断腸亭料理日記2011

室町砂場・天ざるそば

11月1日(火)夜

一泊で大阪出張。

18時半、東京駅まで帰ってきた。

今日は、軽く、室町の砂場へ寄って、
帰ろうか。

新幹線の先頭から降りて、日本橋口から出る。

日本ビルヂングの脇を抜けて、
常盤橋を右に見る。

この古い常盤橋はまだ入れないように柵ができている。
ホームレスが入れないようにしているのか。

新常盤橋へまわり、常盤小学校。

砂場は二本目を左。

路地二本ばかり。

突き当りの左側角が砂場。
店の前には柳の木。

暖簾を分けて、入る。

なかなか、にぎわっている。

だいぶ寒くなってきた。
酒にしようか。

燗の加減を聞いてくれる。
“普通で”。

それから、今日は、つまみを頼むのはやめて、
いきなり蕎麦。
ここは天ざる、天もりの、発祥の店、という。
頼んでみようと、決めてきた。

メニューには、天ざる、と、天もりと別にあり、
これは、蕎麦が白い更科か、黒い普通のものか、の
違いのよう。

更科の方で頼む。

酒がきた。


今日の肴は、くらげを梅で和えたもの。

ここの酒はなんであろうか。
辛口だが、菊正宗ではないようである。

ポツポツ呑みながら、待つ。

じきに、きた。


ここの天もりというのは、こういうものであった。

一般には今、天もり、または、天ざる、というのは、
天ぷら(蕎麦やでは、天ぷらだけを、天種というが)とざるそば
もりそばを一緒に出すものをいう。

ここのものは、つゆに小さなかき揚げが入っているものであった。

つゆに小さなかき揚げが入っているものといえば、
私などは、上野の警察の前にある、翁庵を思い出す。

はは〜。

このつゆにかき揚げが入っているものを考えたのは
この店であったか。

上野の翁庵のものは、いかが入ったかき揚げだが、
さすがにここのものは、芝海老と小柱。

この、つゆに小かき揚げが入ったものは、
うまいものである。

が、しかし、どこでも見かけるものではない。

なぜであろうか。

うまいのだが、かき揚げが小さい分、
なんとなく、B級感が漂う。

だからであろうか。

じゃあ、かき揚げを大きくしたらどうであろうか。
大きくしたら、つゆも多くなり、バランスがわるい。
きっと、考えた人もいるのだろうが、結局、
こういう小さいかき揚げで、落ち着いたのか。

ざるをもう一枚。

きれいに食べて、蕎麦湯で割って、全部飲み干す。

うまかった。

ご馳走様でした。



出張の帰り道、ちょうどよい店、で、ある。




ぐるなび




中央区日本橋室町4-1-13
03-3241-4038






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