断腸亭料理日記2014
12月4日(木)
大阪出張。
早めに終わり、時間があいたので、ちょっとだけ、
帰り道に京都に寄って行こうか。
雨風が強い。
嵐山はどうであろうか。
中高生の修学旅行で行ったことがあると思うのだが、
ご多分に漏れず、まったく記憶がない。
京都も紅葉はほとんど終わっているようだが、桂川にかかる渡月橋は
一度見ておきたいと思っていたのである。
大阪から京都への行き方はたくさんあるのだが、
京都の西の方行くには阪急が便利そうである。
地下鉄御堂筋線沿いにいたので、西中島南方から
乗り換える。
阪急には嵐山まで行く線があって、桂で乗り換えるようである。
山崎を左に見て、桂まできた。
接続に少し時間があるので寒いホームで待つ。
桂というと桂離宮である。
桂のどの辺にあるのであろうか。
東京にあるいわゆる大名庭園というのはどうしても
情趣を感じない。やはり庭は京都に限る。
一度はやはり見てみたいところの一つ。
それから、もう一つ思い出すのは、桂にお住まいで
この日記を読まれていた女性からメールをいただいた
ことがあったこと。確かこの方は目がご不自由で
音声ソフトを使って読まれ、メールも書かれていた。
健常な自分にはそんな風にして読んでいただいている方が
いらっしゃるというのは驚きとともに、ありがたく思われた
ものである。
しばし待って、嵐山線に乗る。
車内は外国人も含めて観光客が多い。
嵐山線は上桂(かみかつら)、松尾大社と駅が続く。
松尾大社は、東の上下賀茂神社、西の松尾大社として
東西の王城鎮護の神社ということ。しかし歴史は古く、
平安開都遥か以前にまでさかのぼれるらしい。
また、中世以降は酒の神様として日本中の造り酒屋からの
信仰があるという。
なんとなく、松尾大社の名前が記憶にあったのは
その関係であったか。
京都には寺の方が圧倒的に多いと思うが、私の場合、
民俗学を学んだせいか、神社の方により興味をそそられる。
上賀茂神社には行ってみたことがあるのだが
時間があれば松尾大社も見てみたいものである。
北の嵐山に向かう電車からも駅の西側に朱塗りの大鳥居が見える。
その向こう側はすぐに京都西方の山が迫っており、やはり社殿は
山際(やまぎわ)にあるようである。
京都でも例えば平安期に菅原道真の鎮魂のために建てた
北野天満宮などが洛中にあるのに対して、山を背にした神社というのは
山そのものを神とする我が国神社の原初的な形といってよいのであろう。
阪急嵐山駅に着く。
雨風が依然として激しい。
北へ歩くと、すぐに桂川。
桂川は嵐山では渡月橋のある本流と細い支流に
分かれている。
南側から歩くとまずこの支流の小橋にぶつかる。
中洲側には茶店なども建っている。
低い雲が山に掛かり、低い家並みと合わせて
なかなかに風情がある。
川面には鴨の類なのか、この寒々しい水の中でも
餌を獲っている。
小橋を渡って、肝心の渡月橋。
渡月橋を渡る。
この桂川があふれたのはこの夏であったか。
近くで見ると、この橋の上までの水位というのは、
そうとうなものであることがわかる。
渡月橋を渡るとこの寒い雨風の中だが、細い通りは
観光客で両側の歩道は歩けないくらい。
このあたりの有名なうなぎやへ行こうと思い、
天龍寺を左に見て通りを歩く。
天龍寺も時間があれば寄ってみなくてはいけないが、、。
嵐電の駅をすぎてその店の前までくると、
店の中には、待っている人の列。
しょうがない、戻ろう。
そうそう油を売ってもいられない。
京都駅に入っている[松葉]にしようか。
嵐電に乗って太秦を通り四条大宮。
阪急に乗り換えて、四条烏丸。
地下鉄にさらに乗り換えて京都駅まで。
新幹線のコンコースにある、にしんそば[松葉]。
この店は本店は文久の創業で祇園南座の脇にあり、
私もなん度も寄っているが、京都名物のにしんそばの元祖という。
京都駅のこの出店は京都らしいサービスが心地よいが
気軽に入れて重宝している。
にしんそばではなく、親子丼のセット。
濃口しょうゆを使った東京のものとは
まったく違うのだが、色は薄いが味はしっかりついており、
玉子がふわふわで流石にうまい。
ご存知の方もおられようが、新大阪駅にも
道頓堀[今井]があり、同じ関西風の親子丼がある。
これもよく食べるが[松葉]に軍配が上がるか。
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