断腸亭料理日記2013

断腸亭の夏休み・

沖縄石垣島その1


さて。

お盆休みも終わった。

皆様はどんな夏休みであったろうか。

今年の断腸亭の夏休みは、久しぶりにちゃんとした
ダイビングをしようと、沖縄、石垣島にした。

昨年はイタリア、ローマからシシリア島にまわり、
かの、映画ディープブルーの舞台、タオルミーナで、
ダイビングをした。

地中海というのは初めて潜ったのだが、ちょっとびっくり。

今まで潜ってきた、太平洋、インド洋、大西洋
などとも随分と違い、水はきれいだが、冷たい。
魚も比較をすれば随分と少ない。

地中海というのは大きな海域ではあるが、
基本、海流もなく穏やか。

景色としてはシシリアには青の洞窟があったり、
青い海と、広大はエトナ火山などあり、
素晴らしいのだが、太平洋などと同じような
海中の景色を求めるダイビングではなかった。

さて。

そんなことで沖縄。

沖縄もダイビングには、本島ではなく、
やはり、離島へ行くのが一般的である。

沖縄の離島、八重山、南西諸島は世界的にも
すぐれたダイビングスポットとして知られている。

過去には20数年前に西表島へ行った。
この当時、西表島にはヨナラ水道というところが
マンタポイントとして有名であった。

マンタというのは、オニイトマキエイという名前の2〜3m以上にもなる
巨大なエイの通称でダイバーの間では憧れの存在。

西表島の民宿に1週間ほど滞在し、ほぼ毎日ヨナラ水道へ
通ったのだが、残念ながら一度もマンタを見ることはできなかった。

だが、マンタ以外では、素晴らしいサンゴ礁と
そこに暮らす密度の濃い生物は、その後、モルジブなど
いろいろなところに潜ったが、やはり、
世界でも他にない豊かな海であったと記憶している。

石垣島までは羽田から直行便もあるのだが、
便数は多くなく、那覇で乗り換え。


灼熱の東京の街から離れて、南国の空。

那覇空港、乗り換えロビーで1時間ほどの待ち時間があり、
その間に売店の立ち食いスペースで昼飯。

食べられるものは、ほぼ2種類。
喜作乃島・大東寿司とそーきそば、それから島らっきょ。



中身はこんな感じ。

鰆のしょうゆ漬けのにぎり鮨。

南大東島の名物らしいが、この[喜作]というのは
那覇の料理やでそこの“空弁”の、よう。

なかなかうまい。

そーきそば。


「そーき」というのは例の沖縄の骨付き豚バラ煮込みだが、
それがのった沖縄そばの定番。
つゆは見た通り、澄んでいる。
味は、塩味で鰹出汁のようではある。
(一般には豚の澄んだスープと鰹出汁のブレンドというのが
多いようである。)

そして、やっぱり沖縄といえば、オリオンビール。
島らっきょは塩漬けでこれもまた、うまい。
(時間があったので2杯も呑んでしまった。)

那覇から石垣までは、1時間弱。

着いたのは2時すぎ、この春開業したという

石垣新空港。

石垣空港といえば、1980年代、海上に埋め立てを行って、
空港にしようというので反対運動が起きていたことを
思い出す。

それが今になってできたのか、と、思ったら
左に非ず。私などは知らなかったのだが、その問題だった白保の沖は
やめになり、なん年も迷走した後、その白保の隣の陸上に決められ
やっと今春、新石垣空港として、完成したということである。

ホテルは空港からもそう離れていない
かりゆし倶楽部、というところ。

部屋数はそう多くなく、料理が売り、というので
内儀(かみ)さんが選んだ。

ビーチそばではないが、海の眺めもわるくない。


さて、そんなことで、一日目の夕食。

最初の日は、フレンチのディナー。

ここの総料理長、中野稔郁氏は元在ポルトガル日本大使館の
料理長を務められていたという経歴。
たのしみ、で、ある。

ビールは石垣の地ビールをもらう。


これはノーマルはピルスナータイプ。

前菜。


出されたメニューには「沖縄鶏のバロティーヌ
ピパーツの香り サラダ添え 白ワインヴィネガーと
パイナップルソースで・・・」とある。

バロティーヌというのはフォアグラなどを鶏肉で
筒状に巻き込んで火を通したものということである。

真ん中に巻かれているのはレバーのよう。

ピパーツというのはこちらでは島胡椒などとも
呼ばれているもので、胡椒に近い種類の植物で
やはりその実が使われる。
まぶされている黒い粉がそのようである。
香り胡椒とも若干異なっており、辛みも胡椒よりも多少
マイルドのようである。

パイナップルのあまいソースがさっぱりした鶏に
よく合って、うまい。



ディナーの途中だが、今日はここまで

つづきはまた明日。







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