断腸亭料理日記2010

お好み焼き

9月4日(土)夜

さて。
土曜日。

相変わらずの、酷暑。
自室にいるときには、もうエアコンは
昼も夜もつけっ放し。
どこのご家庭もそうかもしれぬが、
次の電気代がおそろしい。

午後、メダカを買いに、猿若町(浅草六丁目)へ出る。
メダカを買う前に、ラーメンが食いたくなり、
久しぶりに、弁慶に寄る。

弁慶というのはご存知であろうか。
猿若町、言問通り沿いにある。
創業は、門仲であったと思うが、堀切にも店があり、
今はここが本店。
さらに、ここの元は、千駄ヶ谷のホープ軒ではなかったか。
その昔、『背脂チャッチャ』系などと呼ばれた、、。
(香月もそうだっけ?)
20年以上も前、第一次(なのか)東京ラーメンブームの頃?

香月はともかく、今もここは、色が薄めだが、
塩味濃い目のとんこつスープに『背脂チャッチャ』、
茹でたもやしと丸く柔らかい三枚肉のチャーシュー。

グラスの生ビールをもらって、普通の『背脂チャッチャ』
ラーメン。

こう暑いと、こんなラーメンもたまには、よい。
食べ終わり、メダカを買って、帰宅。
自転車で出たのだが、やっぱり汗だく。
暑いので、クーラーの中で、チューハイなんぞ、
呑み直し。
そのまま昼寝、、、。

内儀(かみ)さんは外出中。

7時すぎ、起きる。

起きたら、なんだか、お好み焼きが食べたくなった。

お好み焼き。
なにが必要か。

キャベツ、豚バラスライス、桜海老。
この三つは、必須なのか。

しかし、改めて考えるのだが、
お好み焼きとは、不思議なものだ、と。

昨年であったか、チューボーですよ!のレシピで
関西風のものを作ってみた。

東京には東京の、お好み焼きというものが
あった。(いや、現在形かもしれぬが。)

違いはなにかといえば、キャベツは比較的大きめに切る、
山芋などは入れない、なぜだか、ヘラでパンパンと叩く、
出汁ではなく水で伸ばす、玉子は必ず入れる、
(ベーキングパウダーはまあ、普通は入れない)
これくらいであろうか。

今、東京にも関西風の有名店が多く進出してきてもいる。
それぞれ、いろんなこだわりがある、という。

昨年、自分で作ってみて、明らかに、関西風の方が
うまいことを、発見した。
私は、東京人であるし、東京を贔屓したいのだが、
無理である。

少なくとも、キャベツは存在感のある東京のざく切り
よりは、味、風味だけを味わう、みじん切りの関西風の方が、
料理の完成度とすれば高い、と思われる。

まあ、それはそうであろう。
東京などでは、私もそうだが、お好み焼きなど、
大人の、特に男の、食べるものではない。
メニューとして、進化するはずがない。

出汁は生地の味、山芋はふっくらする食感。
どちらもあれば越したことがないが、なくても、
まあ、成立はするであろう。

と、ここまで考えて、豚バラ肉と、キャベツを
買いに、出る。

ご案内の通り、今、この酷暑で、
キャベツは高価な上、品薄。

こんな時には、100円コンビニが心強い。
先ほど見かけたのだが、小さなものだが、
がんばって、100円で売っていた。
豚バラも量はいらぬし、十分。
桜海老なども、置いている。
(こういうものを置いているというのは、
考えてみると、100円コンビニ、不思議な
業態かもしれぬ。)

そうだ、青海苔もなかった。
これは、本青海苔(アオサではなく)、が
よかろうと、ハナマサへ。昔からある、緑の円錐の瓶のもの。

4品、買って帰宅。

出汁はいらぬ、と、書いたが、たいした手間ではないので、
一応、昆布と、鰹削り節で取り、蓄冷材を洗い桶に入れ、
鍋を突っ込み、急冷しておく。

キャベツを粗めのみじん切り。
レシピを見直し、薄力粉、ベーキングパウダーを
一応量って合わせる。

出汁、全卵を加え、みじん切りのキャベツ、
一口に切った豚バラ、桜海老も加える。

フライパンに油を敷いて、焼く。
焼き方はまあ、別段、考えるほどのこともないであろう。
両面焼ければ、OK。

ソースを塗って、マヨネーズも散らす。
やっぱり、こうした方が、うまそうに見える。


キャベツは、細かく切った方が、圧倒的に、うまい。
香りも食感もよいし、サクサク、ホクホクするような
気もする。
やはり、お好み焼きは、関西風に限る。

(しかし、このあと関西風にソースはベットリ塗ってしまったことがあった。
これは、だめ、東京のブルドックとんかつソースでこれをやると
味が濃すぎる。)








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