」になるが、パンやで仕事が終わった後、
窯の予熱で作ったというのが由来らしい。
買い出しに出る。
じゃがいも、玉ねぎ。
骨付き鶏もも肉、これは冷凍、三本。
白ワインも安いもの一本。
作る。
凍っている骨付き鶏ももの解凍。
じゃがいも、玉ねぎを各二個、皮をむく。
じゃがいもは厚さ3〜4mm。
玉ねぎは、それよりも厚くでOKで6〜7mmに
スライス。
塩胡椒をしたもも肉をフライパンに油を敷いて、
両面に焦げ目を付ける。
一度皿に取り、じゃがいもと玉ねぎを炒める。
ここも塩胡椒。
玉ねぎがしんなりするまで。
OK。
全部を鍋に入れ、水、白ワイン。
白ワインは250ccというレシピだが、特に量らず、
ドバドバと入れる。
煮詰めるので、水と合わせて、ヒタヒタよりも少し多いくらい。
ローリエ4〜5枚と、タイム、パウダーのものを振り入れる。
一度煮立てて、ふたをして弱火で煮込む。
20分ほど。
以前にこの煮込みで、圧力鍋を使って失敗をした。
なにかというと、密閉されている圧力鍋ではアルコールが飛ばず
再度煮込み直しになったのである。
アルコールが飛んで鶏もも肉に火が通ったのを見計らい
ふたを取り、煮詰める。
ここで味見。
酸味が強い。
ワインの量がちょっと多かったか。
さらに15分ほど、ふたを取ったまま煮込む。
玉ねぎとじゃがいもが煮崩れ加減になり、煮汁と合わせて
ソースになる、というものなのだが、多少煮込みが足らない。
腹も減った、ちょっと早いがもうよいか。
皿に盛りつけて、食べる。
じゃがいもと玉ねぎ、骨付き鶏からのうまみ。
これらが混然一体となって、うまい。
ただ、うまいことはうまいのだが、
やっぱりちょいと酸味が強い。
最初に作った時にはちゃんと量ったような気もする。
酸味が強すぎるのも、まあ好みなのだろうが、私には
もう一つ。
この酸味は長く煮込んでもあまりかわらなそうである。
白ワイン、白ワインというのが、頭にあって
とにかく多めがよかろうという思い込んでいた。
日本酒や焼酎の煮込みは経験済みであるが、
ワインで煮込む料理など普段あまり作らぬので、酸味があるもの
という認識がほとんどなかったのは確かである。
今度作る時は気を付けよう。
さて。
この「ポムドテール・ブーランジェール」ちょっと調べてみたら
おもしろいことが分かった。
英語で「Potato
boulangere」なんという料理名のものもあり
イギリスなどでもポピュラーなようである。
ただ、違うのは肉などは入らず、スープストックを入れて
耐熱皿でオーブンで焦げ目が付くまで焼くというもの。
フランスでもイギリスと同じようなものもあるが、白ワインメインはなく、
バターあるいは、オリーブオイルでちょっとオイリーに
仕上げるようなものもあるようであるが、どちらにしても
オーブンで焼く。
ちょっとジャーマンポテトのような感じかもしれぬが、
煮込み料理ではない。
ただ、どちらにしてもじゃがいもと玉ねぎだけで作るシンプルで
簡単な家庭料理といってよいのであろう。
しかし、今回のシェフのレシピのポイントは、
玉ねぎに加えて、白ワインと骨付き鶏もも肉であろう。
この二つからのうまみが加わった煮込み料理。
さほど難しくないのでこういうレシピが
フランスでもあるのかもしれぬ。
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