断腸亭料理日記2014

まぐろあら煮〜鶏シリーズ

9月18日(木)夜 20日(土)第一食

さて。

今日も、帰り道、御徒町の[吉池]に寄ってみるが
多少遅い時刻だったからか、目にとまるものはない。

こんな時は、アラ。

アラも最近は鯛だったり、鰤の頭だったりは
それなりの値段なのだが、人があまり買わないものは
やはり、格段に安い。

鯛は兜煮、潮汁もうまい。
鰤の頭は、大根と煮て鰤大根となって、一般的な料理に
なっている。

カンパチ、それから、マグロのアラがあった。
マグロはパックにはち切れそうなくらいにあって、130円。

マグロは小さめなのでメバチか。

真っ黒な血合いもあるが、骨のまわりなどもありここは、
脂もありそうである。

皆さんも魚売り場の端っこで一度くらいは見たことがおありに
なろう。見た目はよくないが、こういうものはお買い得。
うまい、のである。

帰宅。

まぐろのアラは酒としょうゆで煮る。
やはりこれが一番うまい。

煮魚なので一応、霜降りをして洗う。
薬缶にたっぷりの湯を沸騰させ、よく洗って、ざるに並べた
アラにふりかけ、また洗う。

洗ったアラを大きな鍋に入れ、酒、しょうゆ、水。

なんでもそうだと思うが、魚の煮付けは煮込む時間は
短時間。7〜8分。

以前は味が染み込み、とろけるほど柔らかく煮る、というのが
普通であったと思うが、そうすると身からコラーゲンが
抜け出て、パサパサになってしまう。
(ただ鮨の煮穴子はやはり今でもこちら。)

特にマグロの場合、佃煮にするのであれば別であろうが、
パサパサになってとても食べられない。

短時間であると当然煮汁が染み込まない。
このため煮汁は濃くしておく。

煮立ててアルミホイルの落としぶたをし、
タイマーで計って7分。

これで出来上がり。

このくらいであれば、身に弾力があり、また脂もあり、
うまく食べられる。

理由はわからぬが、特に、今日のものは、ばかにうまい。

血合いでさえ、生ぐささもなくプリプリ。

まだまだ大量にあるので、鍋のまま冷蔵庫へ入れておく。

飛んで、土曜日のもの。

こういうものは、冷えて煮凝(こご)りになったものも、
また、よいのである。


右側のもの、で、ある。
パサパサしていそうにも見えるのだが、まったく左に非ず。
プリプリ。この煮凝りもまたよい酒の肴である。
(これでも食べきらず、まだまだある。)

マグロのアラはいつも、ばかうまかといえば、そうでもないかと
思われるが、これだけ安ければ、まあ許されるであろう。
一度お試しを。

さて。

この土曜は金曜の夜から、鶏シリーズが始まっていた。

鶏皮が少し前に買って茹でて鶏皮ぽん酢したのだが、
余ったものは茹でたまま冷蔵庫に入れてあった。
それで昨夜また、酒の肴に作ったのであった。

鶏皮ぽん酢。


茹でた鶏皮を、細かく切って、オーブントースターで焼く。

水にさらした白髪ねぎにぽん酢しょうゆをかける。

そして、この皮で思い付いたのが、鶏飯。

鶏皮を出汁にして、鶏の炊き込みご飯を作ろうと考えたのである。

なんとなく、秋になると炊き込みご飯の季節ではなかろうか。
そんな連想。

また、脂の多い秋刀魚などでもよいが、
脂の多い出汁で炊いたご飯は格別である。

鶏皮は一度湯がいてはあるが、ご飯の出汁用に
もう一度煮出す。

飯を研いでこの出汁を入れ、酒としょうゆで水加減をしておく。
酒を入れると米に水が入るのに時間がかかる。
よって、浸水時間は3時間以上は必要である。

鶏飯は、皮の出汁だけではなく、具も入れたい。
鶏肉に笹がき牛蒡(ごぼう)なんぞを入れればよろしいか。

鶏肉と牛蒡を買いに出て、牛蒡は一本笹がきにし、
水に漬けておく。

この時の鶏もも肉で、上の、塩と粗挽き黒胡椒の焼鳥
になったというわけ。

焼鳥は、鶏もも肉を一口に切ってフラパンで焦げ目をつけて、
塩胡椒をしただけ。
ついでに、ししとうは、油で炒めて塩をしただけ。

こんなので、昼からビール。

やっぱり土曜は呑んだくれ、で、ある。



つづく。



 

 


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