断腸亭料理日記2016
さてさて。
両国、あひ鴨一品[鳥安]の前に長々と両国広小路のことを
書いてきてしまった。
今、神田川北の柳橋と、南側の両国広小路との関わりを
いう人も、あまりない。
しかし、江戸から、明治へのこの地の変遷というのは
是非とも明らかにしておきたい大切な問題であろうと
思うのである。
江戸一、東京一の芸者町であったにしては、あまりにも
冷たすぎるであろう。
両国広小路というのは、中央区、いわゆる柳橋は台東区、
両国という地名は今墨田区。つまり3地区にまたがっており
また、各区とも端っこ。各区の歴史担当も、手薄、なのでは
なかろうか。
さて。
17時ほぼぴったり[鳥安]に着く。
今日は、この前、浅草のちどりやで買った、
着物できてみた。
青竹色といった感じの、お召風(?)紬のつい。
入って名前をいうと、三階とのこと。
エレベーターであがる。
今までは、二階の掘りごたつ座敷、で、あった。
三階はテーブル席。
テーブル席、ではあるが、格子戸のある個室。
以前の座敷であった頃のものであろうか、
古い欄間が隣の部屋との間の天井下にしつらえてある。
ここに後ろからライトがあてられ、入口上部に
影を写し出している。この内装がいつ新築されたのかわからぬが、
和モダンというのであろうか、なかなかなよい雰囲気。
掛けて、ビールをもらう。
ここは、座るだけ。
名前の通り、あひ鴨一品なので注文の必要はない。
相鴨すきやきコース一人前10,000円也。
コースターの絵柄がよい。
鳥の顔と、安、であろう。
なんだかかわいい。
箸。
小さいが、留めている紙、和紙のよう、も
コースターと同じ絵柄。芸が細かいではないか。
前菜。
右上から、鴨ロースト、右下ごぼう、左下がなんだかわからなかったが
入っているのは黒豆か。左上が海苔なのだが、佃煮ではなく
酢の物。
吸い物。
これも10cmくらいのかわいいい土鍋。
オリジナルであろうか、よいセンス、で、ある。
よい出汁が出ている。
三つ葉となめこ、小さなささみのつくね。
鴨を焼く炭火の焜炉(こんろ)がきた。
ささみのごまソースかけ。
銀杏とえりんぎ、ししとう、かぼちゃ。
おろしがきた。
まんまるの半球状に固められて美しい。
まわりはしょうゆ。
確か、うなぎの麻布[野田岩]も箸休めに
おろしを出すが、同じ盛り付けだったのではなかろうか。
材料もきた。
鴨。
野菜。
ここも、お姐さんがすべて焼いてくれる。
鴨肉というのは、焼き方がすべて、で、ある。
むろん焼きすぎると、堅くなって縮んで、台無し。
かなりデリケートな仕事のはずである。
焼き上がった。まずは胸肉から。
おろしとしょうゆだけで食べる。
これがこの店流。
これがうまい、の、で、ある。
これぞ江戸前。
鍋はこんな感じ。
団子と砂肝。
お姐さんは生の鴨挽肉をよい形に箸だけで団子に作り、
さらによい塩梅に焼いている。
団子にするのも芸術的な手際であるし、厚みのあるものを
焦がさずちゃんと火を通すのは、やはりそうとうに
訓練されていると思われる。
(この方、意外に(?)、お若いのである。)
また、この団子がうまい。
かすかに、なにか味が付いている。
なんであろうか。
お姐さんに確かめてみると、うちはほとんど
味は付けていないのですが、、、
ほんの少し、味醂、と。
ほう。
つづく
中央区東日本橋2-11-7
03-3862-4008
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