断腸亭料理日記2011
11月6日(日)第二食
日曜日。
昼、TVを視ていたら、
麻婆豆腐がでてきていた。
我ながら、単純だが、急に食べたくなった。
よし作ろう!。
冷凍庫に豚挽肉は凍っているが、
豆腐がない。
挽肉を冷凍庫から出して、豆腐を買いに出る。
木綿を二丁。
調味料はうちにすべてある。
さて、麻婆豆腐、というもの。
私は、カレーの次によく作っている料理
かもしれない。
この日記の最も古いもので99年。
(この日記を書き始めたのが、98年の秋。)
99年以前から、麻婆豆腐自体は、作っていたのだが、
この99年でもまだ、コレ、というものが、
できていないようである。
以前に考察なんぞもしてみたことがあると
思われるが、麻婆豆腐というのは、とても
難しい。
これは、テクニックが必要で難しいのではなくて、
味を決めるのが、難しいのである。
作るだけなら、調味料を炒めて、挽肉を炒めて、
スープを入れ味を付け、豆腐を入れて、片栗粉でとろみを
つけて終了、で、ある。
問題は、どんな味の麻婆豆腐を目指すのか。
このことである。
日本には、中華料理店、ラーメン店、インスタント、
含めて、麻婆豆腐は、いろんなところにあり、
みんな知ってる定番のメニューである。
しかし、どうであろうか。
その味、といいうのは、驚くほどバラエティーに
富んでいるのではなかろうか。
やっぱり、四川の本場の味付けがよい、という人も
いるかもしれぬが、実際には、本場のものはそうとうに辛くて、
普通の人はあまり食べられない味だったりする。
あるいは、インスタントで定番の丸美屋のもの。
子供の頃、給食で出たもの。
こんなところは、きっと、みんなの舌に馴れた味、
かもしれない。
私自身、自分が一番うまい、と思う麻婆豆腐の
味が決まっていなかった。
これが、なかなか、自分で納得のできる味に
到達しなかった原因であった。
まあ、それは道理、で、ある。
私のような、レシピを見ながらその通りに料理を
するのではなく、最初から自分のうまいと思う味を決めて、
そこを目指して料理をするという、勘と、感覚のみで
いわば、“テキトウに”作るやり方では、出来上がりイメージが
ないのに、納得できるものが出来るわけがない。
目的地がわからないで、テキトウに歩き出しているようなもの
である。
そんなことで、試行錯誤が長かったメニュー、である。
それが、決まってきたのが、やっと最近、
と、いうことでは、ある。
段取りは、先に書いた通りで、簡単。
ポイントといえば、他の中華でも一緒だが、
調味料などの用意。
つまり、使うものをすべて用意して、調理を始めること。
まあ、このくらいであろう。
さて。
細かい作り方はもうよいであろう。
用意するもの。
材料は、豚挽肉、豆腐、にんにく(スライス)、生姜みじん切り、
ねぎみじん切り。
調味料は、豆板醤、スープの素(練りタイプとXO醤)、
八丁味噌、日本酒、紹興酒、ラー油、水溶き片栗粉、
花椒(ほわしゃお)。
豆腐は賽の目に切って、別にお湯で煮たてないようにしながら、
温めておく。(これは形が崩れないため。)
中華鍋を熱し、豆板醤を炒め、ここに、にんにく、生姜、
香りが出たら、豚挽肉。
これは脂が出るまでよく炒める。
水を入れ、スープの素、八丁味噌、酒、紹興酒、
しょうゆ、胡椒なんぞも多少振って、煮立て、ラー油。
最後に、ねぎみじん切り。
ここで、味見。
辛味が足らなければラー油。
塩気が足りなければしょうゆか、八丁味噌を足す。
味が決まったら、水溶き片栗粉でとろみをつける。
花椒は皿に盛り付けた後、潰してまぶす。
今日も滞りなく、できた。
真夏でもないので、激辛にはしなかった。
真昼間(まっぴるま)っからだが、やっぱり、ビール。
多少、もったりした感じはあるが、
辛味も十分、満足な麻婆豆腐ができた。
この皿に、二杯、おかわりして食べてしまった。
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