断腸亭料理日記2014

豚しょうが焼き

4月26日(土)第一食

なぜか、少し前から、豚のしょうが焼きが食べたかった。

少し前の「チューボーですよ!」でやっていたからか。

それもあるのだが、暖かくなると、豚のしょうが焼きが
食べたくなるような気がする。

このところ、初夏といってもよいような
暖かい日も出始めた。

しょうがじょうゆ、と、いうのが私にとっては夏を連想させる、
のかもしれない。

油で焼いたなすにもしょうがじょうゆをかけるし、
鰹の生利節にも、私の家では、しょうがじょうゆ。

なすも鰹もどちらも夏のものであるが、
これらからの連想なのか。

また、しょうがも根生姜であれば、年がら年中売っているが
生姜の本来の旬は今頃から初夏であろう。

新生姜などといって、若い柔らかい生姜が出回って、
甘酢に漬けたり、炊き込みご飯にしたりもする。

これらは初夏の味覚であろう。

また、谷中生姜なども酒の肴として、私の好物だが
これもむろん、夏のものである。

谷中など10月の声を聞くと、店頭にあっても、
もう食指なそそられなくなる。

意識はしていなくとも、生姜=夏というのが
舌と頭に刷り込まれているのかもしれない。

そして、豚のしょうが焼きといえば、私には
絶対に外せないものがある。

なにかというと、キャベツの千切りである。

とんかつにも欠かせないが、豚のしょうが焼きにも
必要不可欠である。

脂っこい豚のしょうが焼きには、つけ合わせの野菜は
必要だが、レタスやトマト、その他の野菜ではだめ。
しょうがじょうゆのつゆが少し、キャベツにかかったのは
たまらない。

買ってきたのは昨日(金曜日)だが、豚ロースのスライスと
キャベツを一玉買ってきておいた。

第一食。

朝からだが、作る。

まずはキャベツの千切り。

むろんこれは限りなく細い方がよい。

切ってボールの水に放しておく。
水に漬ける時間は30分以上は取りたい。

水に漬ける時間が少ないと、どうしてもキャベツ特有の
青くささが気になる。

30分水に漬けて、ざるに上げ、水を切って冷蔵庫へ入れておく。

豚ロースのスライス。

「チューボーですよ!」では1.5cmの厚いものであったが、
買ってきたのは、薄いスライス。

ぶ厚いロース肉のしょうが焼きというのは、
食べたことがないと思うのだが、やはりしょうが焼きには、
薄いスライスの方が、よいように思う。

スライス肉は脂身の部分を中心に筋に切れ目を入れておく。

これは火を通すと、脂身と肉の伸縮率が違う(脂身の方が、
より縮む)ので、そのまま焼くと肉が反ってしまうから。

片面軽く塩胡椒。
そして、両面、小麦粉をふる。

意図はなんであろうか、わからぬが、とりあえず
これはレシピを真似してみた。

たれ。

レシピは、玉ねぎやら、にんじんなどを入れ、一度煮たたせてから
使うようだが、私は私流。

皮ごとおろしたしょうがと、酒、しょうゆ、だけ。

焼く前に、皿にキャベツを盛り付けてスタンバイ。

フライパンを熱し、油をまわす。

軽く焦げ目が付くまで、両面焼く。

この時に、小麦粉をつけておくと、ちょうどムニエルのように
パリッとした感じに焼ける。
(ただ、たれを後から入れるので、この効果は、仕上りには
関係はない。)

焦げ目が付いたら、油を捨てる。
脂身からも油が出るので、捨てておいた方がよいだろう。

たれを投入。

煮立てて軽く煮詰まったら、完成。

肉を盛り付け、たれをキャベツから肉にかける。
(が、たれが少なくなってしまった。)

まあ、OK。

マヨネーズをキャベツに添える。
やはりたれだけでは味が足りない。

やっぱり、ビール、で、ある。

ふむふむ、なかなかよいのではなかろうか。

小麦粉をふったメリットはたれの味がからみやすく
なっている、ということ。

これは収穫。

豚のスライスは随分とあったので、都合あと二回、
しょうが焼きを作って食べてみた。

一回は、小麦粉なし。

やはり、比べると小麦粉有りの方が、たれが絡む分、
濃厚に感じられる。

これは3回目。


1回目の反省を生かして、たれ多めで、キャベツにも
ちゃんとかける。

やはり豚のしょうが焼き、夏には欠かせない。

うまいもんである。

 


 


 


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