断腸亭料理日記2013
さて。
もうちょっと、少し前のものを。
オフィスからの帰り道、飯を食うのに
一番便利なのが、上野御徒町。
上野御徒町は大江戸線の駅名でもあるが、
地域としても、上野、御徒町、上野広小路、池之端、
あるいは湯島天神下、といったこの界隈。
昔の言い方では下谷が適切であろうか。
ここ2〜3週間で寄った2軒。
まずは、5月13日(月)。
とんかつの井泉本店。
上野のとんかつやでは、最もよくくるところであろう。
老舗ではあるが気軽なのがよい。
この日は、最初からなにを食べようか、決めてきた。
なにかというと、とんかつではなく、かにサラダに串かつ。
これで、ビール。
かにサラダというのは、かにとなぜだかキュウリの
なのだが、これがうまい。
場所は、広小路交差点の南西の路地を入ったところ。
8時前、店に入る。
カウンターに座って、考えてきたとおり、頼む。
ご飯と豚汁はなし。
食べすぎてはいけない。
ビールはキリンラガー。
カウンターの中の料理人達の働きぶりを見ながら
一杯目のビールを一気に呑む。
蒸し暑く、ビールのうまい季節がやってきた。
ここの料理人達もキビキビと、無駄なく寡黙に動く。
こういう仕事を見ると、気落ちがよくなる。
ほどなく、かにサラダがくる。
かにがふんだんに入っているということもなく、
キュウリとかにをマヨネーズで合えたものなのだが
うまい。
キュウリがパリッとしているのもよい。
串かつもきた。
東京で串かつといえば、玉ねぎの方が
多いと思われるが、ここのは長ねぎ。
串は抜いてあり、一口に切られている。
サクサク。
この組み合わせにビールは絶妙。
とんかつではなく、たまにはこんなものも
よいものである。
さて、もう一軒。
5月20日(月)。
お馴染み、インドカレーのデリー。
やはり、こう暑くなってくると、辛いカレー。
ここのカレーが食べたくなる。
場所は広小路交差点から春日通りを湯島方向へ歩き
春日通り沿い、右側。
インドカレーとしては名の知られた老舗であるが、
なぜだかずっと、カウンターだけの小さな店。
カウンターに空いた席を見つけ、座る。
カウンターの目の前に貼られていた。
前からあったろうか。
タンドリーチキンにサラダ、スープも付くコースもの。
むろんカレーは選べる。
生ビールも付く。
これにしよう!。
カレーはもちろんカシミール。
ビールとサラダがきた。
お?!。
後ろの壁の貼り紙。
カシミールの肉を牛タンに変えられる。
よし!。
いっそのこと、これも頼もうか。
追加で頼む。
サラダもちょっと辛い。
スープがきた。
インド料理のスープ、汁物というのはあるのだろうか。
ありそうな気もするが、こんなものなのか。
玉ねぎにマッシュルーム、緑色のものは
青唐辛子のよう。
トマトがベースなのであろう。
浮いている丸い粒はコリアンダーシード。
コリアンダーはご存知のパクチー=香菜(チャンツァイ)だが、
種もスパイスとして使われる。
葉っぱと同じような香りだが、青臭さが減り、
もう少し深みのような苦味のようなものが
加わり、さわやかなスープになっている。
タンドリーチキン。
ポテトサラダに入っている細長い粒はフェネルのよう。
チキンもポテトサラダもうまい。
ふう。
ここまででも、結構な量である。
が、やっぱり真打。
カシミールカレー。
濃い焦げ茶、メガトン級の辛さ。
汗がどんどんと噴出してくる。
うまい、辛い。
辛い、うまい。
止まらない、辛さとうまさ。
やはり、これでなくてはならない。
いささか食べすぎだが、大満足。
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