断腸亭料理日記2013

上野藪蕎麦

4月14日(日)第二食

日曜日

雲は出ているが、比較的暖かい。

先週などはまた寒い日などもあったが、
やっと本格的に4月の天気になってきたか。

こう暖かいと、ちょいと上野の山にでも、出かけてみたくなる。

国立博物館も特に観たいというものも
やっていなかったか。

と、考えていると、上野藪蕎麦へ行きたくなった。

夜は内儀(かみ)さんがポークソテーが食べたいなどと
いっている。

その前に、上野藪で一杯やってそば。

長閑(のどか)な日曜日の昼下がりを満喫したい。
そんな気分。

暖かいといっても、シャツ一枚では寒い。
セーターを着て、出かける。

徒歩。

久しぶりに、落語などをさらいながら、歩く。
ちなみに、やったのは、大工調べ。

しばらくさらっていなかったので、よくつっかえるし、
次が出てこないところもある。

だが、それでも、一度きちんと覚えているので、その部分をなん度か
さらうと、やはりリズムで覚えているからか、不思議と、段々に
言葉は出てくる。

御徒町までは10分ちょい。
大工調べはたいして進まないで、終わってしまった。

御徒町、アメ横で、買い物を二、三かたづける。

この界隈も随分と人が出ている。

見たところ中国なのか、台湾なのか、韓国なのか、
観光客らしき外国人も多く見かける。

丸井裏の上野藪蕎麦へ向かう。

上野には、上野藪蕎麦と池の端藪蕎麦と
二つの古くからある藪蕎麦がある。

池之端の方もよく行く店で、私の最も好きな蕎麦や
といってもよいかもしれない。

ただ、池之端の方はウイークデーの会社帰りに寄る方が
なぜだか多い。

これに対して、上野の方は土日にぶらっと入る店。
なんとなく、そんな棲み分けができている。

池之端の方が、格式がある、というのか、敷居が高いのだが
これがよい。
これに対して、上野の方が、決していい加減というのではないが、
運んでいるお姐さんの雰囲気など、池之端に比べると、ちょっと、ゆるい。

また、出す蕎麦も池之端の方は、おそらく昔からあまり
変わっていないようなコンサバティブだものに限っている
ようにみえるが、上野の方は、ドレッシングをかけて食べる、
サラダ蕎麦だったり、酒の肴などもちょっと今風のものを出す。

どちらもそれぞれ、持ち味、ということ。

二時半すぎ、上野藪に入る。

一階があいていた。

座って、冷酒、とも思ったが、歩いてきてのども
乾いているので、やっぱりビール。

ヱビスの中瓶。


肴は?。

定番の焼海苔や、板わさでもよいのだが、
やはりちょいと物足りない。

炙った明太子、というのがあった。
これにしてみようか。蕎麦は、とろろせいろ。

一緒に頼んでしまう。

なんと答えるかな?と、ちょっと試すようなことをしてしまったが、
お姐さんは、ちゃんと出す順番を聞いてくれて、そばを
後にするのなら、声を掛けてくれ、と、いってくれた。

これは、東京のそばやであれば、呑む客へは昔からやってくれていた
サービスである。しかし、私の毎度いう昨日今日できた“趣味そば”では
聞きもしないで平気で同時に持ってくるべら棒なところもある。
まったくもって、客商売をわかっていない。

明太子がきた。


結構安かったので、量が多いのでびっくり。

こりゃぁ、つまむ、というよりは、バクバク食わねば。

バクバク食べて、ビールも呑み終り、とろろせいろ。

ここでとろろせいろはひょっとすると初めてかもしれない。
実は、ノーマルなせいろにしようと思ってきたのだが、
隣の爺さんが食べていたのをみて食べたくなった。

池之端はとろろとつゆは既に混ぜた状態のものがきたと思うが、
ここは別々。自分で混ぜる。

十二分にうまい。

ご馳走様でした。

適当にカジュアルでウイークエンドの昼下がりに
合ったよい蕎麦や、で、あろう。

 


上野藪
台東区上野6-9-16
tel.03-3831-4728

 

 

 

 


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