断腸亭料理日記2011
4月2日(土)
年度が替わり、4月になった。
土曜日。
朝飯、で、ある。
冷蔵庫に冷や飯がある。
チャーハンにでも、しようか。
チャーハンというのは、
うまいもの、で、ある。
時として、無性に、食べたくなるもの、
でもある。
しかし、これが、いざ作るとなると、
簡単なものではない。
よく、プロは、中華鍋で飯粒が踊るように、
なんという言い方をされるが、これが難しい。
いや、とても、できなかった。
皆さんもご経験はあろうが、まあ、ベチョベチョ。
わるくすると、鍋肌に、くっついてしまう。
増して、玉子で飯粒を包んで、金色に見える、
黄金チャーハンなどは、もっと難しい。
まあ、しかし、チャーハンというもの
鍋に飯粒がくっついても、踊らなくとも、
多少ベチャッとしていても、食べられないことはない、
のが、不思議なところ、でもある。
日本人は、もともと、粘り気のあるご飯を
食べているので、このへんは、あまり問題は
ない、ということであろう。
私も、長い間、チャーハンは鬼門であった。
それが、このところ、ある程度、安定して
そこそこ、パラっとしたものが作れるように、
なってきたのである。
色々考えて、試行錯誤を繰り返すうちに、
なんとなく会得してきた。
その試行錯誤のうち、よかれ、と、考えて
やってみたが、あまり、“パラパラ”の役に
立たなかったこともある、とは思われるのだが、
今日はとりあえず、今やっている調理方法を追って、
書いてみる。
まずは、冷や飯。
これは、冷蔵庫で少なくとも数日経ったもの。
プロなどは、炊き立ての飯でもやれてしまう、
のかもしれぬが、やはり、冷蔵庫で二日程度は経ち、
パラパラになっているものがよさそうである。
冷蔵庫から冷や飯を出し、ボールであらかじめ
手でほぐしておく。
そして、ポイントの一つは、ここで、油を
そう、小さじ2、程度であろうか、かけて、
飯全体まぶしておく。
結局、飯粒をパラパラにするポイントは、
飯粒に油の幕を付ける、と、いうこと、なのである。
プロは中華鍋に油を入れるだけ、で、この幕ができる
のであろうが、事前にまぶしておく方が、
随分とパラパラの役には経つようである。
次に、中華鍋を熱し、焼く。
これは、中華鍋の扱いでは、必ずいわれることだが、
やっている。
その間に、ねぎを刻み、玉子をお椀にほぐしておく。
煙が出るまで熱した鍋には、一度たっぷりと
油を入れ、全体に回し、一度捨てる。
これもプロのやっているやり方。
ほんとうに捨てるのはもったいないので、
私の場合は、ストックしている天ぷら油を
使って、もう一度、ストックに戻している。
次に、再度鍋を火にかけ、炒め用の油を入れる。
この時の油の量も、多め、と思える量。
油でベトベトになってもいけなかろうが、
どうであろうか、大さじ1程度。
火は強火。
ここからは、強火のまま、一気。
どうも、これが最大のポイントかもしれない。
ボールの冷や飯を投入。
あらかじめほぐしてはあるが、再度、
炒めながら、中華お玉の背で、潰すようにしながら、
ほぐす。
ある程度ほぐれたら、お椀の玉子を、ザット、
飯の上にかける。
(くっつくのが怖いので、少し前までは、ここでもう一度、
油を振っていたりしたのだが、事前にまぶしていれば、
よさそうである。)
玉子をかけても、依然強火で、ガシカシと、炒める。
多少は鍋肌にくっつくが、それもお玉ではがしながら
ガシガシと、炒める。
玉子が固まってくるのに、ある程度時間がかかるが、
(とはいっても、実際には1分もないかもしれないが)
それでも、我慢して、強火で頑張る。
ここで、くっついて、弱火にしてしまっていたのも、
以前の失敗、ベチャ、チャーハンの原因で
あったようである。
弱火で炒めているうちに、時間が経ち、
粘り気が出てきてしまったようである。
とにかく、高温、短時間。
そのうちに、玉子が固まり、不思議とほぐれ、
パラ、パラ、パラ、っと、してくる、のである。
こうなれば、もうこっちのもの。
煽ると、鍋で、飯粒が踊り始める。
塩胡椒。
刻んだねぎ。
最後にしょうゆを、鍋肌から(などとプロはいう)
軽く入れ、全体を煽って、完成。
盛り付けて、スープの用意。
練りタイプの中華調味料、味王(ユウキ)を
小さじの1/4ほどと、XO醤、耳かき一杯ほど
お椀に入れて、お湯、しょうゆ。
この状態だと少しぬるいので、20秒ほど
レンジにかけて、ねぎを散らし出来上がり。
まあまあ、普通のチャーハンにはなっている。
スープもインスタント、ではあるが、
これで十分。
最後に、付け足し。
やはり、普段の中華鍋の手入れも大切である。
焦げなどがついていては、やはり、くっつきやすい。
きれいにしておくこと。
また、よく、プロの場合は火力が違う、という。
拙亭のガスレンジは、一応、大き目の火力が出る五徳もあり、
それを使っているが、むろんプロ用のものには、及ぶまい。
しかし、これで、十分にパラパラ、チャーハンは
できてはいる。
ある程度強めであれば、まあ、よい、のかもしれない。
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