断腸亭料理日記2014

小松菜の白和え

1月24日(金)夜

さて。

今日は、市谷のオフィスから帰宅。

なにを食べようか、考えたのだが、
冷蔵庫に豆腐が残っていたのが気になっている。

もうそろそろ、買ってから一週間になるのでは
なかろうか。(もつの煮込み用に買ったものであった。)

なんとか食べられるであろうか。

炒めてしまってもよいだろう。

そうだ。

せっかくだから、久しぶりに白和えにでもしようか。

白和えというと、私には池波レシピで、鬼平犯科帳 特別長篇 鬼火、
駒込富士前町の「権兵衛酒屋」で出されるもの。

これを再現したものから私の場合は始まっていた。

和食のちゃんとした料理やなどへ行けばむろん白和えは
出てくるし、食べたこともあるのだが、母親が作らなかったのか、
父や祖父母も食べる習慣がなかったからか、是非とも食べたい、
と思うことは、まあ、あまりない料理、ではあった。

ちなみに、うちの内儀(かみ)さんはまったく作らない。

豆腐がなければ作れないが、かといって、一丁買ってしまえば
白和えの種はできすぎてしまう。

基本、白和えというのは、青菜だったり、まあ、茹でた野菜の
和え物であるが、茹でた青菜などを食べるのであれば、
茹でてそのまま鰹節削り節にしょうゆをかけて、おひたしで
よいだろうし、せいぜい胡麻和え、あたりまでは
簡単にできるものではあろう。

これに比べると白和えというのは、
実はさほどの手間はかからないのであるが、どうも
おひたし、胡麻和えの上にあって、より手がかかるという
ポジションになっているようである。

おつな料理であるが、不利なところに置かれており、
ひょっとすると、家庭では滅んでしまう料理かもしれない。

さて。

帰り道、ハナマサで小松菜を一把購入。

ほうれんそうの方が一把100円で安かったのだが、
江戸野菜の小松菜に贔屓をしてみたのであった。

帰宅し、まずは冷蔵庫の豆腐を開けてみる。

においをかいでみるが、心配したようなこともなく、
特段かわった様子もない。
大丈夫であろう。

白和えには、一丁の1/4もあれば十分であろう。

あたり鉢に取っておく。

小松菜を切る。

なぜであろうか、小松菜を料理をされる方はお気付きであろうが、
他の青菜はあまりそんなことはないように思うのだが、
小松菜は、根元に土が残っていることが多い。
これをきれいに洗わなくてはいけない。

根本を切って、その上、5cmほどを切る。

この根元部分、葉と葉の間に土がついているので一本一本を
はがして、きれいに洗う。

そして、その上もそれぞれ5cmほどに切る。

ここで茹でる時間を考えて、茎の太い部分、
中くらいの部分、葉の部分と3種類くらいに分けておく。

一把全部、同じ作業を行なう。

鍋に湯を沸かす。

煮立ったら、太い根元部分から入れ、柔らかくなり始めたら
次に太い部分を入れ、最後の葉はほんの数秒。

茹で上がったら、すぐに冷水にさらし、ざるにあげておく。

白和えの種作り。

練り白胡麻。
白胡麻のペースト、で、あるが、中華用の芝麻醤を使う。

和食に中華用を使うのというのは違和感があるが
なん度も使っているが、なんら問題はない。

香りがよくなるので粒の白胡麻も入れ、軽くあたる。

ここに味をみながら白味噌(西京味噌)。

気持ち、しょうゆ。

好みであるが、甘めで濃いめがよいだろう。

これで終了。
あとは和えるだけ。

むろん、胡麻を炒って、あたり鉢であたって、
練り胡麻を作るところから始めるのであれば、
もっともっと、もっ〜と、時間がかかるが、
市販の練り胡麻(芝麻醤)を使えば、
手間も時間もかからない。

また、今日は小松菜だけだがこんにゃく、油揚げを
甘辛く煮たものをいつもは入れている。
これを作るのはもう少し時間はかかるが。

ペーパータオルでよく水分を取って、
食べる分だけ和えて、盛り付け。


小松菜の根元の部分がちょっと火が入りすぎた。

気を付けたのはよいが、時間差を付けすぎて
しまったようである。

味の加減は、思った通りのところに
たどり着いていよう。

白和えというもの、なにか精進料理のようだが、
どうしてどうして胡麻をきかせれば、
十分にうまいもの、で、ある。







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