断腸亭料理日記2010

上野・とんかつ・双葉

今日から「断腸亭料理日記」通常バージョンに復帰。
『講座』を書いている間のことは、
やっと安くなってきた、秋刀魚で、秋刀魚飯
(これは、うまい。是非、お試しを。)など、あるが、
だいぶ時差ができてしまっている。すっ飛ばして、
直近の話題を。

〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

10月27日(水)昼

今日は、午前中、柏の事業所。
午後から、市谷へ戻る。

昼飯は、途中で。

TXから、大江戸線乗り替え、なのだが、
この途中。

そのまま、新御徒町の自宅に帰るのであれば、
南千住で降りて、尾花、なんというのもあるが、
途中であれば、それもできない。

あるいは、浅草、というのもある。
昼でも夜でもよい、というところはむろんあるが、
昼飯ならでは、となると、私も、これ!、というところが
ないのが、正直のところ。

で、上野御徒町、上野広小路。
とんかつの、双葉

ここは、昼だけの営業で、休みも多い。
なかなか、タイミングが合わないと、入れない。
今日、水曜は、営業日。

よし。

双葉にしよう。

営業時間が短く、店前に、子供お断り、など
貼り紙がしてあり、敷居が高そう、、、。私なども
そう思っていた。しかし、意を決して、入ってみると、
とても雰囲気のよい店。むろん、とんかつは、うまい。
(そして、出典は思い出されぬが、おそらく、
池波レシピであったと思われる。断腸亭としては、
非確定池波レシピ。)

なん度も書いているが、上野御徒町はとんかつ発祥の地。
明治末から、大正にかけて、洋食やのカツレツが、
独立し、今ある、和食としてのとんかつが成立している。
界隈には、ぽん多

蓬莱屋

井泉

の三軒の老舗がある。

どの店も、それぞれ、とんかつも、店の雰囲気も
異なっている。

ぽん太は、夜、誰かと。

蓬莱屋は、昼、でもよいが、やはり、夜。
ここは、一人でもよい。

井泉は、今年、宴会なんぞをやったが、
そいう使い方もおもしろいし、休み日の昼飯、なんぞにも
ちょいと入れて、よい。

お客とすれば、気分に合わせて選べるので、
近所に住んでいる私などは、今は重宝している。
(ついでに、さらにご近所、浅草寿のすぎ田も、ある。
ここは、土日の夜、うちの内儀(かみ)さんと、が、
多いかもしれぬ。)

で、双葉。

上野御徒町の駅から上がり、鈴本の方向に歩き、
パチンコ屋の路地を入り、右側の角。

12時までまだ5〜6分間がある。
入ると、あき席も、ちらほら。

いらっしゃいませ〜〜、と、声が掛る。

1人、と指を出すと、
おかみさんに、奥の壁際の席を案内される。

と、間髪を入れずに、煎茶の湯呑みと、スポーツ新聞が
テーブルに置かれる。

定食で!、と、頼む。

ここは、メニューはとんかつ単品と、定食しかない。

スポーツ新聞など、こんな時でしか私は読まない。
芸能ゴシップなんぞの見出しを拾い読み。

ややあって、きた。


ここの揚げ色は、薄め。
蓬莱屋などと比べると、随分と差がある。

そして、ここは、肉が厚い。
口に運ぶと、脂身は少ないが、実に柔らかく、
旨みに溢れている。

よほど肉は吟味をしているのではなかろうか。

そして、キャベツ。
芸術的に、細い。
綿(わた)のよう。

食べていると、必ず、キャベツのお代わりを
おかみさんが勧めにくる。

細くて、軽く盛られているので、量は見た目よりは
少ないのかもしれない。

飯もうまいし、
味噌汁も濃く、うまい。

食べ終わる頃、番茶が運ばれる。

満腹。
うまかった、うまかった。

立って勘定をし、ご馳走様です、と、
出口へ。

調理場からご主人を含めて、おかみさん、
娘さん(?)三人で、ありがとうございま〜す、
と、声。

うまい上に、実に気持のよい店、で、ある。


住所 東京都台東区上野2−8−11 
電話 03-3831-6483



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