断腸亭料理日記2014

朝飯と天ぬき

1月11日(土)第一食
 
正月休みが終わって、また連休。
 
なんとなく、リズムが定まらない。

第一食、なにを食べようか。
冷凍庫をのぞいたら、正月用の鮭の切り身が凍っていた。

飯を炊いて、普通の朝飯を作ろうか。

米を研いで浸水1時間。

米は例によって速いので鍋で炊く。

炊きながら、味噌汁と解凍した鮭も焼き始める。

味噌汁も例によって、根深汁でよいだろう。

この前は煮干しを水から入れて出汁を取ったが、
今日はちょっとショートカットをしよう。

長ねぎを五分に切って、水を張った鍋に入れる。

実になる野菜も水から煮るのが最も旨みが出ると、いう。

煮立ったところで、網に鰹削り節と煮干しを細かく砕いたものを詰め込み
弱火にして鍋に突っ込む。

網なので出汁が出たらそのまま引上げればよい。

ちなみに、この網はどこの家庭にもあると思うが
お茶を淹れる急須に入っているもの。(便利である。)

出汁が出たかどうかは、煮汁に色がついてきたら、
と、いうのを目安にしている。

ご飯が炊けて、蒸らしが終わるのを待って、
味噌を溶き、再度熱くする。

鮭も焼けた。
わさび漬けと京都の柴漬けも出す。


珍しくもないが、飯がうまい朝飯、で、ある。

さて。

午後。

寒いのでまったく無精になって、外にも出ない。

天ぬきで一杯やろうと思い立った。

天ぬきというのは、毎度書いているが、天ぷらそばの
そばぬきで、そばつゆに天ぷらの浮いているもの。
私は特に[並木藪]のものが贔屓。

これを自作しようかということである。

むろん、あの通りの形のよいかき揚げは揚げられないが、
かき揚げそのものはまあ、大丈夫であろう。
幸い冷凍庫に小海老もある。

天ぷら油を準備。
量が少ないので、胡麻油を足し、予熱をしておく。

凍っている小海老を水で解凍。

全卵一個を割りほぐし、玉子冷水を作る。
水道の水も冷たいこと。いつもは氷を入れるがその必要もないか。

小海老に小麦粉をまぶす。
今日の粉は、すべて市販の天ぷら粉にしてみよう。

玉子冷水に天ぷら粉を篩(ふるい)をかけながら入れ、
ざっくりと混ぜる。

堅くもなく、柔らかくもない状態を目指す。

油温をみる。

油温も、高くもなく低くもない程度。
160〜70℃程度であろうか。

お椀に小麦粉をまぶした、かき揚げ一つ分と思われる量の小海老を取る。

ここに衣を合わせ、やはりざっくり混ぜる。

混ざったら、お玉で油に投入。

かき揚げというのは、どうであろうか、天ぷらの中では
一番難しいのではなかろうか。

少なくとも私にはそうであった。
他の天ぷらは揚げられるようになっても、かき揚げだけは
まだ試行錯誤を繰り返していた。

一つには衣が飛び散り形にならないことを恐れて、堅めにしすぎていた。
衣が堅いかき揚げは、団子になって中まで火が通らず、
表面はよい色になっても、中は生ということになってしまう。

天ぷらやでプロの揚げているのをみて気が付いたのだが、飛び散ってもよい、
ということ。ある程度固まっていれば、かき揚げになる。
飛び散ったものは、天かすになるだけである。

また、無理に一度に油に入れなくともよい。一度入れてから、
衣をたらして飛び散った分を補うということもプロはやっている。

同時進行で、つゆのための、鰹削り節の出汁を取っておく。

ふむふむ、形はよくないが、かき揚げが揚がった。

桃屋のつゆを鰹出汁で伸ばし、つゆを作る。
つゆは熱く。

OK。

どんぶりに入れる

れんげで、くずしながら、熱いつゆとともに、すする。

ビールから、やっぱり、火鉢の鉄瓶で燗をつけた菊正宗に替えて、
極楽、極楽。

まだまだ、正月が続いている、か。

 

 




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