断腸亭料理日記2012
さて。
今週、11月5日から9日は、先週から引き続いて、
出張ウイーク。
まずは、5日、月曜日。
大阪。
最近、大阪へくると、一人昼飯、時間があれば、
ここへくる。
洋食や、というのか、キッチン、というのか。
場所は、淀屋橋から近い、北浜三丁目。
オフィス街。
北浜というと、大阪の金融街。
すぐ隣が、適塾・緒方洪庵旧宅跡。
昭和の香りの小さな店。
中も狭い。
入ってすぐにカウンター。
席二つに、一つのおひつ、が、置かれている。
メニューは、日替わりと、定番のものと、ほぼ二つ。
定番は焼肉に、オムレツというのか、スクランブルエッグと
いうのか、が、のっているもの。
座って、なんにしましょう?と聞かれる。
今日でなん度目か、わからぬが、今だに、メニューの仕組み
が、よくわかっていない。
あわてて、壁に書かれたものを見て、
真ん中あたりに書かれている、ハム付きダブル、と、
頼む。
“ダブル”というのは、焼肉の量がダブル、という意味なのか。
この上に、ダブダブ、というのがあり、
これは、玉子もダブル、と、いう意味なのか。
すぐに出てくる。
漬物は、洋食やだからか、福神漬け。
味噌汁が、これは洋食やなのに、なぜだか、陶器のお椀に赤だし。
だが、これが、味が濃く、随分と、うまい。
焼肉の方も味が濃い。
それから、マカロニサラダも、うまい。
ばくばくと、食う。
ご飯は茶碗が小さいので、一膳おかわり。
サラリーマンの昼飯として、これほど正しいものは
ないのではなかろうか。
たまたま見つけたところだが、是非ともこのままで
続いてほしい、と思うのである。
(大阪市中央区北浜3-3-11)
さて。
次。
これは、同じ日。
夕方、というのか、夜というのか、
移動中の列車の駅弁。
この日は、午後大阪で一つ仕事を片付け、
北陸へ移動。
大阪から北陸方面へは、サンダーバードなのだが、
ちょうどよい時間のものがなく、新幹線で米原まで移動し、
米原から、しらさぎ、に、乗る。
乗り換え時間が少なく、しらさぎに飛び乗る前に、
ビールと駅弁を買った。
いくつかあるうちから「鮎の一夜干しですよ〜」という
ホームで売っていた小母さんの言葉にひかれて、買った。
「琵琶湖の鮎 氷魚ごはんと一夜干し」。
箱のデザインもなかなかの雰囲気。
開けてみると、こんな感じ。
なかなか、きれい。
乙、で、ある。
開いた鮎は、小ぶりで、一夜干し、ということ。
よい塩梅。
ご飯が氷魚ごはん。
氷魚がなんだかわからぬが、なかなか、うまい。
上にのっている漬物は、赤味の入った大根なのか、
蕪、なのか。
おかずは、出汁巻玉子に煮豆など、場所柄、京風というのか、
関西風の薄い色の味付けだが、うまい。
あとで調べると、氷魚は琵琶湖では稚鮎のことで、
入っているのがよくわからなかったが、稚鮎のご飯であったよう。
また、一緒に混ぜ込まれている緑は、お茶とのこと。
これは、魚の生ぐささを取るためらしい。
それから、赤い大根のような漬物は、ひの菜、という
蕪の類の近江野菜のよう。
値段も¥900円。
このあたりの駅弁では、近江牛というのが定番だが、
1000円を超えた牛肉のものよりは、
見栄えも含めて、これはなかなか考えられた、
秀作、なのではなかろうか。
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