断腸亭料理日記2010

オムライス

7月25日(日)第一食

日曜。

第一食。

いま一つ、食欲がない。
昨日の夜なども、枝豆とビールといった、有様。
アメ横の魚やや、吉池へいっても、あまりピンとこなかった。
(むろん店の問題ではなく、私の問題。)

まさしく、夏バテ。

こういう日記を書いていて、これはかなり問題である。

少し気合を入れねば!。

冷蔵庫に冷飯がある。

オムライスを作ろうか。

前にも書いたが、チキンライスは大好物だが、
それを玉子で包んだだけのオムライスというのは、
さほどでもない。

そういえば、池波先生もチキンライスや、
ハムなどの、鶏以外のケチャップライスも
普段、ご自宅でもとてもよく食べられていた。
しかし、オムライス、というのは、あまり登場していなかった
ように思う。

私の場合、なぜ、オムライスが、いま一つ、なのか。
玉子焼きは好物というほどではないが、まあ、
だし巻なども普通に食べられる。
(同じだし巻でも王子名物、扇屋の玉子焼きは
別格で大好きであるが。)

考えてみると、どうも、半生、あるいは、半熟の玉子が
だめなようなのである。半熟でも温かければよいのだが、
少し冷めてくると、生ぐさく感じるのである。

従って、目玉焼きも半熟ではなく、いつも
完全に火を通したものにする。

だし巻などは、完全に火を通すが、オムレツ、
あるいは、オムライスの類は、半熟の、トロッとしたものを
よしとするが、これがいま一つ、なのである。
(むろん食べられなくはないし、出来立ての温かいうちは
あまり問題はない。)

しかし、一方で、私の場合、不思議なことに、生玉子は、
生玉子でまた別なのである。よく、酒の肴になにもないと、
しょうゆを落として、飲んだりすることもある。
むしろ、好物といってよいかもしれない。

どのへんに原因があるのか、ちょっと、考えてみた。
もしかすると、子供の頃の記憶が影響していそう、なので、ある。

子供の頃の私は、どちらかといえば、食が細く、
偏食も少なくなかった。
(従って、やせっぽち、であった。)

どこの家庭でもそうだろうが、
家でも朝食ではよくトーストと目玉焼きが出た。
この朝飯を起きてすぐには食べられず、半熟の目玉焼きを
持て余し、そのうちに冷たくなって、これをまた、
残すな、といって、親に無理やり食べさせられた、、、。
どうも、このへんが原体験、トラウマになっているように
思うのである。

それで今でも、半熟玉子の、冷め加減、冷めてしまったものは
イマイチ馴染めない、ことになっているような気がしている。

ともあれ。
オムライス、で、あった。

冷凍庫から鶏もも肉を出し、レンジで解凍。
細かく切る。

玉ねぎは、半個、みじん切り。

冷飯も冷蔵庫から出し、軽くほぐしておく。

フライパンに油を引いて、玉ねぎから投入。
炒める。

鶏肉も投入、一緒に炒める。

火が通ってきたらブランデーを投入。
フライパンを傾け、火を移し、フランべ。

これは浅草ヨシカミの真似、だが、
ブランデーを入れることで香りがよくなるし、
味も濃くなる。
ちょっとしたことだが、これだけの手間で
うまいチキンライスができる。

塩胡椒。

火を止め、ここに、冷飯の投入。
あらかじめほぐしておいたが、さらによくほぐしながら
よく混ぜる。

ほぐれてきたら、点火。
軽く煽って、再び火を止める。
ケチャップを入れるため、で、ある。

なにか足すたびに一々火を止めているのは、
素人の悲しさ、で、ある。
火をつけたままでは、手際がわるく、心配、なのである。
なにが心配子というと、焦げ付きや、飯から粘りが
出てしまうこと、で、ある。

ケチャップを入れ、火を止めたままでよく和える。
ケチャップが全体に馴染んだら、再度点火し、
軽く混ぜて、チキンライスは終了。
置いておく。

次は、オムレツ。

生玉子3個を割りほぐす。

まだ新しいテフロンのフライパンを用意。
どうしても私の場合、テフロンでなければ心配。
むろん、くっつくから、で、ある。

点火し、温まってきたら、軽く油を引く。

割りほぐした玉子を投入。

全面に広げ、プロがやっているように
菜ばしで、真ん中付近を混ぜながら、焼く。

この真ん中を混ぜる動作はなんであろう。
火の通りをよくするため、であることは
間違いないのだろうが、いま一つ、メカニズムと、
意図がよくわからない。

火加減にもよるだろうが、別段混ぜなくとも
徐々に全体に火は通っていくであろう。

内側に半熟の部分を残したいのであれば、
放っておいてもよさそうではないか。
なぜであろうか。
(試してがってん、かなにかで、このあたりのメカニズム、
やっていたっけ?。そんな気もするが、忘れた。)

ともあれ。

ある程度中央あたりも固まってきたら、火を止め、
中央付近より少し向こう側を中心に、
先ほど作ったチキンライスをオムライスの形に
しゃ文字で取って、置く。

中央より向こう側に置くのは、
高等テクニックを使わないため、で、ある。

玉子全周の縁を菜箸で引っ掻いて、フライパンの表面から
はがしておく。

次に、手前側の玉子を菜箸の先で持ち上げ、チキンライスの
山にかぶせる。

OK。

ここまでくれば、もう完成は近い。

皿を用意。
フライパンの上にふせ、フライパンもろとも
ひっくり返す。

これで、なんなく、玉子にくるまれた
オムライスの完成、と、なる。

プロは、トントントンと、フライパンの柄の部分叩いて、
器用に玉子でチキンライスをくるむが、到底、
私の及ぶところではない。

ちょっと形は変だがオムライスとしては、十分、で、あろう。

中央に、帯状にケチャップを塗る。


できた。

玉子をかき混ぜたりしたものだから、半熟ではなく、
しっかり軽く焦げ目が付くほど焼けてしまった。
が、むろん、私にとってはこれでよい。
十分にうまい、オムライス、で、ある。






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