断腸亭料理日記2013
10月19日(土)夜
さて。
土曜日。
昼下がり、なにを食べようか考えていて、カツカレーを
思い付いた。
なぜだかわからないが、私の場合、土曜日とカツカレー
がくっついている。
皆さんも曜日とメニューが関連付けられている、
ということはあるかもしれない。
特に、土曜日。
子供の頃、土曜日はお昼までで、母親が簡単に作れて
子供も喜ぶものとして、カレー、というのは、
私の母親もよく作っていた。
ただ、私のカツカレーと土曜日というのは、この子供の頃の
カレーと土曜日の組み合わせの記憶に、カツカレーが
加わっているということかもしれない。
なん度か書いているが、カツカレーというのは、好物の
一つかもしれない。
好物になったのは少なくとも、就職してからであると思う。
その頃の社食だったり、また、市谷のオフィスのそば、自衛隊の裏に
あった官公庁(国)関連施設の食堂に、カツカレーというのは、よくある
メニューであった。
こういったところで、カツカレーをよく食べて、好きになった。
その後、いろいろなところでカツカレーを選んで食べるようになり
いわば定期的にカツカレーを食べたくなるようになった。
ウイークデーに食べられないと、土曜日、近所の[キッチン南海]に
カツカレーを食べに行くということがなん回かあった。
それで、土曜日とカツカレーがくっついている、のである。
カレーは先週作ったものが冷蔵庫にある。
ハナマサで豚ロースを調達。
まずはラード。
冷蔵庫から缶に入れてストックしてあるものを出す。
固まっているので、鍋に水を張り、缶ごと入れて、
煮立てて、溶かしておく。
ロース肉。
ちょっと厚め。
かつ丼もそうだが、カツカレーのカツも、とんかつで食べるよりも
薄い方がよいだろう。
筋を切って、表裏、叩く。
ちょっと、薄くなった。
衣の準備。
玉子を割りほぐし、水と氷を二つほど。
パン粉は広めの器に広げておく。
ロース肉表裏に軽く、塩胡椒。
薄力粉を表裏、側面にもまんべんなくまぶす。
玉子冷水に天ぷら粉を溶く。
カラッと揚がるだろう。
竹串を刺して、衣に入れ、ひっくり返し両面。
広げたパン粉に置いて、天面にもパン粉をスプーンでかけ、
側面も忘れずに。
OK。
ここまでは順調。
ラードを加熱。
予熱をしていたので、すぐに高温になった。
投入。
ん!?ちょっと高かったか。
低温で投入し、揚げ上がりに向けて、高温にするのが
セオリーであるが、逆になったか。
すぐに狐色になったが、これであげれば中は生。
火加減を調整しながら、5分程度は揚げる。
まあまあであろうか。
と、ここで、この網ごと、床に落としてしまった。
嗚呼。
ご想像の通り、衣が割れてしまった。
なかったこと、なかったこと、と、言い聞かせて、
俎板の上で、切る。
(一度割れてしまうと、どうも、シマラナイ。)
カレーとご飯を温めて、盛り付け。
(付け合せは生のヤングコーンを茹でたもの。
最近よく並んでいるが、うまい。)
カツカレーの場合、カツはカラッと揚がっている必要があるのか。
ふと今日、そんなことが頭をよぎった。
今日は割れてしまったので、すぐにはずれるし、
すぐにしんなりしてきたような気がする。
だが、うまい店で食べても、カツカレーの衣は、
むろんのこと、時間の問題で、しんなりするし、衣は外れてくる。
立ち喰いそば(路麺)のかき揚げ天ぷらそばと同じことか?!。
(かき揚げそばは、衣がつゆに溶けていくのがうまいのである。)
いや、そうでもないか。
普通、カツにはとんかつソースをかける。
カツカレーの場合は、このソースのかわりに、カレーをかけている。
そういうことであろう。
例えば、ロースソテーにカレーをかけたものがうまいのか、
といえば、やはりそうではなかろう。
では、衣だけにカレーをかけて食べるのいうのはどうか。
これも否、で、あろう。衣とロース肉、あくまで
同時に食べるのが、うまい。
割れない、外れないカツカレー用のカツが揚げられれば
よいのか?!
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