断腸亭料理日記2015

秋刀魚飯

10月24日(土)深夜

夜になり、秋刀魚飯を食おうと、思い立つ。

先日、アメ横でたくさん買ってきたものがあったが
4本冷凍してある。

これを使う。

私の作る炊き込みご飯というのは
ちょっと面倒、なのである。

肉や魚系のものだと酒を大量に入れるとうまい。

米を研いで、水加減の際に酒を入れるが
全体の水分量の内、1/3〜半分程度は酒にする。

全量酒にしたことはないのだが、味はどうなるか、で、ある。

日本酒に含まれるのはアルコールとなんであろうか。
アミノ酸なども入っているのだと思われる。
こういったものが、旨味として感じられるのかもしれない。
日本酒も米が原料で相性はわるいはずはない。
たくさん入れれば、よりうまくなる、というものでも
ないかもしれぬが、今度一度やってみようか。

ともあれ。
問題は酒を入れた場合の浸水時間である。

ノーマルに飯を炊く場合、浸水時間は1時間程度でよいが
酒を入れると、まあ3時間は置かねばならない。
これで時間がかかるのである。

夜の8時頃から米を研ぎ、酒、しょうゆを入れて
水加減をし、置いておく。

秋刀魚なので濃い味がよかろうと、しょうゆはいつも多め。

同時に、冷凍庫から秋刀魚2本を出し、自然解凍、おいておく。

11時頃。

米粒がすべて白くなっている。浸水はよかろう。


解凍しておいた秋刀魚2本。

お釜に入れるので頭を落とし、半分に切る。

そして腹を裂いて、はらわたを抜く。
魚の炊き込みご飯は、腹を出す。

以前に鮎飯を初めて作った時にはらわたを出さないで、
失敗したことがあった。鮎は塩焼だとはらわたも食べる。
それで抜かずに入れてみたのだが、とても食べられたものでは
なかった。

秋刀魚も塩焼であれば、はらわたも食べるが、
やはりこれは抜かねばいけない。
ほんの少しでもご飯全体に苦味がまわってしまい台無しになる。

ここから塩をしないで、素焼き。

例によって、余熱をしたガスのグリルで、
今回も表3分、裏2分程度の短時間焼きにしてみる。


脂が落ちる前に火を止めるのが目安であろうか。

みりんなど塗っていないので、焦げ目はなし。

電気炊飯器の堅めモード。

1時間。

炊き上がって、蒸らしも終了。


一度秋刀魚は取り出し、身から骨をはずす。

外した身をもう一度お釜に戻し、


飯全体に混ぜ込む。

お上品にするのであれば、小骨なども取るのであろうが、
そのまま。
秋刀魚から小骨を取るのは、べら棒に手間がかかる。

そして飯茶碗によそって、もみ海苔をのせる。


箸休めに京都の柴漬けも出す。

ふむふむ、やっぱりうまいもんである。

酒が入ると旨味、あるいは、あまみも増えるようだが、
それだけでなく、飯粒が立つというのか、堅めモードで炊いている
以上に堅めに仕上がるように思う。

この飯茶碗でお替り。二膳食べてしまった。

しかし。

やはり今年の秋刀魚、焼いている時は、焼き方を変えたのもあって、
明確にはわからなかったが、飯にして往時よりも間違いなく脂は少ない
ことがわかった。

この日記を検索してみると(※)初めて秋刀魚飯を作ったのは、2005年
もう10年も前、で、ある。

この回にも書いているが、秋刀魚の脂が飯に染みて
うまい、と、書いている。

この頃の秋刀魚は、ベトベトといってよいほどの量の
脂が出て、これが飯全体に行き渡っていた。

今年の秋刀魚はここ数年と同様、脂がまったくない、
ということはないが、とてもベトベトとまではいかない。

一抹のさびしさは禁じ得ない。

 


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