断腸亭料理日記2011
8月14日(日)第3食
さて。
引続き、日曜日。
上野藪でサラダ蕎麦を食って、帰宅。
しばらく、昼寝。
夜は、どうしようか、と、内儀(かみ)さんと、
相談。
久しぶりに、鮨はどうだろう。
久いち。
日曜日、それも、お盆の今、東京都心で
やっている店は、そう多くはない。
それに、内儀さんといく場合、これが
なかなか難しい。
一人でいく鮨やと、内儀さん連れでいく
鮨やと、必ずしも一緒ではない。
女性が居ずらい店、というのが、
あるからである。
で、久いち。
ずっと、書いていなかったが、
そこそこのペースで、いってはいた、
のである。
銀座の超有名店、久兵衛で修行された方が
独立し、地元の浅草で店を開いた、という。
夕方、TELを内儀さんに入れさせると、
こんな時期にも関わらず、やっていた。
ラッキー、で、ある。
6時半に予約をする。
15分前、例によって、アロハに短パン、
雪駄という格好で、内儀さんとともに、
出る。
春日通りで車を拾って、国際通りから、
言問い通り、千束通りの先で、降りる。
路地を入った、左側の角。
このあたり、こんな日だが、けっこう
店はやっている。
浅草というのは、いわゆる都心とは、
多少、飲食店にしても客層が違う。
休日でもお盆でも、住んでいる人は少なくないので、
店もやっている。または、観光客用、ということも
あるかもしれない。
先客は、男性一人。
カウンターに座る。
ビールをもらって、お通し。
私は、たこの桜煮、
内儀さんは、煮はま。
ここは、おまかせのコースもあるが、
好みで、頼むことにする。
最初に、少し、刺身。
いいところを、言ってもらって、
鰈と、秋刀魚にしてもらう。
鰈は、少し厚めに切ってくれた。
うまみの濃い白身が、よい。
秋刀魚は皮目を炙って出てきた。
これ、いろんな鮨やでやるが、
やはり、ちょいと、疑問、で、ある。
むろん、味は、わるくない。
うまい、のであるが、なにも無理をして
鮨やで食べなくともよかろう、というもの。
鮨やだったら、生にしてほしい。
秋刀魚の生もまた、うまい。
それから、炙ったほっき貝。
さて。
にぎり。
いか。
実は、すみいかの子供、新いか、を、
期待してきたのだが、切れちゃった、という。
小さいので、足が速いらしい。
残念。
新いかは、この時期の宝、なのである。
柔らかく、香りがよい。
で、あおりいか。
これも、あまく、食感もよい。
光物で、鯵と小肌。
小肌は、小さいのか、大きいのか、
聞かれたが、むろん、小さいもの。
この時期では、一般には、新子、とは
いわないのかもしれない。
小肌の子供の、新子、と、いって、
昔から珍重される。
それで、近年は、メダカのように小さなものを
新子といって、5枚も6枚も合わせて、にぎっていたりする。
食べたい人は、食べればよいが、私は、願い下げ、である。
あまりにも小さくて、酢の味しかしない。
むしろ、2枚くらいでにぎる、今頃のものの方が、よい。
2枚でにぎって、出してくれた。
うまいし、なにしろ、小肌というのは、
姿が、美しい。
やはり、江戸前鮨では、筆頭のものであろうと
私は思う。
このくらいの大きさであれば、まだ、
新子らしい、香りがある。
次は、中トロと、赤身。
赤身は、内儀さんが好きなので、簡易のヅケに
してもらう。
中トロもうまいが、赤身。
あまみがあって、うまい。
海老。
これは、いつもは生の茹でたてを
にぎってくれるのだが、終わってしまった
というので、茹でてあるもの。
だが、十分。
あまみのある海老、で、ある。
それから。
小柱。
さらに、穴子。
ここの穴子は、包丁で、にぎった後のにぎりを
半分に切って、片方を塩で、もう片方を
たれで、出す。
今日は、この由来をちょっと、聞いてみた。
前から疑問に思っていたのだが、
私のいく鮨やの、もう一つ、新橋のしみづ。
ここでも、この半分に切って、をやる。
どちらが、元祖なのか。
このことである。
いや、なんのことはない。
あたり前だが、久兵衛の方が先。
で、久兵衛にいた、若い衆が、しみづに移って、
ここで、伝わったのでは、と、いう。
(この若い衆は、既に独立しで、京都の祇園で江戸前
鮨店を開いている。)
最後は巻物。
光物を巻けるか聞くと、
鯖はどうか、という。
酢で〆た、光ものの巻物というのが、あるのである。
生姜と一緒に巻いたりする、
で、巻いてもらった、鯖巻き。
以上。
うまかった。
ご馳走様でした。
勘定は、二人で、25000円ほど。
帰りもタクシーで、元浅草まで。
TEL 03-3874-2921
住所 台東区浅草3丁目18−8
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