断腸亭料理日記2016

讃岐うどん のつゆ

2月12日(日)夜

さて。

日曜日。

昨夜(2/13)やっていた、NHKの地方発ドラマ「さめきうどん融資課」。
ご覧になった方はおられようか。

同じ讃岐うどんを扱った本広克之監督の「UDON」も
私は好きな映画であるが、視終わると間違いなく
讃岐うどんが食べたくなる。

ドラマは高松の銀行にある讃岐うどん店専門に融資する「さぬきうどん融資課」での物語。

そんな銀行が高松にあるのかどうなのか。

「うどん県」を名乗る香川県のこと、もしやすると
そんなおもしろいことをやってくれそうな気もするし、
また、NHKのドラマである。まったくモデルのない物語も
作らなかろうとも思う。

しかし、それにしても、不思議なことではないか。

皆さんも、不思議に思われよう。

なにがといって、県を代表するのに
たった一つの名物に任せてしまうなんて。

どの都道府県だってとても一つには絞れまい。
だから皆苦労をしているのであろう。

むろんマーケティング的には、イメージは一つにするに
越したことはなかろう。
大正解である。

しかし「うどん」一つに絞って、香川県民のコンセンサスは
取れているのであろうか。

おそらくこれ、取れているのではなかろうか。
私はそんな気がするのである。

このドラマや映画「UDON」にあふれている“うどん愛”から
そうでなければならなかろう。
だからこそ、讃岐うどんはうまいのだし、
食べる私たちに感動を与えてくれる。
そう思えてならないのである。

まったく香川県というのは稀有なところであるし、
幸せなところといってよろしかろう。

誇り高きうどん人、愛すべきうどん人達。

ともあれ。

讃岐うどんを作る。

今日は、ちょっとつゆに焦点を当てる。

今まで私は、漠然と昆布を主体に鰹を入れ、一番出汁のようなのもの
関西でも大阪風になろうか、を作ってきた。

ドラマにも出てきたが、讃岐うどんのつゆは、いりこである、
と、いう。

いりこというのは、東日本では煮干しのこと、
でよいのか。(まあ、よいとして。)

煮干しというのは、苦味が出る。
味噌汁でも出汁を取るのには、腹を取って、
空煎りして生ぐさみを取る、と料理の本には出てくる。

私は基本この通りにしている。

東京などの最近のラーメンやなどでも
煮干しを使うところが増えているが、
これらはそんなことはしていないように思われる。
それで、苦味がある。
私自身は、正直のところ、この苦味は今一つ
得意ではない。

讃岐うどんでも、TVなどでみても
腹を取っている様子はない。
まあ、大量に煮干しを使うと、一匹一匹取っていると
たいへんな手間になることにはなる。

家にある煮干しは、そんなことも考えて、
一匹が5cmはある大きなもの。
これであれば、取る腹も少なくて済む。

頭と腹を取り、一度洗う。
出汁が出やすいように、開いておく。

一分ほどレンジをかけて温め、フライパンで空煎り。

これで水を張った鍋に入れ、昆布も三本ほど。


ここで、一度点火し、沸騰少し前まで加熱して、置く。

この間に、切れていた鰹削り節と、
鯖などの入った混合の削り節を買ってきておく。
讃岐うどんのつゆには、この混合削り節を入れるよう。

このくらいかければよかろう。

3〜4時間。

もう一度点火し、温まったら昆布を引き上げ、
沸騰直前に混合削り節(厚削り)を入れ、弱火。
数分でとめて、混合節から出汁を出すために
再び、置く。

また1時間。

だいぶ出たかな。

もう一度点火し、今度は鰹削り節を入れて
弱火で3分。火をとめて、また置く。


これでほぼよかろう。

ざるで濾す。

薄口しょうゆ、塩。


今日のうどんは、冷凍の讃岐うどん。

具はちくわと生玉子、油揚げ、ねぎ。


ねぎはやっぱり関西風に青いところを使った方が
それらしいのであろうが、仕方がない。

つゆは、、、。

いりこ(煮干し)を使ったのが、わかるのか、
わからぬのか、微妙、で、ある。
腹を取って苦味がないから、かもしれぬ。
(ただ、例の五反田[おにやんま]でも別段苦くはない。
これでよいのかもしれぬ。)

だがまあ、これだけちゃんと出汁を取ったので、
うまいことは間違いない。

一先ず、満足。

讃岐うどんと、讃岐うどん人に、幸あれ!!。




 



 

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