断腸亭料理日記2012

上野・キムチ横丁・京城苑

2月10日(金)夜

引き続き、金曜日。

夜は、前からの予定で、会社の同僚と
上野キムチ横丁の京城苑で呑み会。

19:30開始。

私は幹事ではないのだが、店のリコメンドは
私がした。

場所は上野。

オフィスは市谷だが、上野は帰る方向が便利な人も
少なくなく、賛同は得られやすい。
(むろん、浅草と上野の間の、元浅草に住む私には
地元ともいってよいところ。)

上野、あるいは御徒町界隈というのは、昔から焼肉やの
多い町。
今の大久保、新大久保よりも歴史的には古かろう。

中でも、キムチ横丁といっているところは
東京で最も古いコリアンタウンといってよいようである。

昭和23年あたりというから、焼け跡、闇市がルーツであろう。

上野というのは、今でもこの焼け跡、闇市に起源があるものは
たくさんある。アメ横も闇市に起源だし、この界隈に多い
宝石関係の店も闇市から。
また、その宝石関連業者にはインド人が多いという
ことで、カレーやも上野御徒町には多い。
(そういえば、パチンコ台メーカーの東京支社(?)も
この界隈に集中している。これもなんらか関係ありそうである。)

上野御徒町は、都内でも有数の闇市といってよかろう。
かの渥美清氏もハイティーンの頃、ここ上野御徒町の闇市で暴れていた、
という逸話も残っている。
闇市起源、やはりこれも、今の上野という街の一側面であろう。
(また、そこから上野は、多国籍な街にもなっていた。)

ともあれ。

上野、キムチ横丁であった。

場所は、御徒町駅から昭和通りを渡った向こう側。
昭和通りに沿って、コインパーキングが大きなスペースを占めているが
その奥。

焼肉やなどの店が軒を連ねている。
どの店も、小さく古いところが多い。

上野御徒町界隈では、こちらとは反対側、池之端・湯島天神下のにも
焼肉やは多いのだが、どちらかといえば、池之端
の方が、豚バラの焼肉・サムギョプサルなどを看板にする、
今風の店が多いのかもしれぬ。

キムチ横丁の方は昭和のにおい満載、いや、闇市、バラック
といってもいいかもしれぬが、そんなものを残している街。

中でも、私の通っている、京城苑はその代表選手かもしれぬ。
二階建ての小さな店。

下に調理場とテーブル2〜3の小座敷があり、
はしご段といってもよいような、急な階段であがった二階は
六畳ほど、で、あろうか。

19:30ちょうどに来てみると、お二階へと、小父さんと
お兄さん。(ここは親子でやっているよう。)

二階にあがると、我々は五人なのでテーブル一つ。
その他に、10数人の予約も入っているというが、こちらは
まだ集まっていない。

我々は、私がきて3人になったので、先に始めていることにする。

ビールをもらい、とりあえず、タン塩、カルビ、ロース、
キムチ盛り合わせ。

ここは無煙ロースターなどでもなく、炭火七輪でもなく、
ガスで、下に水を張る、昔からあるコンロ。
(上着やコートは、においが付かぬよう、大きな袋に入れておき、
店が狭いので窓の外に出してある。)

タン塩もうまいのだが、他のたれ系の焼肉が
どれもうまい。
そのおおもとは、やはり、たれ、なのだと思う。

なんだか、とても、濃いたれ。

なにが濃いのか。
にんにくは強いように思うのだが、それ以外はよくわからぬ。

私も初めて食べたときには感じたのだが、
初体験の時には、誰でもそのディープさには
気が付くはず。

(見た目は、どこにでもある焼肉なので、写真はなし。
、、、ほんとは、撮り忘れ、、、なのだが。)

遅れて、一人、もう一人、とメンバーが揃ってくる。
その都度、新たに焼くものをオーダー。

そうそう、ここはトイレがなく、下へ降りて、
突っ掛けのサンダルを履いて、
寒い中、横丁の奥にある共同便所。
(これがまた、焼け跡。)

そして、マッコリ。


ここのものは、特に、格別。
香りがよい。

久しぶりに会った顔ぶれ、
やはり焼肉、とことん、呑まねば!。

と、いうわけで、しこたま食べて、呑んで、

会計は一人5000円ほど。
(まあ、安い、のではななかろうか。)

ぶらぶら歩いて、帰宅。

頭の先からつま先まで、身体の中も外も、
ズコーン、と、京城苑。

これがよい。





住所 東京都台東区東上野2丁目15-7
電話 03-3831-0654



断腸亭料理日記トップ | 2004リスト1 | 2004リスト2 | 2004リスト3 | 2004リスト4 |2004 リスト5 |

2004 リスト6 |2004 リスト7 | 2004 リスト8 | 2004 リスト9 |2004 リスト10 |

2004 リスト11 | 2004 リスト12 |2005 リスト13 |2005 リスト14 | 2005 リスト15

2005 リスト16 | 2005 リスト17 |2005 リスト18 | 2005 リスト19 | 2005 リスト20 |

2005 リスト21 | 2006 1月 | 2006 2月| 2006 3月 | 2006 4月| 2006 5月| 2006 6月

2006 7月 | 2006 8月 | 2006 9月 | 2006 10月 | 2006 11月 | 2006 12月

2007 1月 | 2007 2月 | 2007 3月 | 2007 4月 | 2007 5月 | 2007 6月 | 2007 7月

2007 8月 | 2007 9月 | 2007 10月 | 2007 11月 | 2007 12月 | 2008 1月 | 2008 2月

2008 3月 | 2008 4月 | 2008 5月 | 2008 6月 | 2008 7月 | 2008 8月 | 2008 9月

2008 10月 | 2008 11月 | 2008 12月 | 2009 1月 | 2009 2月 | 2009 3月 | 2009 4月

2009 5月 | 2009 6月 | 2009 7月 | 2009 8月 | 2009 9月 | 2009 10月 | 2009 11月 |

2009 12月 | 2010 1月 | 2010 2月 | 2010 3月 | 2010 4月 | 2010 5月 | 2010 6月 |

2010 7月 | 2010 8月 | 2010 9月 | 2010 10月 | 2010 11月 | 2010 12月 |2011 1月 |

2011 2月 | 2011 3月 | 2011 4月 | 2011 5月 | 2011 6月 | 2011 7月 | 2011 8月

2011 9月 | 2011 10月 | 2011 11月 | 2011 12月 | 2012 1月 | 2012 2月 |


BACK | NEXT |

(C)DANCHOUTEI 2012