断腸亭料理日記2012
10月7日(日)夜
さて。
引き続き、日曜日。
昼下がり、御徒町の吉池まで自転車で買出しに出る。
なにかというと、小肌を買いに。
少し前から、小肌の鮨が食べたかった、のである。
小肌は、江戸前の鮨やでは、定番のねただが、
自分で料理をすることなど、普通はあまり考えないであろう。
大体が、小肌などは、スーパーに売っている魚ではない。
が、御徒町の吉池には、プロも買いにくるからであろうか、
ほぼいつでも生の小肌を置いている。
小肌は夏前に生まれ、盛夏前後に、珍重される新子が出回り、
まだ、この秋口であれば、そう大きなものは少なく、
よい頃か、と、思ったのである。
きてみると、さばいていないものと、
さばいて開いたものと両方ある。
開いたものは、1枚¥100。
7〜9cmの小さな小肌をさばくのは、とても
手間のかかる作業。
で、今日は楽をして、開いたもの。
1パック、¥1500。
20枚くらいはいっていますかね〜、という
お兄ちゃんの言葉で、これを購入。
それから、殻付きの芝海老。
安いので、これも。から揚げ、で、ある。
帰宅。
1パック。
こんな感じ。
やはり、プロがさばいたものはさすがにきれいである。
自分でやれば、特に、腹骨の部分など、とてもこんな風にはいかない。
ざっと洗って、ペーパータオルでよくふいて水分を取る。
金網の上にのせて、20枚、両面塩をする。
これで2時間。
塩をして置く、というのは、水分を抜くため。
水分を抜いた分だけ、酢が入る。
塩をすると表面に段々に水滴が現れる。
時々、様子をみながら、塩をふり足す。
たくさん塩をふれば、早く抜ける?ような気もするが
むろん、そうすると、塩辛くなってしまう。
4時頃から、6時頃まで。
この間に、飯を炊くために、米を研いでおく。
2時間経って、身が薄く、小さなものから、順に酢〆に入る。
このくらいでは、まだ浅め。
きつく〆るであれば、もう1時間程度でもよいのかもしれぬ。
一度水洗いし、水を切って、酢洗いといって、漬ける前に
酢で洗う。これは、生ぐさくならないため、という。
漬けるための酢には、甘くしたくないので、私は、
砂糖は入れない。
塩を一つまみくらい。
漬ける時間は20分もあればよい。
それ以上漬けても、変わらない。
枚数が多いので、身の薄いものから漬けはじめ、
順送りで、厚い大きなものを、洗って、漬ける。
酢からあげると、酢をふき取って、干す。
ざるに並べる。
ほんとうは、プロはこれで一日。
置いている間に、酢が入る。(と、思われる。)
が、まあ、待てないので切ってみた。
むろん、これで一杯。
やはり、多少生っぽく、なまぐささは残るが、
これでも十分に食べられる。
芝海老は片栗粉をまぶして、から揚げ。(これは内儀(かみ)さん)
2時間後。
飯を鍋で炊く。
にぎりの鮨を作るため、で、ある。
炊き上がったら、蒸らして、一合分だけ酢飯にする。
鮨酢を混ぜ込み、水分を飛ばし、置く。
荒熱が取れて人肌になるまで、待つ。
これが大事。
干しておいた小肌のうち、先に干した小さそうなものを選び、
半身に切る。
ちょうど、半身がにぎり一個分でよさそう、で、ある。
わさびを魚の裏側に塗り、準備。
両手を湿らせて、酢飯を左手に取り、左掌(てのひら)の上で
一個分の形を作る。
ここに魚をのせ、右手の人差し指と中指の二本で押さえ、
にぎる。
そうなん回もにぎってはいないが、段々うまくなった?。
今日は、そこそこ、それらしい格好になった。
トウシロウがにぎっても、小肌というのは、
きれいなにぎり、である。
プロは皮目に切り込みを入れてひねったり、
いろいろな芸当があるが、にぎり鮨の中で、最も
江戸弁でいう、様子のいい、にぎり鮨だと、私は思う。
しょうゆをつけて、口に入れる。
刺身よりずっとうまい。
やはり、小肌は、刺身よりも酢飯とにぎってこそ、
うまくなる魚である。
二個、三個、と、自分でにぎって、食べる。
内儀さんにもにぎる。
20枚も作ったので、まだまだあるぞ、、、。
P.S. 冷蔵庫に保管し、翌日もう一度にぎり。
さらに、翌々日、酢味噌で食べた。
で、まだある、、。
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