断腸亭料理日記2014
7月2日(水) 3日(木)昼
さて。
今週は、水、木、金と東京ビッグサイト。
昼飯はというと、ビッグサイト内の日比谷[松本楼]。
今までビッグサイトで昼飯、と、いうと、
イタリアンの[アルポルト]に決めていたのだが、
今まで入ったことがなかった日比谷[松本楼]に
始めて入ってみたのであった。
(いや、ビッグサイトに入っていた、
というのも気付いていなかった。)
日比谷[松本楼]というのは、ご存知の通り
日比谷公園内にある洋食のレストラン。
開業は日比谷公園の開園と同時の明治36年。
東京の洋食レストランの老舗、草分けの一軒といって
差し支えなかろう。
支店というのは、このビッグサイト以外にも
なん軒かあるようだが、他は知らない。
4月に入ってみて、なかなかうまかった。
それだけでなく、そう高価でもない。
この味でこの値段ならむしろ安いのではとさえ
思われたのであった。
それで今回は二日続けて、入ってみたのであった。
ビッグサイトの[松本楼]は正面入り口から入って
東館の方へ行く手前の1階の一番奥にある。
火曜日は12時ちょうどにきてしまった。
行列になっていたのだが、実際は空席もあり、
調整をしていただけのようで、すぐに入れた。
ランチのセットが三種類、その他に、オムライスや
名物のカレーなどありカフェテリア形式の割には、
種類は多い。
この日はランチの一番安い千円を切ったもの。
チキンのグリルとメンチカツというのにしてみた。
食べるのは私は、タバコの吸える外のテーブル。
トレーを持って扉を開けて外に出なければならないが、
そばにいたお姐さんが開けてくれる。
こういうところが流石に老舗であると思わせる。
昼時の忙しい時にこういうことができるところは
少ないのではなかろうか。
気温は高いのだが外の木陰は気持ちがよい。
ライスにサラダ付き。
チキンのグリルはとろみのついたソースがかけてあり、
大根おろしと貝割れがのっている。
このソースは照焼きのイメージなのかもしれぬが
単純なしょうゆの甘辛ではなく、どちらかというと
コンソメスープのようなもので、とろみと見えたのも
ジュレというのか煮凝り状になっており、上品。
また、ここのランチセットは付け合わせの
野菜がどれもうまく、流石の老舗洋食レストランの
仕事、と思わせるものがある。
次、木曜日(つまり今日)。
ランチセットの顔ぶれは昨日と同じなので、
なにか違うものをと考えて、カレーにいくつかの
料理が盛り合わせになっている、ビッグプレート
1450円、というのをもらってみた。
左側がカレー、ご飯。
真ん中にローストビーフにデミグラスソース。
サラダがあって、海老フライとクリームコロッケ。
タルタルソース。
まず、海老フライ。
昨日のメンチカツもそうであったが、ここのフライの
揚げ具合はやはりなかなかななものであろう。
衣は厚くはないが、しっかりしており、実にサックリ。
[松本楼]のデミグラスソースというのは
始めてだったかもしれぬ。
気持ち苦味が立っているもの。
洋食やのデミグラスソースというのは、店によって
微妙に味が違うのがやはり、おもしろい。
カレーはこの店の看板で、ノーマルなものは
まったくオーソドックスな日本のカレーであるが、
今日のものは辛すぎはしないが、ちょっとスパイスが立ち、
ひよこ豆などが入っているもの。
今の我々の舌にはまったくオーソドックな
日本のカレーでは流石に物足りない。
このくらいの変化は必要であろう。
うまかった。
やはりここの持ち味は、ただの洋食ランチカフェテリア
ではない、ということ。
おそらく、丁寧な仕事がしてあるのであろう、
と感じさせる味なのである。
支店とはいえ、また、リーズナブルな値段だが、
これが明治創業の老舗の矜持、なのであろう。
ご馳走様でした。
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