断腸亭料理日記2009
5月16日(土)第一食
さて。
土曜日。
朝起きたら、スパゲティーナポリタンが食いたくなった。
自作しようか、と、思ったのだが、、、
待てよ。
本家へ行こうか、と、思い返した。
本家とは、いわずと知れた、銀座INZの、ジャポネ。
ジャポネ、というスパゲティーや、も不思議だが、
ナポリタンというのも、不思議な食いもの、で、ある。
この前、池波レシピ、柳橋の洋食、大吉で、うまいのを食った。
過去にも紹介したが、ナポリタンとはなんであるかという
本まで出ている。「ナポリタン」(上野玲・小学館文庫)
しかし、とにもかくにも、
我々の世代には、懐かしい食いもの、で、ある。
時たま、無性に食いたくなる。
ジャポネは日曜は休みだが、土曜はやっている。
10時半開店だ。
どうせすぐに行列になるのだろうから、
開店を狙っていってみようか。
先ほど、本家、と、書いたが、ここを思い出す、
と、いうのは、ちょっと、アブナイ、かもしれない。
ようは、ドカ食いをしたい、という心持、なのである。
ジャポネは、ただのうまい懐かしの喫茶店スパゲティーや、
ではない。とてつもなく、量が多いのが、ウリ、なのである。
大盛でも、通常の3倍ほどはあると思われるが、その上に、
横綱、さらに、親方なる呼び名の、神をも恐れぬ量のものがあり、
これらを平気で完食する強者(つわもの)がゴロゴロいる。
ここで、普通盛りなどを頼んでいたら、まあ“幅が利かない”
と、いうもの、で、ある。
元浅草から有楽町、銀座まで、歩いて行ってもいいのだが、
なにも食べずに、歩く、というのもないであろう。
銀座線で銀座まで行こう。
天気は曇り。
あまりよくないが、気持がよいので、
足元は、雪駄。
(銀座に行くのではなく、ジャポネにいくのである。
だから、雪駄。妙な言い訳だが、、。)
銀座で降りる。
和光の前を、素足に雪駄を履いた、
いい加減な格好で歩くのは、多少気が引ける。
足早に、路地に入る。
外堀通りまで出て、渡り、インズを東京駅方向に歩く。
インズの一番端っこ。
マックがあって、その先の入り口から入る。
あれま。
もうすでに4〜5人の行列。
10時半はすぎているが、11時にはなっていない。
ひょっとすると、開店前から並んでいる人もいるのか。
(いそうである。)
見たところ、座っている人全員が食べているわけでは
ないので、これは、少し時間はかかりそうである。
気長に待とう。
持ってきた文庫本を読み始める。
待った時間が15分程だったろうか。
あるいはもう少しか。
やっと座れた。
注文は、ナポリタンジャンボ(大盛)。
ついでに、持ち帰りでインディアンの普通。
(ちなみに、インディアンというのは、
炒めたスパゲティーにここ特製のカレーがかかっているもの。
これも、飛び切りうまい。見返してみると、
昨年きたときにも、同じものを頼んでいた。
考えることは、判で押したように同じ。
私も、進歩しないものである。)
ジャポネは、座ってからも、長い。
ゆっくり、読書タイム、で、ある。
そう。
今日は、並んでいる人々を見て、気が付いたのだが
土曜日だからか、随分バラエティーに富んでいる。
20代から、3〜40代の、私のような、男一人、
または、二人、というのが最も多いのだが、
若いカップル、そして、定年後と見られる、
老夫婦、という人々までいる。
ジャポネというところは、
いろんな人々の興味をそそる、ものである。
さて、ついにきた。
ナポリタンジャンボ(大盛)。
(大盛で、この量。この上は、洗面器、で、ある。)
毎度であるが、私の場合、これを食べ始めるについては、
緊張感が走る。
なるたけ、無心。頭は空っぽにして、息も付かずに、
食べなくてはならない。
とりあえず、半分。
できるだけ、水も飲まない。
ふう。
まだまだ、いけるぞ。
2/3。
まだいける。
終わりが見えてきた。
これなら大丈夫。
水を一口。
このあたりで、酸味の強いトマトケチャップが
きつくなってくる。
だが、もうひと踏ん張り。
ふうー、やった!。
完食。
一気に、水も飲み干す。
フー。
もう一杯、水。
お勘定をして、インディアンの持ち帰りももらい、
カウンターを後にする。
近くのコーヒーやで、一服。
達成感というのか、妙な充実感に包まれる。
いい年をして、ドカ食いもないのだが、、
まあ、ストレス解消になることは間違いない。
あとは、歩かねば!。
ジャポネ TEL 03-3567-4749
〒104-0061 東京都中央区銀座1丁目1−1
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