断腸亭料理日記2013
4月16日(火)夜
今日は、仕事帰り、牛込神楽坂の
スーパーに寄って買った、ほたるいか。
ご存知の通り、ほたるいかは今が旬で、
スーパーの魚売り場にも、まあ、間違いなく
置いている。
安くもなっていたので、買った。
付いている辛子酢味噌だけで、あるいは、
わさびじょうゆで、ほらるいかだけ食べてもよいのだが、
どうせ酢味噌ならば、ねぎぬたも添えようと考えた。
ぬた、というとよくやるのは、青柳、浅利といった、貝類。
あるいは、まぐろもよく見かける。
または、酢で〆た魚でもよいが、
鯖や鯵、小肌だとちょいともったいない。
やはり鰯、なんというところがちょうどよい。
そして、これは4月7日。
これも今がシーズン、子持ちのやりいかのボイル。
ボイルされた状態で売っているもの。
今はあまり人気はないかもしれぬが、
江戸前の鮨やでは、昔から定番であったと
思われる。
わさびじょうゆ、あるいは、例の甘いたれを
塗って食べる。
江戸前鮨では印籠詰なんというが、
酢飯を中に詰めたりもする。
それを今まで思いつかなかったのだが、
ねぎぬた、に、してみた。
酢味噌は八丁味噌と白味噌半々の桜味噌の酢味噌。
これは、うまい。
いかでも、こういうはらわたまで
丸のままを食べる場合や、下足なども酢味噌には合う。
酢味噌に合うということは、ねぎとともに、ぬたになる、
と、いうことである。
毎度書いているが、私は、ねぎはぬただからといって、
特別にわけぎなどは使わない。
家にある普通の長ねぎ。
長ねぎは4〜5cmに切って一度ほぐす。
火の通りを考えて、薄い皮の部分と
芯の太い部分に分けるのである。
火の通りをコントロールしずらいので、
茹でるのではなく、熱湯をかける。
熱湯をかける前に、急冷するための蓄冷材を入れた冷水を
ボールに用意。
太い芯の部分を先にざるに並べ、熱湯をかける。
ある程度熱が入ったら、薄い部分も入れ、
さらに熱湯をかける。
しんなりしたら、冷水のボールへ。
急冷するのは、予熱でさらに熱が入るのを防ぐため。
冷えたらざるにあげる。
水を切って、ペーパータオルでふんわりと
水気を拭き取る。
たかがねぎぬたでここまで気を遣うのには
意味がある。
ご経験のある方も多いかもしれぬが、
茹でたねぎは、熱の入り具合で、ある一点をすぎると、
どんどんと水が出てくる。
水が出てくると、酢味噌がどんどんと薄くなる。
食べている内に、ねぎから水の出てくるぬたは
食べられたものではない。
ただ、ねぎぬたはなん度も作っているが、
ちょうどよい加減の火の入り具合というのは、
そうとうに難しい。
おそらくとても幅が狭い、のであろう。
水が出てくるくらいであれば、多少ねぎの辛味が強いが、
生の方へ振れている方がまだよい。
と、いうことで、ほたるいかのねぎぬた。
味噌は白味噌で和辛子を入れた、辛子酢味噌。
ほたるいかのみよりは、酒の肴とすれば、
数段グレードが上がるだろう。
ビールでも冷酒(ひやざけ)でもよい。
うまいもんである。
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