断腸亭料理日記2013

鯖 その1 〆鯖

11月30日(土)夜

さて。

土曜日。

夕方、アメ横に魚を見に出掛ける。
ステンカラーのコートを着て自転車。

ちょっとアメ横の魚やは久しぶりかもしれない。

アメ横にきてみると随分と人が出ている。
もう12月である。暮れに向けて一年で最もアメ横がにぎわう季節。

日本人だけでなくて、外国人の観光客もいつになく目立つ。
中韓など東アジアとみられる人々も多いし、白人の欧米人と見受けられる
人々もみえる。

東京にも観光客が本格的に戻ってきたのか。

中国や韓国の人々はアメ横は、違和感はないのだろうが
欧米人にはいかにもアジアな感じが新鮮なのかもしれない。
彼らは築地市場も大好きである。

さて。

魚やを一通り見てみる。

まずは鱸(すずき)が目につく。
安い鱸は、東京湾なのか、泥くさいのでパスかな。

殻付き牡蠣も5つ500円と安いが貝を開けるのがちょっと
面倒である。

ん!芝海老。

これも、一盛500円(基本すべて500円)。

芝海老は安全牌である。
簡単にから揚げでも十分にうまい。

鯵もあるし、鰯もある。
鰯はちょっと小さいか。

と、くると、季節的には、鯖だ。

春から夏はリスキーだがこれからは大きくは外れまい。

5本もあろうか、500円。

芝海老と鯖を購入。

帰宅。

鯖。


触った感じ、そこそこしっかりしているのではなかろうか。

頭を落とし、腹を裂く。
このあたりで鮮度がわかる。
腹がにおうのは、あまりよいものではないのでは
なかろうか。

尾を左、背を手前にして、頭側から中骨まで刃を入れ尻尾まで引く。
今度は頭を左、腹を手前にして腹側を頭まで切る。

これで二枚。

中骨が付いている方。
頭を左にして尻尾から刃を入れ一気に中骨を外す。

ハラスの部分の骨を外して三枚。

二本さばく。


表裏比較的多めに塩をする。


これで二時間。

途中で塩を足したりして、水は大分抜けたであろう。
水洗いし、酢洗い。

バットに砂糖を一つまみ溶かし、漬ける。


漬けるのは30分ほど。

切ってみる。

あれま!。

ほとんど水が抜けていない。

一応半身全部を切って皿に並べる。


水は抜けていないが、味はわるくない。

鮮度もわるくはなかったと思われるし問題はなかろう。

しかしなんで水抜けがわるいのであろうか。

今まで2時間程度でやっていたが、もう少し抜けていた
とは思うのだが、、、。

今日は、塩の量を増やしたりしたがこれは必らずしも
塩抜けが早くはならない、のか。

元来、鯖を〆るには、塩をして一昼夜、などという。
一昼夜やったことはないが、どのくらいがよいのか。

いろんなレシピをみるとやはり、1、2時間というのが
少なくない。

好みと鮮度次第で調整ということであろうか。
博多など、生きのよいものが手に入るところでは、
生の鯖しか食べない。
食べられれば生で食べてもなんらかまわなかろう。

まあ、水抜けの速さは、鯖の状態だけでなく、気温や
湿度にもよるのではあろう。

また、このあとラップをして冷蔵庫に置いておいて
日曜にも食べたが、一日経つと、慣れて生っぽさは
完全になくなる。

小肌の江戸前の〆方は酢からあげて、すぐに食べない。
ざるに並べて一日干す。
小肌は今でも生っぽく仕上げる鮨やはそうは多くないので
今でも東京の鮨やは、このやり方をしているのではなかろうか。

ただ、鯖は半生に〆るのが普通である。

2時間ではなく3時間ということか、、、。

〆鯖というもの、改めて、難しいものである。






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