断腸亭料理日記2013
7月10日(水)夜
さて。
引き続き、今日もビッグサイト。
それで、帰り道。
またまた、森下。
門仲(もんなか、門前仲町)の方が、店の数は圧倒的に
多いのであるが、家に近いせいであろうか、わからぬが、
なぜだか森下の方が、寄りやすい。
昨日は、深川やきとんやの雄(ゆう)、山利喜であったが、
今日はそばやの京金。
実は、昨日も店の前を通ったのだが、休みであった。
ここは土日はやっているかわりに、月火が連休。
場所は、昨日の山利喜が新大橋通り沿い森下交差点から錦糸町東へ
向かって左側。京金は同じく、交差点すぐそばだが、清澄通り沿い、
北へ向かって右側にある。
江戸の頃からある店、というのだが、いわゆる老舗然とはしておらず、
ちょっと、趣味そば、っぽい感じ。
趣味そばといって、長くこの日記を読んでいただいている方は、
ご承知いただいていることと思うが、そうでない方に
説明をしなければいけない。
『趣味そば』というのは私が作った言葉ではないが、
もしかすると、私しか使っていないかもしれない。
書いて字の通り、趣味のそば。
私の使い方は、神田、池の端、浅草並木の俗にいう、
三藪や、砂場、更科など、東京で歴史のある老舗に対して、
後から出てきて、老舗系とは別に、独自の考えで、
うまい蕎麦を出そうという店全般を大きくは指している。
(これ以外に、藪や砂場など老舗の暖簾分けのところもあるが、、
特段有名ではない、普通の街のそばやというのも、もちろんたくさんある。)
こうした老舗系ではないところも歴史としては、
大正時代だったりからあるので、もはやそれなりに歴史はある。
ただ、ここ、10年、15年くらいの間に、こういう独立系で
店の内装も凝ったり、つまみを充実させたり、いろんな
バリエーションの店が東京ではできている。
例えば、あるポリシーがあって、雰囲気やメニューを考えて、
新しい試みをしようというの、は別段非難されることではないし、
むしろ歓迎されるべきことではある。
ただ、私が違和感があるのはこういうそばやの内のある一角に
そのこだわりの余り、なのであろうか、妙に上から目線のところ。
そばにはどうも、そういう要素がある。
ちょっと宗教じみている、というのか、カリスマのようになって、
多くは主人の勘違いなのだが、気に入らない人には食べてもらわなくてもよい、
的な、態度がある店があって、それをもてはやす、グルメマスコミ
がいる。
好きな人が行っている分にはなんら文句のいう筋のものではない。
どうぞご勝手に、ってなもんである。
ただ間違って、そういうそばやに入ってしまった時の、居心地のわるさ。
本来こういうところであるから、客を客だと思っていない。
客商売だと思っていないのである。
だから、趣味、なのか。
まあ、私はそういう匂いのあるそばやには近づかぬようにしている。
で、この京金。
見た目も、いかにも趣味そば風。
和モダンのような店内で、テーブル席なのに、
靴を脱いで上がるようになっていた。
(今日行ったら、これはやめていた。)
趣味そばというのは、まあ、山手のものなのであろう。
ただ、この店は、それだけでないのが、深川だからなのか。
江戸創業だからなのか、、。
ともあれ。
ビールをもらって、肴は、マグロぬた。
それから。
江戸前穴子天。
(これはちょいと、油っぽかった。)
そばは、看板の、おろしそば。
これは、いつ食っても、うまい。
なめたけの入った白いのは、辛み大根。
つけそばと、ぶっかけと二通りの食べ方ができる。
これが絶妙。
これが食べられれば、文句はない。
うまかった。
ご馳走様でした。
ぐるなび
江東区森下2-18-2
03-3632-1301
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