断腸亭料理日記2010
さて。
今年最後の「断腸亭料理日記」となった。
皆様の2010年、平成22年はいかがであったろうか。
サラリーマンとしての私のことは
まあ、ここにあまり書いても仕方がないが、
厳しさを増していることだけは確か、で、ある。
しかし、厳しさを克服し、なんらかの解法を出すために
給料を貰っているのだから、お払い箱にならぬうちは、
愚痴らずに、前に進むしかない。
翻って、断腸亭としての今年は、といえば、
なんといっても、NHK文化センターの『講座』、
「池波正太郎と下町歩き」を始めた、と、いうこと。
今年初旬、NHK文化センターの方から、
池波先生の行き付けであった店での食事と、文字通り、下町を歩く、と
いう企画でやりませんか、と、メールで連絡をいただき、
この4月から、お引き受けをしたわけである。
4〜9月の前半期6回と、9月からの後半期も半分が
終わった。
当初は、こちらも初めてで、どうなることかと
心配をしたが、3回目、4回目と回を重ねていくうちに
なんとなく、参加されている皆さんとも打ち解けて、
感じがつかめてきた。
ある程度、どこを歩くかを念頭に置いて、店に目星をつけ、
交渉し、むろん、断られる場合もあり、紆余曲折あって、決定。
そこから、どこをどう歩いて、なにを見ていただき、
どんな話をするのか、を、様々な資・歴料をあたりながら、
説明用の資料を書く。(これが時間的には最もかかる。)
そして、実際の下町歩きの時の、私の恰好の準備。
着物で通すことに決めたので、なにを着ていくのか、
なんぞも、枝葉のことではあるが、考えなければ
いけなかった。
落語用になん枚かの着物は持っていたが、
夏冬のもの、などと、俗にいうが、仕事用のスーツとは
違って、春、初夏、真夏、秋、冬、と、TPOに合ったものを
すべて持っているわけでもなく、調達しなければ、
ならなかった。
そして、実際の町歩き。
話し方、声の大きさ、その他、ご参加の皆様から、
いろんなクレームも当初はいただいた。
まあ、そんなこんな、あったのだが、
こうしたことの一つ一つが、自分としては、
楽しく進めることができたし、また、結果として、
糧(かて)になっていると思っている。
改めてここで、ご参加の皆様、と、NHK文化センターの
方々に感謝を申し上げたい。
さて。
自分として、楽しくもあり、また、最もためになっている
というのは、資料作り、である。
やはり、元来、私は、調べる、ということが、好き、
なことは確かである。
それも、自分の生まれ育った、東京という町、街を、
丹念に調べる、ということが、できている、ということ。
今まで、この日記を書きながら、考えて、やってきた
ことではあったが、すべてのもので、満足なことが
書けてきたか、と、いえば、まったくもって、そんなことはない。
また、普段歩かぬところは、対象にもなっていかった。
そういう意味で、本来やりたかったことが、
この『講座』という枠を与えていただいたことによって、
無理やりにでも、やれている、ということ。
これは、本当に、ありがたいことである。
また、皆さんには、まったく関係はないが、
着物が揃ってきた、ということ。
むろん、高価なものがあるわけではないが、
夏、真夏を越えて、なんとか、恰好がつくようにはなってきた。
実のところ、昨日なんぞは、いつもお世話になっている、
浅草ちどりやさんで、着物用のコート(鳶・インバネス)も
調達をした。
伊達の薄着もよいのだが、真冬の外出に着物を着る、
というのは、とても寒いもの、なのである。
正月など、皆さんもご経験はあろうが、初詣に
夜中に、羽織にマフラーを巻いただけで、外を歩くと、
東京でも、芯から凍えてしまう。
これで、明日の初詣も、来月以降の『講座』も大丈夫、
で、あろう。
ともあれ。
『講座』は自分でも楽しみながら、
また、ご参加の皆様に楽しんでいただけるものが
ご提供できるよう、励んでいきたいと、考えている。
それから。
この『講座』がどんな風に発展していくのか、
いかないのか、、、。
また、断腸亭として、これからなにをしていくのか。
自分でもまだよくわからぬのが、本当のところであるが、
なにか、おもしろいことができたらよいとは、
思っている。
ともあれ。
2010年、1年間「断腸亭料理日記」ご愛読をいただいた
皆様に、感謝をするとともに、皆様の来る年2011年がよい年に
なりますよう、お祈り申し上げます。
ありがとうございました。
断腸亭錠志
新年は、通常通り、日曜日、2日から。
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